寄りホット情報

                 お伝えしたい、感動のメッセージ
    丸山孝明ホット情報
      (40歳の時、ニューヨークにて)

         =真志正望

第184回  平成29年 7月
「西郷隆盛」   池波正太郎 著 角川文庫 四百八十円+税

読書は、宝の山への旅と実感します。西郷隆盛(1828〜1877)激動の時代を生き抜いた日本の偉人です。その五十年の生涯がわかりやすく紹介されています。「西郷は真の政治家でありながら、世に横行する政治家ではない。西郷は詩人の魂をもった理想家であり教育家であった。芸術家になっても、すばらしい業績をのこしていたろう。」明治維新の動きが熱く語られています。「坂本にしろ、西郷にしろ、勝にしろ、動乱の時代をうごかして行くのを見ると、世は人を生むというが、つくづくふしぎさ、おもしろさをおもわぬわけにはゆかない」人材とは歴史が生み出すようでもあり、また慢心が人をダメにするようです「みな、おのれのことばかり考えていなはる。これじゃ新しい世とはなり申さぬ。駄目じゃ。いかぬ」「新政府の人ら、猫も杓子もみなひげ面になっとんなはる。みっともない」そして「万民の上に位するものは己をつつしみ、品行を正しく、おごりをいましめ、節検につとめ、職務に勤労して人民の標準となり、下民、その勤労を気の毒におもうようならでは、政令は行われがたし」と厳しく語っています。現在の世の中でも同じことが言えるようにおもいます。

第183回  平成29年 6月
「仕事の神様がひいきしたくなる人の法則」 
(神様だって、応援したくなる人がいる)  井垣利英 著 致知出版社 千五百円+消費税

読書は、宝の山への旅と実感します。人材育成家として注目の人です。日々に感謝し素晴らしい人生を過ごしている人、不平不満で辛い人生を過している人、全てのことは自分が決めているようです。それなら、仕事の神様が『ひいき』したくなる人になりたいものです。その方法が、紹介されています。「プラスの貯金を潜在意識の中に増やす為には、良い言葉を自分の中に貯金すること。良い本を読むことが素晴らしい人生をつくる」「働くこととは、収入を得ながら@貴重な経験ができA自分の人間性を磨きB世の中の進歩発展に役立つこと」と感じれば得することばかりです。「『天職を探したい』と転職ばかり繰り返している人、今の仕事を一所懸命する事が本当の意味での天職になる」といえます。そして、恐ろしい話しですが近い将来、「人工知能やロボットが活躍する時代になると、今ある仕事の五十%はなくなるといわれている中」で、「死ぬか生きるかの覚悟が必要」と強調されています。「新しいチャレンジや自らのレベルアップをいつも考えて、改良改善し続けること」が求められ、そこに素晴らしいやりがいと感動の人生が生まれるようです。人生は、一度だけです。大切に生きる指針が満載です。




第178回  平成29年 3月

  「理論 近現代史学U」 
本当の日本の歴史学
          藤 誠志(アパグループ代表)著 アパホテル 八百円

読書は、宝の山への旅と実感します。元谷外志雄氏(藤誠志はペンネーム)の話題の一冊で、アパホテル全室に置かれ、中国が激怒したことで注目されました。近現代の歴史を事実に基づき忠実に解説し、多くの日本人が悩ましく感じる世相の闇を照らしてくれます。慰安婦や南京問題のウソを知りながら謝罪し続ける本質が明確になります。マッカーサーも反対した無警告原爆投下(国際法の大虐殺)がアメリカにとって大戦後に待ち受けるソ連との「第三次世界大戦を防ぐ為に必要であったこと」を認め、日本はなぜ「あのような戦争を行い負けたのか」総括が必要という。「戦後世界覇権を握る為に、非人道な原爆を投下してもアメリカが良い国であり続けるためには、原爆を投下された日本が悪い国であり続けなければならない」そこでアメリカは「英語のできる高学歴の日本人五千七六人を含む六一六八人の検閲作業従事者が日本人に植え付けた」のが自虐思想であり日本国民に日本人が反日思想を植え付け、その知的階層が後に優遇され出版やマスコミや大学教授となって社会に消えていった。この事実が日本の現在の悩ましい不幸を作っているようです。改めてこれまで学ぶ事のなかった近現代史を学ぶ時と実感します。
     (私は右ヨクでも左ヨクでもなく、中ヨクです)


[着眼・着手]
先日(二月二十二日)京都で日本電産創業者永守社長の講演会に参加。グループ年商一兆二千億円、社員十一万人。世界トップのモーターメーカー。きっかけは小学生の時の理科の工作でモーターを作り学年で一番になり、先生にご褒美として中華料理をご馳走になったことだそうです。現在七十二歳夢は大きく、年中無休で百二十歳まで挑戦したいとの事。大変かっこいい紳士に感じました。


第179回  平成29年 2月
         
 
「凛とした日本人の生き方」 
          鍵山秀三郎 著   モラロジー研究所(千二百円+税)
読書は、宝の山への旅と実感します。素晴らしい一冊です。掃除道五十年、平凡なことを非凡に実践し会社を、業界を変革させてきたイエローハット創業者、鍵山秀三郎氏の新刊です。八十四歳の今、後世に熱く「心づくり・企業づくり・国づくり」を語り掛けてくれています。温かい愛情を感じる人生の幸せについての生き方と考え方の指針書です。下村湖人先生の言葉「私の住みたい世界は、苦悩が絶望の原因とはならず、勇気への刺激となるような世界である」を引用し「苦しみは自分を鍛える試練です。感謝してわが身に引き受ける人こそ、経営者の資格があるのです」と。また二宮尊徳の言葉「遠きをはかる者は富み、近きをはかる者は貧す」より「十年、二十年先を見据え、覚悟を持って社会の問題を自分の問題として捉え、立ち向かっていく。そんな志の経営こそ、強い会社を作ります」忘れていた大切な事に気付くことができます。「よい生き方、よい人生」を実感します。

[着眼・着手]
古事記より、千六百年前のお話しです。仁徳天皇は高津の宮の高台より眺められ炊事の煙が上がっていない事に気付き三年間税金を免除し、三年が経過しかまどの煙を見て「私は豊になった」(民の幸せが私の幸せ)そして更に三年税を免除しました。すると民の方から「十分豊になりました。税金を取り立てて下さい」と要請し、民の力で朽ち果てた皇居を再建しました。その後、永く国は栄え、仁徳天皇の徳を偲び世界最大のお墓を作りました。(竹田研究会より)


第178回  平成29年 1月


  「二宮金次郎」 

   童門冬二 著   集英社文庫 全一冊
     (1048円+税)

読書は、宝の山への旅と実感します。素晴らしい、約七百ページの読み応えのある一冊です。二宮尊徳(一七八六年〜一八五六年、享年七十歳、江戸時代後期の農政家・思想家)日本の代表的な偉人の一人です。子供の頃逆境の中、薪を背負い本を読む姿は有名ですが、六百を超える村の復興に尽力しました。「人の中に徳がある。土の中に徳がある。」厳しい人生経験の中から生まれた、独自の仕法で小田原藩名家を再興し、荒廃した桜町を復興させるその取り組みの姿は、すさまじく、話の中に引き込まれます。会社経営でも全く同じことが言えると実感します。「この間までの怠け者も、この村の人達だった。そして今度見せてもらった勤勉な農民も、この村の人たちだ。別な人間ではない。同じ一人の人間だ。ひとりの人間が、前には怠け者で今は働き者だ。黒か白のようにはっきりしている。そう思うと、善悪貧富盛衰存亡みな同じではなかろうか。だから、富道を行えば富み、貧道を行えば貧するのだ。」どんなもの、どんな人にも徳を見出し、徳を掘り起こすことを第一とした報徳思想こそが現場を第一として実践を重視する二宮尊徳の素晴らしさと実感します。社長の出番です。

[着眼・着手]
新年おめでとうございます。
今年は丁酉(ていゆう・ひのと、とり)とり年です。 
丁(てい)は、旧勢力に対する新勢力が生まれ出る状態を示し酉(とり)は、かめの中で麹が発酵する状態を示すようです。蓄積されたエネルギーがいつ爆発してもおかしくない、新しいエネルギーが衝突する、大きく動く年のようです。多事多難が予想されますが、チャレンジャーにはチャンスです。


第177回  平成28年 12月
  
  「海賊とよばれた男」 
  百田 尚樹 著   講談社文庫 上下(750円+税)

読書は、宝の山への旅と実感します。四年程前のベストセラーが、映画化され、今月公開です。多くの方が読み心を熱くされたと思います。昭和五十六年三月、九十五年の英雄的な生涯を終えたまさに国岡鐡造(出光佐三)の偉人伝と感じます。明治十八年福岡に生まれ、染物業を営む父親から「一所懸命働くこと、質素であること、人のために尽くすこと」の三つを徹底的に叩き込まれた。そのことが人生の大きな核になっているようです。それは、戦前・戦中・戦後を通してあらゆる権力や大きな利権との限りない戦いでもありました。敗戦の中で全てを失った日本の中で一人立ち上がり、だれもが驚く経営をやりぬきました。終戦直後八百名の外地社員が戻ってくる。しかし仕事はない。人員整理の提案に「馬鹿者!社員は家族と同然である。家が苦しくなったら家族を切り捨てるのか」人間尊重を貫き、就業規則も出勤簿も定年も設けず家族主義を貫き、日本の国の再建に巨大な海外資本や官僚組織と正面から戦い抜きました。日本で唯一の独立系石油販売会社として成功を収め五十周年で後継に代表を譲るとき「人間尊重の精神はこれからの時代にこそより強く求めていかなければならない。人間尊重のバトンを渡したい」と熱く語りました。油屋として商売を始め一代で石油という武器で世界と戦った男のロマンを感じます。

[着眼・着手]
仏典に「過去の思いを知りたければ現在の姿を鏡に映せばよい。(思いが現実を創る)。未来の姿は、はっきりと見ることができる。知りたければ未来への思いを紙に書けばよい。」(因果の法則)将来の自分の姿をはっきりと書ける方は少ないのではないでしょうか。
大河ドラマのような生き方をしたいものです。



第176回  平成28年 11月

 「ネクスト・ソサエティ」 
   
    歴史が見たことのない未来がはじまる
    
    P・F・ドラッカー 著 ダイヤモンド社(二千二百円+税)

読書は、宝の山への旅と実感します。十年程前の世界のベストセラーですが、今読み返しドラッカーの先見性に驚きを感じます。「日本では誰もが経済の話をする。だが最大の問題は社会的な革新である」の書き出しで始まり、企業・組織の短命化が進み、人口減少は高齢化より少子化が問題となり、専門職というプロフェッショナルが求められ製造業は農業に似た道をたどる。また、「激動の時代におけるマネージメントの要諦は、短期的な視点ではかなり危険であり、短期と長期のバランスをはかること」であり、転換期をチャンスに転ずるには、本物を見分ける力「見分け方は簡単である。本物の変化は人が行うことであり、一時の変化は人が言うこと」だそうです。インターネット社会では、「物流」が武器となり国内最大店舗数一万店(現在およそ二万店)のセブンイレブンの店舗網が大きな力になりうるようです。そして、重要なテーマが語られています。資本主義の限界とNPOへの注目です。「人間として生きるということの意味は金銭的な計算では表わせない。金銭などという近視眼的な考えが、生活と人生の全局面を支配することがあってはならない」と強調し、最後に「間もなくやってくるネクスト・ソサイエティー(異質の社会)においては経済が社会を変えるのではなく、社会が経済を変える」と結んでいます。今改めて注目の一冊です。

[着眼・着手]  
著名な教育者、森信三は2011年からの5年間に価値観の激動が起こり2016年から新しい時代が始まる。しかし、その変化が見えるのに更に10年を要する。と話されていたようです。では、どのような時代なのか。二宮尊徳の思想が注目されるのでは、との事。利潤追求(資本主義)から奉仕社会に、日本が得意とする「おもてなし」や女性に見られる「感受性・包容力」が求められるのではないでしょうか。2025年には良い時代となりそう、とも。



第175回  平成28年 10月

 「田中角栄頂点をきわめた男の物語」 
    オヤジとわたし

     早坂茂三 著 PHP文庫(六百二十円+税)

読書は、宝の山への旅と実感します。二十三年間、敏腕秘書として苦楽を共にした早坂氏の目から見た田中角栄を魅力的に表わしています。尋常小学校高等科卒・一級建築士・土建会社オーナー、頭の切れは抜群・記憶力の良さは大蔵官僚も真っ青・約束は必ず果たす・人の名前は上と下を通しで覚え顔も覚える・面倒見が良い・かゆいといえば十メートル先から素っ飛んできて丹念にかゆくないところまでかいてくれる・座談のうまさは天下一品・酒席は明るくしゃべりだすと止まらない。エピソードを上げるときりがない。また母親の法要で出されたのが「塩を振りかけた焼きたてのイワシ」見た目のご馳走に興味がない。また由緒ある菩提寺の偉い僧侶に「お経は誰も聞かない。三分でやめてくれ。上げたければお客が帰ってから夜通しでもやってくれや」とニンマリ笑ったそうです。風習などにこだわらない。日中国交正常化を果たしたときも「毛沢東や周恩来というえらい苦労をした連中が元気なうちに勝負を決めなければいけないんだ」世代が変ると「賠償金は勘弁してくれ」「じゃあ仕方がない」では済まなくなると一気呵成に仕上げた。田中角栄という男の生き方が今注目を集めているようです。

[着眼・着手]  

先日、A社様の戦略的な中期経営計画の発表会に同席。社長様が将来のビジョン・方針そして環境変化の予測と成功要因を熱く語られ、専務様が五年後の理想像と経営目標を発表され、経営幹部の皆様が具体的な活動計画を力強く発表されました。多くの社員の皆様も目を輝かせて聞かれていました。良い会社には素晴らしいビジョンがあります。

第175回  平成28年 9月

 「2017年 世界の真実」 

 これは単なる予測ではない、すでに見えている現実だ!

   長谷川慶太郎 著 WAC(九百二十円+税)


読書は、宝の山への旅と実感します。昨年に続き鋭く世界の現状を分かりやすく解説しています。本年五月伊勢志摩サミットで安倍総理は、素晴らしい仕事をしました。通常その準備は官僚がするのに総理自身が参加国を事前に訪問し「新しいG7」体制を確立し、「大きな発言力」を手に入れたようです。二十世紀はインフレの時代、しかし今後世界がデフレ状況に向う中で日本は、二十年を掛けて模索し先行して体質強化を図り経済危機から立ち直りました。ヨーロッパは今後極めて厳しい環境を迎え、「ロシアは滅びの道を歩み」中国は「どんなにあがいても、崩壊する運命にある」ようです。世界が日本の力を改めて評価しています。「特許の国際貿易が一九九二年以降プラス九六年から世界の全ての国にプラス、日本は、GDP研究開発費3.5%。アメリカは、3%他はコンマ以下」で技術力は突出しているようです。伊勢志摩サミットでイタリア首相は安倍総理の腰巾着のようにすそをつかんで動かなかったそうです。危機的なヨーロッパは、G7及び日本に期待しているようです。内外六千人の報道陣、そして世界が注目したサミットは、日本の力を明確に世界に発信しました。新しい時代の始まりを予感できる素晴らしい大きな転換期を今迎えているようです。

[着眼・着手]  
先日、堺市中学校美術部展示会「部展」に行く用があり、その前日少し勉強しておかなければと思い、以前から気になっていました「デトロイト美術館展【大阪市立美術館(天王寺)九月二五日迄】に行きました。ゴッホ・モネ・ルノワール等の世界的な作品が目の前に展示されており感動が伝わってきました。満員でしたが是非この機会に如何でしょうか。

第174回  平成28年 8月

 「運命の法則」 

   「幸運の女神」と付き合うための十五章 
   天外伺朗 著 飛鳥新社(六百三十円+税)

読書は、宝の山への旅と実感します。元ソニー上席常務、工学博士、四十二年間勤務し犬型ロボットAIBO等の開発を主導、その半生の中で体験的に感じた法則を論理的に証明しています。結論は「幸運は意図的に招き寄せることができる」「『運』は偶然の産物ではありません」ということです。人が喜びや楽しさを感じるということを内観的に調べると仕事・遊びに係らず、何かに没頭している状態(「フロー」と呼びます)であり、そのような状態が続く中で偶然が次々に起こり、障害が消え、納得のいく目的と秩序の感覚に満たされます。「フロー」は人生を変える莫大な力を秘め、「躍動的なエネルギーに満ち、人生に喜びと活気をもたらしてくれる」ということです。「結果よりプロセスが大切」であり、プロセスの良し悪しの判断基準は「フロー」に入っているかどうかだそうです。結果を求めるよりワクワクする状態に出来るかどうかがリーダーの能力になり、「人生を良い方向に導く『フロー』感覚を身につけること」と「最も真剣に準備をした人間にこそ運は訪れる」といえます。そして、「二十一世紀の企業経営は、深層心理や目に見えない宇宙の営みまで配慮したものになり、その確立には日本がリーダーシップを執る可能性が高い」ようです。新しい時代が始まっています。

[着眼・着手]  
「私は、失敗しませんので」何かのテレビドラマの名言ですが、それを常に言っている著名な経営者がいます。京セラ・第二電電創業、JAL再建と華々しい活躍をしている稲盛和夫氏。「多くの人達は、途中で諦める。私は、出来るまで諦めない」明確な目標に向って、「決して、決して、決して諦めない」継続の力を持つと「私は、失敗しませんので」となります。


第169回  平成28年 4月  

 「日本でいちばん社員のやる気が
          上がる会社」
 

   坂本光司&研究室 著  ちくま新書(820円+税)


読書は、宝の山への旅と実感します。お馴染み坂本光司先生の本です。サブタイトルには、「家族も喜ぶ福利厚生一〇〇」表紙の見出しには「人、とりわけ社員とその家族を大切にしている企業の業績は例外なく高いということが多くの企業研究の成果として近年、明らかになっている」とあります。そして、その具体例が満載です。新鮮野菜やフルーツを定期的に社員に贈り成長する「よしや」、毎日平均一時間の楽しい朝礼で有名な「沖縄教育出版」、ゆっくりくつろげる社内カフェで社員満足向上の「叶匠寿庵」、作業着廃止手当てで明るい社風を実現する「未来工業」、社員の家族を招待しもてなす有名フレンチ「ル・クロ」、企業内保育園で安心して働ける環境を整備するお菓子メーカー「たねや」、その根底には、社員の家族をも含めた大家族主義が見えます。良いことをすれば良くなる。「自分や家族の為にここまでやってくれる。思ってくれる。」と社員が感じるとき組織に対する帰属意識が高まり「組織に恩返しをしようと考えるのは当然の行動」となります。研究結果でも業績を追求する会社には成果にバラツキがあるものの、社員のモティベーションを追求した会社の業績はまちがいなく自然と高まるという結果が出たようです。「楽しくなればよくなる」経営の極意のようです。
                                   
[着眼・着手]  
3月6日(日)日帰りで松山の坂村真民記念館に行きました。前日の5日より始まりました「坂村真民と森信三の世界」(6月5日迄)のコラボ展見学です。詩人として著名な坂村真民先生と教育者として注目される森信三先生の出会いの不思議に胸打たれます。そして、真民先生は、「念ずれば花ひらく」、森信三先生は「人生二度なし」で多くの人に影響を与え素晴らしい足跡を残されました。


第168回  平成28年 3月 

「人生の勝負は朝で決まる」
千田琢哉 著
[『好きなこと』で生きると、朝が待ち遠しくなる]   
学研プラス(1200円+税)


読書は、宝の山への旅と実感します。お馴染み千田琢哉氏の百十四冊目、一月新刊です。時代のニーズを敏感に感じる著者が改めて今「早起き」に注目しています。「早起きこそが成功の秘訣なら新聞配達の人たちは全員大富豪になっている」の書き出しで始まります。手段と目的を混同し、根性論での無理な修行に益はない。「楽しく朝を迎えていますか?」がこの本のテーマのように感じます。確かに成果を上げている人に共通する行動パターンは、朝が早いことです。今日一日を大切に、充実した一日を習慣としようとすれば、朝の充実が欠かせません。そして早く起きるために、少し早く休む努力をします。それが工夫となり充実した時間ともなるようです。「大好きなことをして生きているから朝が早くなる」「朝を大切にしている人は『おはようございます』の挨拶を自分から発信している」中でもなるほどと感じたのは「メールは朝六時台に送る」ということです。メールには送信時間が表示されます。受信した人は「この人は、朝の早い(出来る)人」という印象を受け、「反対に深夜のメールはダメ人間の烙印を押される」ことになるようです。エグゼクティブな人との波長の共有が出逢いとなります。更に楽しく朝を迎えたいものです。
                                   
[着眼・着手]  
二月九日大阪商工会議所セミナー受講。お客様を貴族のようにもてなすことを理念に成長・発展している「鳥貴族」社長の大倉氏。創業三十年売上二百億円、一番驚いたのは、その会社の専務・常務が、創業時のバイト一号とバイト二号、私利私欲なくトップ自らが先頭を
走る姿に感動しました。理想の会社は「サイゼリア」だそうです。

第167回  平成28年 2月 

名著「代表的日本人」を読む  内村鑑三 (石井寛訳)
「日本人が絶対に読んでおきたい名著」  (571円+税)


読書は、宝の山への旅と実感します。世界的な名著、著者内村鑑三(一八六一〜一九三〇)は札幌農学校でクラーク博士の影響を受け二十一歳首席で卒業しアメリカへ留学します。世界では日清(一八九四年)・日露戦争(一九〇四年、明治三十七年)で勝利を収めた極東の小国日本が注目を集め、その時、新渡戸稲造の「武士道」と共に英語で出版され世界で注目を受けました。ケネディ大統領も愛読し、就任のインタビューの質問で「尊敬する人は?」に対して「ヨーザン・ウエスギ」と応えて日本人記者が驚いた話は有名です。内容は、日本人のモラル・徳を重視し社会的地位・職業の異なる五人(西郷隆盛・上杉鷹山・二宮尊徳・中江藤樹・日蓮)を取り上げ代表的日本人として紹介しました。西郷隆盛の一節です。西郷の人生観は「敬天愛人」に尽きます。「己に打ち克つ者は成功し、己を愛する者は失敗するのです。多くの者が八分通り成功しながら、残りの二分で失敗するのは、成功するにつれて自己愛が生まれ、用心を怠り、安逸を思い描き、仕事を厭うようになり、そしてついには失敗するのです」人間としての正しい生き方が満載、今この時に求められる、何度も読み返したい一冊です。

                                   
[着眼・着手]  
A社様の経営会議でのことです。A社長が工場長に「この手順書はいつまでに出来ますか?」との問いに「来月中には」と返答しました。すると社長は、「どうせ、期限の2〜3日前にしかしないのだから、今週中にすれば」なるほどと感じました。夏休みの宿題です。仕事のコツは【即今着手・一気呵成・行動俊敏】です。



第166回  平成28年 1月  

   
「白州次郎男の金言」    
               DIA collection  
     「逆境から成功をつかむ」       (815円+税)



読書は、宝の山への旅と実感します。白洲次郎(明治35年〜昭和60年没83歳)かっこいい日本人が今改めて注目されています。ケンブリッジ大学を卒業し戦後の外務大臣、初代貿易庁長官、通産省設立、終戦処理全権団顧問、吉田茂の特使として活躍。日本再建のヒーローです。有名なのがたった二行の遺言。「一、葬式無用 一、戒名不要」。死んだら何もなくなる。だからこそ人生に真剣になれる。「自分の命を顧みずにGHQの矢面に立った戦後の混乱期、通産省設立電力再編と私心なく精力的に駆けずり回った壮年時代。いずれも生きている間が全てという思想から出た行動であり生き方」で、思う存分人生を生き抜いたといえます。エピソードも沢山あります。白洲は、帝国ホテル社長に「いいか、地位が上がるほど役得ではなく、役損が増えることを覚えておけ」リーダーとは、損を承知で引き受けるものと考え行動していたようです。また、これも有名な言葉です。「戦争には負けたけど奴隷になったわけではない!」マッカーサーとも対等に議論しました。白洲の口癖は「プリンシプル(原理原則)」信念を持って事にあたるそういう生き方がかっこよく感じます。
                                   
[着眼・着手]  
「海難1890」素晴らしい映画です。
歴史を知ると好きになる。
日本とトルコの友情の原点とも言える実話です。
是非、ご鑑賞をお勧めします。
観ながら、ずっと涙でした。


 第165回  平成27年 12月  

     
「新しい道徳」   北野武 著  

   「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか 
                  幻冬舎(千円+税)

読書は、宝の山への旅と実感します。「道徳の言葉は、なんだかとても薄っぺらい。『トイレを綺麗に使いましょう』と書かれた貼り紙くらい薄っぺらい。」むりやり掃除させることが道徳か問いかけている。「俺は汚いトイレを見ると掃除をせずにはいられない。飲み屋でトイレに入って前の人が粗相していたりすると、つい掃除をしてしまうのは昔からの癖みたいなものだ。今までいったい何遍、見ず知らずの他人が汚したトイレを掃除したことか。」しかし、貼り紙を見たからしているのではない。また、今の世の中では「夢を持て、自分らしさを生かせと子供に強調する」「夢なんかより今を大事に生きることを教える方が先だ」夢を追いかけスポーツ選手や企業家や有名人になり贅沢することを幸せと教える。「どんなに高いワインより喉が渇いたときの一杯の冷たい水のほうが旨い。お袋が握ってくれたオニギリより旨いものはない。贅沢と幸福は別物だ」と今の常識のどこかに矛盾が生じていることを感じる。『道徳』とは何か?「大人たちが、真面目に考えた方がいい」と改めて感じます。

                                   
[着眼・着手]  
A社長より「経営会議をスタートして約五年、最初は本当にこれで良く
なるのか不安の中、5人の社員と取り組みやっと仕組みが動き出し、業績も
好調」とのこと。B社長「十一月より社員が積極的に参加するか心配の
中で経営会議スタート、社員からの活発な意見に驚いた」とのこと。
会社には大きな利益が眠っていると実感します。




平成27年11月 NO.164


 
「強い会社の『すごい』共通点!」 
        ご支援二十五年で学んだこと                  
               
          丸山孝明 著 新風書房 千円



読書は、宝の山への旅と実感します。失礼します。本を上梓させていただきました。仕事を始めて25年、還暦、森信三先生の読書会に参加して二十年、そして一番重要なことは、もうすぐ2016年を迎える時にあたるということです。「2015年までの五年間は激動の時、2016年から新しい価値観、新たなる二十一世紀が始まる」といわれます。そして、素晴らしい時代の始まりを予感します。以前、アメリカのオーランドでディズニーの研修を受講したとき「サービス」の定義を質問されました。迷わず「お客様の要望に応える」ことではないかと思いましたが、それはとんでもないことでした。それは「最低レベル」のことです。では?気付きました。「期待に応えること?」とんでもない。期待に応えても、期待とおりに過ぎません。では??「期待を超えること、驚きを提供すること」このレベルがディズニーでは標準のサービスとしています。ですから、ディズニーは常に未達であり進化し続けることが出来ます。そしてこれが仕事の喜びであり、やりがいではないかと感じます。(補足です)

                                   
[着眼・着手]  
 経営は、心理学ともいわれます。二宮尊徳の有名な言葉に「遠きを謀るものは富み、近きを謀るものは貧す」とありますが、どうしても人間は、目先のことに追われ、大切なことを先送りしがちです。お釈迦様も「故に一生むなしく過ぎる」とあります。小さな変化を繰り返す習慣が宝と実感します。「決めて、動いて、チェックする」経営の極意ではないでしょうか。


平成27年10月 NO.163

 「2016年世界の真実」

 これは単なる予測ではない。すでに見えている現実だ!   

     長谷川慶太郎 著    WAC  (九百円+税)

読書は、宝の山への旅と実感します。常に第一線ジャーナリストとして活躍し、現在書店で平積みされ、新書版ベストセラーとして注目されている長谷川慶太郎氏の新刊です。「2015年の夏が暑いのは気象だけではない。日本を含めた東アジア情勢の根本的な変化が実現する時期が到来したからである。」「勝利者側にある日本としては、2016年以降の先行きに強い自信を持てる時期が来たといえる」という素晴らしい書き出しで始まります。また、ニュースで騒がれている沖縄オスプレイ配備は、近い将来起こる中国崩壊に備えていると言う。「アメリカが危ぶんでいるのは核兵器だ。中国には1千発近い核兵器がある」それをだれが押さえるかが問題だそうです。ソ連崩壊時には、管理体制が利いていたが中国ではそれが望めないのでその準備が始まっているそうです。また一つの例として今注目されている中国人の「爆買い」ですが「中国には一億人程度、海外旅行できる資力を持つ層がある。」この層の人達が何を考えているか。「金融資産の安全である。いつ人民元が紙屑になるかわからない。使えるうちに使って、値打ちの下がらない日本商品に換えておく」そういう意味が大きいのだそうです。北朝鮮・ロシア・中国そして韓国(東アジア)の動向に要注意だそうです。
                                   
[着眼・着手]  
十月が年度始めのA社様が、九月末に戦略的な中期経営計画会の発表会を開催されました。毎年恒例の重要行事です。定刻に起立・礼そして経営理念の唱和で始まりました。はじめにA社長よりの挨拶と大きな視点で環境変化の予測と自社の向う方向を熱く語られ、続いて幹部の皆様が目標と計画を各自発表されました。参加された社員の皆様も真剣に耳を傾けられていました。


平成27年9月 NO.162  

「プロカウンセラーの聞く技術」
    

          東山紘久 著  創元社 (1400円+税)

読書は、宝の山への旅と実感します。「ここが違う!『聞き方』の極意」サブタイトルに惹かれ購入。教育学博士であり臨床心理士の本ですが、なるほどと感じるところが多くあります。「仏像の多くは、耳が大きく口は小さい。」神仏は、我々の願いを聞いてくれる存在のようです。そして、多弁な聖者はいません。また、営業マンも「しゃべりすぎた」と反省する人は多いですが「聞きすぎた」という人はあまりいません。「聞く」技術について一部照会させて頂きます。「全ては相手中心」これが鍵のようです。「相手は、自分のことを知ってほしい」のです。そのためには「素直に聞く」受け入れる力が求められます。優秀なセールスマンは寡黙です。そして自分を飾らずオープンな雰囲気で相手に安心感を与えます。楽しい嘘(ユーモア)のセンスも訓練が必要のようです。「聞く」技術とは相手中心でこちらから話さず受身であること、しかし相槌とオウム返しだけだと消極的になり、積極的にすると「聞く」が「尋ねる」になる。上からではなく人間として自分の弱点もオープンに相手と感情を共有(共感)できる関係作りからがスタートだそうです。そして、聞く技術を習得することで「大切な人との人間関係が構築でき、信頼関係を得ることができます」とあります。話すときは一所懸命でも聞くときはいい加減になりがちで大切な関係を失っているのかも知れないと感じる一冊です。

[着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事です。
最近経営会議をスタートさせたA社長様よりのひと言。「社員から改善の意見が出たり、自主的に会社周辺のゴミ拾いを始めている」これまで会議等をあまりしなかったそうですが、社員の皆さんも楽しく実践され社長様も喜ばれています。


平成27年8月 NO.161  
        
  「特攻を見送った男の契り」    

       清武英利 著  WAC  (920円+税)



読書は、宝の山への旅と実感します。鹿児島県川辺郡万世町(のちに加世田市、現・南さつま市)、知覧特攻基地の北西二十キロに幻の特攻基地「万世(ばんせい)」がありました。僅か四ヶ月しか使われず、軍でも暗号で呼ばれていた沖縄特攻最後の秘密基地、そこから二百名の若者が散っていったそうです。
2012年11月20日大阪で飲食業を営む苗村七郎氏が九十一歳で死去した。特攻に志願しながら生き残った彼は、生涯を通して特攻で亡くなった戦友の英霊に一億円の私財と生涯を捧げ、飛行場跡に「万世特攻慰霊碑や特攻平和祈念館」の建設に尽力されました。秘密基地であるがゆえに、当時の資料は終戦時にほとんどが焼却処分され、また基地の全ての事情を知る第六六戦隊長の藤井少佐も富山県の生家に戻り先祖の墓の前で多くの戦死者の責任を感じ妻子ともに自決された。苗村氏は、奥様と共に全国を回り万世特攻基地と関係のある方を訪問し、日記や手紙や遺書の収集に尽力されました。ご子息には「俺はカネを残さへんぞ。慰霊のために一銭も残さず使い切るんや」愛する家族や祖国を守るために死んでいった人たちや、生き残って生涯をこのように捧げた人がいたことを忘れてはいけないと感じ、また与えられた人生を大切に生きなければと実感する一冊です。

       [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事です。会社の一番大きな固定費は、「人件費」といわれますが、人に支払われるものではなく人の使う「時間」に対しての支出です。しかし、その時間の管理の中に大きな利益が眠っているように感じます。日本は、生産ラインの生産性は高いのですが、営業・管理部門の生産性は世界でも極めて低いといわれています。



        平成27年7月 NO.160
        
 「『気の使い方』がうまい人」    


         山ア武也 著   三笠書房 (千円+税)



読書は、宝の山への旅と実感します。人との信頼関係を深めるコツが満載の一冊です。「なぜか好かれる人」には、あまりにも多くの共通点があることに気付きます。世の中ではその「ちょっとしたこと」で、驚くほど印象が変わるようです。「人から好感を持たれるか否かは、実はほんのちょっとしたことで決まるといえる。相手の立場に立って考えられるかどうか、それ次第なのである。」そして、それは「どれも決して難しいものではなく、今すぐ出来る簡単なものばかり」です。読む中で営業成果を上げる人の共通点と同じであると感じました。営業能力とは、小さな仕事をていねいにできる几帳面さです。好かれる人も小さな事を大切に出来る几帳面さです。「トイレや洗面台で次の人のことを考えて、ちょっときれいにできる人」であり、「相手が切羽詰った状況の気配が見て取れるときに先を譲れば、必ずその人の心を温かくする。自分に余裕があるとき、人に先を譲ることを心掛ければそれで十分」と思える自分になれることで自分の心が豊かになれます。人より先に、前に行くことばかり考えがちですが経営の基本は、社会の役に立つことです。信頼関係とは、少し人のために自分が何か一つ喜んで行動できることのようです。幸せの極意と感じます。
[着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、半年前から経営会議に着手し毎月四時間六回二十四時間社長中心に幹部候補となられる方と話し合いを続け戦略的な中期経営計画を完成されました。初めての会議で皆様緊張のスタートでしたが今では同じ目線で会社の将来に向けて挑戦を開始されています。近日、創業以来五十年ぶりの朝礼と経営理念の唱和が始まります。皆様楽しみにされています。


 平成27年6月 NO.159
 「仕事で大切なこと」を知る授業  
 
「ディズニー白熱教室」   
 
     ディズニー国際カレッジプログラム運営事務局 著    
           (580円+税)三笠書房

読書は、宝の山への旅と実感します。アメリカ・フロリダ州のディズニー・ワールドで始まった「ディズニー・カレッジプログラム」は、世界の学生に向けてディズニー・ワールドが培ってきた、ホスピタリティーの全てを学べる「白熱教室」と呼ばれています。その素晴らしい内容のほんの一部が紹介されています。創業者のウォルト・ディズニーは「人を育てること」の重要性を強く認識し、どうすれば一人一人がディズニーの意思と哲学を理解し、持てる能力を発揮できるかを追求しこのプログラムになったそうです。では具体的なレッスン1をご紹介させていただきます。「全てのルールは、この根幹があってこそ」それが「ディズニーの伝統」であり、そこで紹介されるのが「企業理念・ゲスト(お客様)に素晴らしい夢と感動、喜び、安らぎを提供する」です。全ての学生が初日に徹底的に教育されます。そして現場に出たときテーマパークという一つの舞台(ステージ)の上で来場者(ゲスト)を楽しませる、エンターテイナーでありパーフォーマーとなります。〈ディズニーの言葉「私がやってきたことの中で最も重要なものは、私と一緒に働く人達をコーディネートし彼らの努力を決まったゴールへ向わせることだ」なるほどと実感。

           [着眼・着手]

経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、A社様でのことです。経営会議でお客様情報が営業担当者間及び社内で共有できていないことが課題となり、話し合う中でお客様カルテをデータ化する事となりました。会議終了後幹部間で、以前からしなければいけないと感じていたとの事。話し合うことで無駄がなくなり効率が上がると言われますが、改めて実感しました。



       平成27年5月 NO.158

       いま伝えたい!子供の心を揺るがす    
        「『すごい』人たち」    

        みやざき中央新聞魂の編集長 水谷もりひと 著
        ごま書房新社 (1300円+税)

読書は、宝の山への旅と実感します。全国に読者を持つ人気の「みやざき中央新聞」編集長水谷もりひと氏の3月に出たばかりの本です。K社執行役員のO様より「この本はすごい」と熱いメッセージ付のFAXが届きすぐ書店で求めました。二十数年間ひたすらいろんな人の講演を取材し、ワクワクする人の講演を聞くとワクワクは伝染する。その感動を新聞の社説として掲載し、新聞を通してそのワクワクを発信しています。その中のひとつ。2013年3月ワールドベースクラッシック(WBC)日本対台湾戦でのこと。数日前にインターネットに一人の日本人が「先般の東日本大震災への台湾からの多大な支援のお礼をしよう」とメッセージが発信され多くの人に伝わり、試合当日、東京ドームのスタンド一面に台湾への感謝のプラカードや台湾国旗が振られ、それを見た台湾選手は驚き感動し、台湾テレビはその光景を台湾全土に流したそうです。試合には負けたものの台湾選手は全員が試合終了後マウンドに向かい、輪になりスタンドの全方向に深々と一礼をした。「礼には礼で応える」すばらしい謙虚な姿に惜しみない拍手が贈られ、友好を深める感動の試合となったそうです。このような感動のお話が満載の一冊です。
                                  
               [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、先日嬉しいメールを頂きました。「経営理念会議、予想以上にうまくいきました」それを見てバンザーイのメールを返信させて頂きました。比較的多くの会社で聞きますが、「これまで会議をしたことがない」「話し合いをしても社長の一方通行になる」「管理者人材がいない」しかし、社長も社員の皆様も思いは同じです。良くしたい、良くなりたい。未来に目を向け会社の理想像を話し合えば楽しい時が共有できること間違いありません。


平成27年4月 NO.157

 いよいよ、日本の時代がやって来た!」

               WAC文庫
          日下 公人 著  (900円+税)                                  


読書は、宝の山への旅と実感します。日本財団特別顧問でもある著者は、日本経済の名ナビゲーターとして、また未来予測の正確なことでも定評がある。「ロンドンでもパリでもニューヨークでも屈強の警官が交通整理をしている。屈強な男が言わなければ言うことを聞かないらしいが、日本では工事現場などで交通整理をしているのはヘルメットをかぶっているが白髪のおばあさんであり、みんな従っている。」これが文明国の証、なるほどとなぜか嬉しく感じます「日本はさまざまな問題に直面しているが、来年(年)から世界の中で日本を仰ぎ見る国がどんどん増えていく。その理由は、日本はこれまでいいことばかりしているという実績に加えて、万国が共通に認める理念や思想を力強く語っているからである。実力がある国が話せば、それは世界に広がり、新秩序か新理想の提案になる。日本はもうそれだけの大国になっているのである。戦後、日本が世界に対して最もいいことをしてきているということを、世界中の若い人たちは分かり始めている」勤勉でよく働き、世のため人のために尽くすことが幸せと感じる「おもてなし」の文化を当り前とする日本の国のすばらしさを日本人ではなく世界が知り、認め、憧れの気持ちで訪れ始めている。読み進めながら未来に希望が持てる、時流を読む最高の一冊です。

               [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、桜花爛漫新入社員の姿を目にする季節でもあります。Y社様も待望の新人君が一日に入社しました。一時間のミーティングに同席させていただきましたが、その新人君の、ずっと背筋をまっすぐに伸ばして話を聞く姿が大変すばらしく感じました。森信三先生は、人間として「立腰(りつよう)」の大切さを強調されています。新人君の活躍を期待します。



平成27年3月 NO.156

  「運命は口ぐせで決まる」  

         佐藤富雄 著

          三笠書房(千円+税)
                                   

読書は、宝の山への旅と実感します。医学博士・農学博士、外資系医療機器メーカー役員を経て心理学・生理学の観点から「口ぐせ理論」を提唱し大反響を呼び、実際に自らの人生を通して実証されています。これは精神論ではなく「サイエンス」であり「人間にはもともと、どんな人の体にも望んでいることを達成する仕組みが備わっている。問題は、その働きをどのようにして実際に生かすことができるかという点であり、それを可能にするのが『口ぐせ』」なのだそうです。脳は「快」の状態が好きで、かつ想像と事実の区別がつかず夢や希望を声に出すとその言葉が大脳に伝わりアドレナリン系の伝達で脳が全開となり全力でそれを達成するように動き始め力がみなぎる。なるほど、ワクワクして何かに集中しているときには疲れません。そして脳は、労働時間に関係なく創造することが好きでいいイメージをインプットすれば入浴中でも睡眠中でも描いた夢に向って考え続け自らを「快」にするのだそうです。人間は大きな力を持って生まれてきているのにその力をほとんど使わず一生を終わると言われますが、少しでも価値ある人生を、読んでいて楽しくなる一冊です。「理論的で実行は簡単、確実な効果!それが『口ぐせ理論』」納得です。


       [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですがよく経営会議で良い会社のDVDを見ます。最近もカンブリア宮殿で以前紹介された「日本電産」のDVDを見ました。M&Aで赤字企業を瞬く間に黒字企業に再建する為に求められることが挨拶・掃除という基本であることを改めて再認識しました。観る度に発見があります。


          平成27年2月 NO.155

  「知的生活習慣」  

      外山滋比古(とやましげひこ) 著
          ちくま新書 (800円+税)                                   

読書は、宝の山への旅と実感します。「座談会で速記原稿をあとから見て恥ずかしくなり、自分のしゃべったことかとあきれ、取り消したいと思ったことがある」自分のことがわかっていない。知識を詰め込んでわかったつもりになっている。「自分について全く無知であることを知ると生活は変化し始める」また厳しい意見ですが「本を読んでいれば知的だと思う知識信仰の賞味期限は短い」九十才にしてたどり着いた「賢い生き方、生活の極意」が紹介されています。
・「頭に刺激、日記」をつける。書いたことは忘れやすい「忘れるには書くことであると気付いた。」どんどん忘れ、整理して頭をきれいにしてやる必要がある。それに気付き、改めて日記の効用に開眼されたそうです。
・「なぜ、どうして」と考える。「何でも知っているバカがいる」知識があることをうぬぼれず、
すぐに調べず「なぜ、と考える」考える力がつくと「借り物の知識を振り回し得意になっている愚かさ」が見えるようです。
・「声を出す」おしゃべりになる。大きな声は、腹式呼吸が自然に身につく。おしゃべりは一人では難しく相手がいる。おしゃべり仲間を持つ。脳の活性化にすごく良いようです。
・その他「脚力をつける」「人の言うことを聴く」「手紙ハガキを書く」等体験からの知恵満載!

       [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、先日K社長様より新しい年度の戦略的な中期経営計画書が届きました。
経営理念の次のページの社長挨拶で「変化を常に感じとり、将来を予測し・・・ほんの僅かな変化に対して勇気を持って挑戦」する熱い思いがまとめられていました。社長の思いから会社は、変化すると実感します。


               平成27年1月 NO.154

 「ど真剣に生きる」
  
      
             稲盛和夫 著(660円+税) NHK出版                                   

読書は、宝の山への旅と実感します。稲盛氏の人生のスタートは挫折の連続でした。十二歳で当時不治の病と言われた結核にかかり、中学・大学の受験に失敗し、就職も希望した会社に入れず何とか入れたところは赤字続きの会社。もうどこにも逃げていくところがない状況に追い込まれたとき、「目の前の仕事にど真剣に取組む」ようにしたら人生が大きく好転し、まさに「逆境に置かれたことで、幸いにもセラミックスの研究への情熱に火をつけることができた」と振り返られています。苦しむ中で学ばれ「心に思わないことは、自分の人生に起こらない。自分の心に描いたものが、全ての幸福、または不幸を招く」のだと確信し、善き人生を生きる為には心を高め磨くことが重要であり現在も「どんなことにも真剣に向き合い、真剣に取組む生き方は変わっていないつもりです。自らの人生を通じて、そのような生き方が、実りの多い充実した人生をもたらすことを確信しています」と強調されます。企業経営者には「経営者自ら率先垂範、まじめに立派な経営に努めなければいけません。まず心を磨き、立派な人間性を身につけてください」と語られます。「全従業員の物心両面の幸福を追求すること」「人類社会の進歩発展に貢献すること」を理念に全力走で人生を楽しまれています。人生二度なし、生きる指針満載の感動の一冊です。

          [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、先日も製造業A社様(社長様と幹部四名)で現状課題共有約三百項目チェックを話し合う中で「目先のことに追われ、大切なことが話し合われていない」との感想がありました。「しなければいけない仕事(納期等)」は追いかけてきます。しかし追いかけてこない「するべき仕事(市場開拓・商品開発・人材育成等)が大きな成果を生み、会社存続を保証してくれます。


               平成26年12月 NO.153
  
  
 「吉田松陰『人を動かす天才』の言葉」 

        
楠戸義昭 著(590円+税) 三笠書房                                   

読書は、宝の山への旅と実感します。吉田松陰(1830―859年、松下村塾を主宰し、幕末・維新に活躍した多数の志士達を輩出した不世出の教育者)は、不屈の精神の人・「言行一致」の人である。松陰は、常に塾生にこう説いた。「読書をせよ。だが学者になってはいけない。勉強は知識を得るためのものであり、人は行動することが第一である」実践があって初めて学びの価値がある。偉大な教育者であるが、集ってきた百人近い塾生を教えたのは、僅か二年九ヶ月。しかし、天下国家への思いは熱く強く、若者の心に正確に響いていった。壮絶な人生を生き抜いた日本の偉人の一人と強く感じます。松陰流人材育成のコツは、「長所を見つけて伸ばせ」です。

「至誠(しせい)にして動かざる者未だ之(こ)れ有らざるなり」
(真心を持ってすれば、不可能なことはない)
孟子の言葉、至誠(真心)こそ全ての行動の基本であり松陰の人生はこの一語に貫かれていた。

「体は私なり、心は公なり。私を役(えき)して公に殉(したが)ふ者を大人(だいじん)と為す」(体は私であり、心は  公(おおやけ)である)至誠にあふれ義に厚い松陰の名言。体を駆使して心を磨き、徳を積んで道を見出すの が大人(徳の高い人)である。

          [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、経営計画発表会を前にするA社長様。以前は社員を褒めることに困惑され、悩まれていましたので「ネコで褒める練習を」と伝えると「ネコは本当にかわいい」と。しかし、褒めることを意識して一年、「最近、本当に社員がいとおしく感じる」との事。「誰にでも長所がある。これを伸ばせ」(松陰の言葉)を体得されたようで社員とのコミュニケーションも楽しみのようです。



                        平成26年11月 NO.152

    「日本人が一生使える勉強法」 

              竹田 恒泰 PHP新書  (760円+税)                                       


読書は、宝の山への旅と実感します。十九歳の時、中国雲南省で深夜寝台バスに乗車中大事故に遭遇、また翌日、中国大理の町でハイキング中砲弾が目の前に着弾、そこが軍の演習場でスパイ容疑逮捕、と二度死ぬ寸前の体験を、平成十五年二月バグダット滞在時サダムフセインのバース党と親交を深め、大量破壊兵器がないことを伝えてほしいとアメリカとの仲介を依頼され(小泉総理の「アメリカ支持」宣言でボツ)多くの純粋なイラクの友を失った。そこで「人はいつか必ず死ぬ。そしてその日は決してわからない」事を強く感じ、「他者の為に生きる人の姿は美しい。世の為人の為に生きる幸せに氣付きました。」とあります。そして、美しく生きるための学びが求められます。欧米人は働くことを神からの罰ととらえ、日本人は世のために働くことを生きがいと感じます。根本の幸せの定義が異なるので安易に西欧の成功哲学を学んでもなじまないとの事。そしていくつかの勉強法を紹介していますがなんと言っても「読書」が一番、「良質の本を読めば著者の内面に触れる感覚が味わえ、一冊の本は講演六〜八回分、質・量ともに本は情報量の多さで圧倒的です。それだけの情報が詰まったものを千円や千五百円で入手できる。本を読まないと人生は大損をこくのです」と強調されています。特に「古事記」「日本書紀」を読み、日本の「和」の精神の原点を知ることが大切なのだそうです。歴史を知り、生き方を学ぶ。大変重要と実感。

          [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが最近、経営会議をスタートされた製造業のA社長様は、これまで数字のチェックが会議だと考えておられたとの事。経営会議で数名の若手幹部と将来のビジョンを話し合い、会社の課題を共有し会議終了時の感想には充実した時間だったとの事。社長一人が引っ張るより、数名の幹部と一緒に考え悩み行動できる事が大きな力となります。共育・共働・共感の時代です。
            

           平成26年10月 NO.151
   「おかげさまで生きる」  

               矢作直樹 著  幻冬舎 (千円+税)                                                


読書は、宝の山への旅と実感します。東京大学医学部救急医学分野教授。2001年より集中治療部部長として日々救急医療現場の最前線で命と向かい可能性に挑戦する中で、三十年の医師生活を振返り最も印象的なもの、それが「生と死の境目は誰にもわからない」という事実だけだそうです。そして真実の生き方というものに気付かれるそうです。「我欲のコントロールがきかなくなると生活はトタンに変化し、不正は隠ぺいできてもビクビクしている、お金は入るけど家庭が荒む、評価はされるが悪口も増える、獲得するものに比例して欲しくないものがやってくる。無理をする事が苦しめる要因」だそうです。また道理に合った正しい生き方するここと「人生は、ギブ・アンド・ギブです。見返りを期待せずに惜しむことなく与えると、いつしか全く別のところから自分のもとへギフトが届きます。求めるのではなく、与えたら忘れてしまえばよい」のだそうです。また、老いについても無理をせず(若くありたい、きれいになりたい、死にたくないこれは欲望がにじみ出た言葉)質素に生活シーンでの楽しみを作ることが大切だそうです。(東大病院からJR大阪駅まで五七七キロ自転車で二十八時間で楽しく走られたそうです)最後に遺書(生前意思)です。「終末医療は希望しません。蘇生は望みません。葬式・墓・戒名は不要です」。生まれて来れたことに心より感謝し大切に正しく今を生きることが幸せと実感します。

               [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、先日
「経営計画発表会」に参加させて頂きました。「経営理念」の唱和で始まり、社長様より熱く激動する世の中の変化についてお話があり会社のビジョン・方針の説明そして、幹部社員の皆様が自分の役割を発表し大変充実した素晴らしい内容でした。将来を共有することは強い(良い、素晴らしい)会社の共通点です。



                  平成26年9月 NO.150
       
 
「先哲・石田梅岩の世界」 
          
           清水正博 著 (五百円+税)
                                    
                (書籍は書店又はお電話下さい)

読書は、宝の山への旅と実感します。石田梅岩(1685〜1744)は京都府亀岡市で百姓の次男として生まれ十一歳で呉服屋に奉公に出て四十二歳の時仏教者小栗了雲に出会い思想家の道に進み四十五歳の時自宅で無料講座を始め、石門心学の体系を確立しました。二宮尊徳(1787〜1856)にも大きな影響を与えたといわれる日本の著名な偉人です。二宮尊徳は農業改革をとおして人間学(生き方)を説き、中江藤樹(1608・1648近江聖人)は武士の視点からそれを説き、石田梅岩は、商人の立場からその道を説きました。その石田梅岩の世界を大変解りやすく紹介した一冊です。

(意訳)                                           
正しい道を知らない商人は、貪ることをもっぱらにして、家を滅ぼしてしまいます。商人が正しい道を知れば、欲心から離れて、仁の心で努力することにより、道に叶い繁栄します。それが学問の功徳です。

書物を読んで、書物の心をつかまなければ学問と言えません。聖人の書物には聖人の心がこもっています。しかし文字のみを追っているのでは、一芸しか知らないから「文字芸者」と呼びます。

梅岩先生は道を行き来するのに、夏は日陰を人に譲り、自分は日当たりを歩き、冬は日当たりを人に譲り自分は日陰を歩きました。(石田先生事蹟)

             [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、ある社員十人程の製造会社様で社長様が「最近、よその会社は皆ヒマだと嘆いているが、なぜか忙しい。税理士さんが決算の打ち合わせに来たが大きな利益が出ている。ありがたいことだ」と。三年ほど前より三人の社員と社長で経営会議を始め配送担当の方も接客に力を入れています。コミュニケーションの量と業績は連動するという経営の原則を実感しました。


             平成26年8月 NO.149

     「人に喜ばれる仕事をしよう」 


               坂本光司 著 (1400円+税) WAVE出版                                     

読書は、宝の山への旅と実感します。サブタイトルが「感動、感激、感謝される会社の作り方」です。「社内外の人々を感動、感激、感嘆させるような、世のため人のためになる慈愛に満ちた経営を愚直一途に実践する」ことに取組んでいる会社が結果として高収益を上げている事例が満載です。そして「近年はこうした感動経営を実践している企業が高い評価を受ける時代になった」と強く強調されます。一例ですが、大阪御堂筋線心斎橋駅から徒歩五分フレンチレストラン「ル・クロ」フランスで修行中「そんなに働くヤツは初めてみたよ」とオーナーシェフから高い評価を受け帰国。夫婦で手作りの小さなお店からスタートして十三年増収増益、現在関西満足度ナンバーワンに選ばれ、パリに四号店をオープン。その強さの原点が「お客様の喜びは私たちの喜び」すべてのお客様を、自分の家族のように考える理念が浸透し、親御さんから預かった大切な「社員第一主義経営」を徹底しています。具体的にはル・クロ名物『ミーティング』です。「人財教育の面でミーティングをとても大切にしています。」朝昼晩一日三回、特に閉店後は一時間みっちりと。幹部ミーティングは月一回ロングバージョン。「飲食業経営は、ノリでは無理なんです。人を育てることに如何に時間を割いて取組めるか、それが勝負だと思っています」「愚直に相手のためを思って毎日を過ごすことで、わがままはなくなる」まさに人間教育が生み出す大きな力と実感。

               [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、先日A社様で時間をかけて社長様を中心に七人で「経営理念」作成に取組まれました。我社の魅力は何か?お客様の喜びとは何か?会社の発展とは何か?社員の幸せとは何か?徹底して話し合い、素晴らしい「経営理念」のたたき台が出来ました。メンバーも「これがほしかった」と喜ばれる表情が印象的でした。



       平成26年7月 NO.148

   「売る力 心をつかむ仕事術

        
   鈴木敏文 著 (770円+税)                                       

読書は、宝の山への旅と実感します。一九七三年セブン・イレブンを設立し、現在全店平均日販六七万円(他大手チェーンと十二〜二十万円の開き)、売上高九兆円セブン&アイ・ホールディングス最高責任者である著者が経営の極意を紹介してくれます。まず、好況不況は全く関係なく、経営の考え方に大きな差があるといえます。「変化に対応していく限り、市場飽和はありえない」「社会が豊かになればなるほど『売る力』として自己差別化が求められる」これが一貫した土台です。そして「お客様の立場で(お客様の為×)考え、絶えず変化する顧客ニーズに挑戦し続ける中で「セブンプレミアム」「セブンゴールド」というヒット商品が生まれ「おでん・ATM・宅急便」取り扱い日本一が生まれました。そのために重要なことが「基本の徹底(基本四原則「品揃え・フレッシュネス・クリンネス・フレンドリーサービス」)」と強調されます。この「当り前」のことを当たり前に、しかし徹底して実行する。「自分の都合の範囲での『当り前』ではなく、相手にとって『当り前』のことを愚直なまでに積み上げていく」と「あるとき爆発点に達し、非凡化する。非凡化することで、大きな成果に結びつく。」その典型がセブン・イレブンなのだそうです。「常に一歩踏み込んで挑戦し努力する」「自分の能力いっぱいの力をつくす。もし転んだら反省してまた挑戦すればいいのです」そして最後に「真剣勝負で本気の人には必ず、チャンスがめぐってきます」と語られています。勇気のでる素晴らしい一冊です
                     
          [着眼・着手]  

経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、先日A社様の会議で社長様がご自身の大きな夢を熱く語られていました。幹部の方も始めて聞かれたようで熱くなられていました。経営の基本に大きな「志」に大きな企業が生まれる、とあります。当然でしょうが、改めて会社には「夢・ビジョン・方針」が必要であると実感しました


               平成26年6月 NO.147

「リッツ・カールトン 至高のホスピタリティー」
 
             高野登 著 (七八一円+税)                                       



読書は、宝の山への旅と実感します。前リッツ・カールトン日本支社長の一冊です。「お客様に喜んでいただけることが自分にとって生きる力になります」「自分がどれだけ人に貢献できたかということで、その人の人生の価値が決まる」そのためにまず「己を磨かなければいけない」確信のある言葉が続きます。それは「ホスピタリティーで日本一になるという目標がある」からです。伊那食品の塚越会長の話を引用し「一番大事なこと(社員の成長と幸せの実現)を一番大事にする」ということに集中しています。また「モスばあ(高齢の女性スタッフ)」の話も印象的です。恵比寿のモスバーガーにて若い女性が「ケチャップ多め、タマネギ抜きで」のオーダーに「タマネギ嫌いなの。結婚して旦那さんの為にも好き嫌いはダメよ。火を通しておいてあげるから食べてごらん」彼女は「はい」と答えてテーブルについて涙を浮かべていた。東京で一人暮らしで「モスばあ」の愛情が心に響いたのでしょう。「本気のおせっかいはホスピタリティーになる」と断言されます。「ウサギとカメ」の話を引用され、経営とは、勝つことではなく自分らしさを徹底して磨き、誰もがやっていることを誰もがやっていないレベルで考えてみる、それを楽しむ価値観が必要であるとの事です。経営の原理原則の実践が重要と改めて実感します。 
                     
          [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、先日毎月四時間・半年間かけて作成してきた経営計画書が完成しました。社長様を中心に五人の将来の幹部候補社員が話し合って作り上げたものです。経営方針・目標設定・行動プラン、いつまでに誰が何をどのようにするか明確に文書化されています。これからが本番です(徹底した推進)。皆様の充実した表情が印象的でした。



                     平成26年5月 NO.146

 「舩井幸雄の60の言葉」 佐藤芳直 著 
 〈一流になりなさい。それには一流だと思い込むことだ。〉
             
               マガジンハウス(1296円+税)                                                                     
               


読書は、宝の山への旅と実感します。二〇一四年一月亡くなられたトップコンサルタント舩井幸雄氏のことを一番知る佐藤氏の素晴らしい一冊です。乗り越えられない試練はやってこない。「すべて受け止め、自分に何を教えようとしているかを学ぶんだよ。学んで生き方に活かす、それが乗り越えることでもある」その為にも「世のため人のため、役に立つことを考えてごらん。」自分の生まれてきた役割を知りたければ「人の二倍働いてごらん。二分の一の時間で自分の役割にぶつかるかもしれんよ。三倍働いてごらん。三分の一で自分の役割を見つけられるかもしれない」一日でも早く自分の役割が見つかり、その役割に邁進できれば素敵な人生になる。舩井氏は二十九歳で朝見送ってくれた奥様が夕方に乳飲み子を残し亡くなっているという悲しい体験を、佐藤氏も長男が重度の障がいをもって生まれるという中で生きることに真剣に挑まれています。「人間は自分の長所を活かして生きるものなのだ。リーダーとは、部下の長所を発見してから指示を出さなければいけない」人を成長させるためには、まず長所の発見からのようです。「七つほめて一つ指摘するくらいがよいね」育成の極意のようです。また成長する人の共通点は、「勉強好き・プラス発想・素直」そして「机の上に書類を残さない。朝早く出社する」心に響く素晴らしい一冊です。 
                     
               [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、先日全く同じお話を耳にしました。両社様とも経営会議がスタートしたばかりです。
共にこれまで業績はよく素晴らしい経営をされています。そして、将来を考え時代が激動する中で、「今、必要なことは次世代幹部の経営力育成である」と社長様を中心に数名の幹部社員と環境の変化等を討議され、感想として「このような話をしたのは初めてです」と充実を実感されていました。



          平成26年4月 NO.145
  「デッドライン仕事術」
      〈全ての仕事に「締切日」を入れよ〉

          トリンプ 元社長 吉越浩一郎 著
           祥伝社黄金文庫 (560円
+税)



読書は、宝の山への旅と実感します。九十二年トリンプ・インターナショナル・ジャパン社長に就任、十九年間増収増益を実現。そのノウハウが満載の一冊です。「時間がないと言うわりに、すぐに片づくはずの仕事にもなかなか手を着けず、先送りにしてダラダラと働く姿が目につく。足りないはずの時間を湯水のように惜しみなく使っているのだ。仕事が多いから残業せざるを得ないのではなく、残業すればいいと思っているから就業時間内に仕事が終わらないのだ。足りないのは『時間』ではなく『スピード』である」厳しい指摘です。「大量の仕事をこなす為には『労働時間を増やす』のではなく『効率を上げる』べきである」そして、全社挙げて効率化に取り組み結果として「十九年連続増収増益・残業なし」休みもしっかり取れ私生活を犠牲にする事なしを証明した。【デッドライン仕事術の二つのポイント @毎日、『お尻の時間』を決めて仕事をする(ダラダラ残業禁止) A全ての仕事に『締切日』を入れる。】そのための具体的な手法が紹介されています。「発生した瞬間に取り組むことで一番効果が上がる」「午前中が勝負」午前中に仕上げて残業せず早く帰宅し充分睡眠し翌朝いきなりトップギアで走ると益々効果が上がるそうです。「時間」は「命」とも例えられます。限られた時間を大切にする事が「幸せな人生」といえるのではないでしょうか。 

[着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、いい会社では、改善・提案運動がおこなわれています。考える組織です。一人ひとりが考え行動する姿はすばらしく感じます。結果として、まず社内美化が実現し、ムダが減少し、作業効率・生産性が高くなり、収益が上がります。環境が整備され、収益が上がりますと社内が明るくコミュニケーションも増えます。気分が良いと成果が出ます。成果が出ると気分が良くなります。



                                平成26年3月 NO.144
  「台湾人と日本精神」

        〈日本人よ胸を張りなさい〉

          蔡焜燦(さいこんさん)(1927年台湾生まれ)
                  小学館文庫(619円+税)                                     

読書は、宝の山への旅と実感します。台湾の電子企業を経営する著名な経営者が「日本人よ胸を張りなさい」と熱く日本にエールを送ってくれています。そして、読み進める中で始めて知る日本の真実の歴史に感動し改めてそのすばらしさを知ることができます。(台湾の人に自国の歴史を教えてもらい感動するのもおかしな話ですが)例えば「昭和二十年時点で五十年間日本領であった台湾の就学率は九二%、四百年オランダの植民地であったインドネシアは三%」明石総督は「台湾に暮らす日本人よりも台湾島民を第一に」と病院・学校を作りダムや道路を整備し飛躍的な社会資本の充実に努めた。これは、日本が台湾や朝鮮を日本の国として(植民地支配ではなく)発展に寄与した事実で世界史上類例を見ないことだそうです。台湾では現在でも勤勉で正直で約束を守る人を『日本精神』というそうです。平成十一年台湾中部で大地震が発生したときもその日のうちに入った日本の救助隊の懸命な姿に「やっぱり日本だ!」と目頭を熱くし「信用できる国は『日本』だ」と感じたそうです。また台湾人が一番感謝しているのはダムや鉄道だけではなく「『公』を顧みる道徳教育など精神的遺産なのである。この遺産は台湾の発展の基盤となり、語り継がれてゆくことだろう。それゆえに、台湾人は日本を愛し尊敬し続けているのである」日本でも人材育成に道徳・修身教育が注目されています。本当に実感します。

                  [着眼・着手]  
経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、いい会社は、偉人伝を学んでいます。先日も、ケネディー大統領が就任の日のインタビューで「尊敬する人は?」との質問に「上杉鷹山(ようざん)」と答えて日本人記者が「それ、だれ?」という話しは有名ですが米沢藩改革で素晴らしい功績を挙げた二百年前の代表的日本人の映画を経営会議の中で観ました。偉人伝学習で立派な人生観と愛社精神が育まれます。



                       平成26年2月 NO.143

   「白鵬のメンタル」
      〈人生が十倍大きくなる「流れ」の構造〉

               内藤堅志 講談社α新書(880円+税)                                     
                      (平成25年12月刊)

読書は、宝の山への旅と実感します。白鵬来日は2000年。ひょろっと(175センチ68キロ)してどこの部屋にも相手にされず偶然小さな宮城野部屋に拾ってもらうように入門しスポーツトレーナー内藤氏と出会ったのが2002年。そこから二人三脚が始まり現在の白鵬が誕生しました。白鵬には「お父さん(モンゴル相撲の大横綱)を超えたい」という大きな夢がありました。トレーナーは「そりゃ無理だろう」と思ったそうです。ではなぜ横綱になれたのか?彼の夢を実現させた才能とは次の5つだそうです。@素直A考えるBイメージを持つC武器(強み)に集中(無意識に体が動く)D時間の使い方がうまい。そして日常生活の様々な場面で「流れ」を意識しているのだそうです。その行動はイチローと同じで、「流れ」を意識するということは、自分の動作を意識的に行っているということです。「あまり注目されていませんが、実はそれが、横綱の強さの秘密」であり、できる人の行動パターンを観察し「真似る」。できる人の動きには必ず意味があり、ある種の合理性がひそんでいる、それを「ルーティンワーク(うまくいく流れ)」として日常化し、無意識で体が動くまで繰り返す。この実践の積み重ねが横綱白鵬の力であり、常に考える中で「強い心」を養ってきたそうです。積小偉大!

       [着眼・着手]  
 経営会議(戦略的な中期経営計画の推進)のご支援が仕事ですが、業績の良い会社は、話し合いの場が充実していると実感します。組織の強さの原動力は「危機感」(このままではいけない)です。その為には、お客様の声(外部情報)と社内の課題(内部情報)を共有する仕組みが求められます。話し合いのできている会社には、それがあります。


          < 船井幸雄氏ご逝去、心よりご冥福をお祈りします >
                    平成26年1月 NO.142

   「未来を変えるクセづけ」
       船井幸雄の金言集
               船井幸雄  海竜社 952円+税


読書は、宝の山への旅と実感します。日本のトップ経営コンサルタントとして活躍し現在八十一歳。四十年以上本を書き続け既に出版された本は四百冊以上。その金言集です。「成功する人の考え方は、「未来から考えて次の行動を決める」ことで「常に前向きに生きることができる」コツだそうです。そして、「人に好かれる」こと「謙虚な人が好かれ、他人を褒め、認める人が好かれ、信用できる人が好かれます。」また、「ツキを味方につけるため」のコツは「一日二十回以上、ありがとうございます。」と言うことを強調されています。豊かな時代になり「ありがとう」と言わなくても過ごせるので多くの人は感謝するクセづけが出来ていないようです。「ついている人の特性」は@プラス発想型人間A感謝型人間B勉強好き・挑戦好きやる気人間とのことです。そして、「プラス発想」というのは「良い夢・希望・目的を持ちそれが実現すると思うこと」だそうです。全てのことがつながっているように感じます。「かがみの原理」と紹介されています。「人を褒めると、褒められる。悪口を言うと悪口が返ってくる。笑うと相手も笑ってくれる。この原理を知ると、人を否定したり、悪口を言ったり、いじわるをしたりする事がいかに自分の人生にとってマイナスかがよくわかる」原理原則は、非常に身近にあると感じます。感謝!

       [着眼・着手]  室戸岬往復(サイクリング)
一月二日・三日堺より和歌山港、フェリーで徳島に渡り室戸岬を往復(四百キロ)しました。今回感じましたのは、コンビニの進化です。セブンイレブンの百円ドリップコーヒーの本格的な味は驚きます。またローソン讃岐うどんもレジでチケットを購入しのれんをくぐると十席ほどの飲食スペース。厨房がありこちらも本格的な味で勝負していました。コンビニの進化のスピードに世の中の変化を強く感じました。     



                    平成25年12月 NO.141
  「永遠の0(ゼロ)」

     《十二月二十一日映画公開!》 
            百田尚樹 講談社文庫(八七六円+税)                                     

読書は、宝の山への旅と実感します。多くの方が感動の涙を流されたことだと思います。四百万部史上最高の販売部数を記録し、今月映画が公開されます。十一月二十三日、この本の著者である百田尚樹氏の講演を聞く機会があり大変感動し、帰りにすぐに買い求めて数日で読みました。太平洋戦争の真の姿が手に取るように映像として直接伝わり感動するすばらしい一冊です。この作品は著者である百田尚樹氏のデビュー作品で、高視聴率番組「探偵!ナイトスクープ」の構成作家でもあり近著「海賊と呼ばれた男」の作家としても有名です。講演の途中でも国を守るため、愛する人を守るために戦場に向かい命を捧げる将来有望な青年の話をしながら涙ぐむ場面が何度もありました。その思いが文字となり、読みすすめながら何度も読む人の心を震わします。そして命・人生・生き方について問いかけてきます。愛する妻と子供の為に「臆病者」とさげすまれても信念をつらぬき必死で生き残りをかけて戦った主人公が最後には特攻という形で死んでいく。現代とはまったく異なる環境であっても同じ人間です。自己中心の利己的な生き方がまかり通る時代に、改めてそれでいいのかと強く問いかけられているように感じます。感謝!

       [着眼・着手]  (西村真悟氏・百田尚樹氏の講演会で)
米軍女性パイロットのお話。東北大震災救援物資をヘリコプターで被災地に届けたパイロットは着地が非常に恐ろしかったとのこと。どこの国でもヘリコプターに人が殺到し大混乱が起き奪い合いになる。日本の被災地もそうなると覚悟して着地したが、近づいてきたのは初老の紳士一人、そして丁寧に謝意を述べ、バケツリレーのように搬入してよいか許可を取り整列し搬入が始まった。途中で「これでけっこうです」とその紳士は言った。女性パイロットは驚き「なぜですか?」と質問すると「他の避難所に届けてください」とのこと。礼儀を重んじ、利他の精神で行動する日本人の姿に感動し生涯忘れないとのこと。




                          平成25年11月 NO140
   「ごえんの法則」                                                                                  幸せに生きている人、ツイている人に共通している
             小林正観 (だいわ文庫 650円+税)

読書は、宝の山への旅と実感します。心理学博士・教育学博士・社会学博士として人間の潜在能力の研究をライフワークとして著書・講演に大活躍され亡くなる1年前に(平成23年逝去)病床の中テープレコーダーに向って語られた言葉をまとめた一冊でその一言は心に響きます。「トイレは宇宙とつながっている。水回りをきれいにしている人は、お金に困らない」「玄関はちゃんと靴が整理整頓されていることがポイント」「きれいに掃除が行き届いている会社は業績が良い。」「神様はとことんきれい好き」と強調されます。また、人生の目的とは「自分の存在が喜ばれているという喜びを、実感しながら生きていくことで、これが一番楽しい人生の過ごし方」だそうです。「人に喜ばれる存在になった喜びは、人間にとって最大の喜び」でありどこまでも人の役に立つこと、自分が「喜ばれていると実感して生きている」ことが最高の幸せな人生といえます。そして、「明るい人=実践している人」になることです。実践とは「そ・わ・かの法則」であり「掃除」の「そ」、「笑い」の「わ」、「感謝」の「か」の三文字です。「掃除とは、きれい好きであり姿かたちや心がきれいな人」で「笑いとは肯定すること、受け入れること。笑える人は肯定的な人・受け入れる人」だそうです。「最後は感謝です。『ありがとう』の言葉を言っているだけで奇跡が起こる」と語られています。限られた人生を大切に生きてゆく具体的なコツがわかりやすくまとめられています。感謝!

               着眼・着手
9月にお菓子業界で高収益(売上123億円、経常利益率10%)のよしや様新工場に訪問し、10月は、日本一の智恵工場(経常利益率25%)タニサケ様を訪問し実感することは「仕事は労働ではない」ということです。仕事とは体を動かすことではなく「頭」を使い工夫改善し変化に挑戦することであること。それが、やりがいとなり、明るく楽しい職場環境が生まれるということです。仕事とは、ワクワク楽しいものなのです。

                                平成25年10月 NO139
 「何があっても、だから良かった」                                      
      人間を磨き、格を高める経営
   青木擴憲=AOKIグループ創業者=(PHP研究所 1500円+税)



読書は、宝の山への旅と実感します。家業の質屋が行き詰まり、借金返済のため、質草の背広を兄弟二人で行商して55年。現在日商5億円、ファッション「AOKI」創業者の自伝です。
成長の理由は、@「社会貢献に全力を尽くそう」との経営理念を確立し実践した。A「過去を見切って、輝いて未来に生きよう」過去にクヨクヨ考えないできたこと。B「何があっても、『だから良かった』にしてしまう」失敗を糧に成果を十倍・百倍にしてしまう考えを確立し実践してきたこと、だそうです。また経営の基本として「生きるビジョン(未来像)」を描き持つことの必要性を強調されています。1984年売上目標を800億円と設定したら10年後800億円を過ぎたあたりで売上が止まり、抜け出せなくなったそうです。「未来像はそのときに考えうる数字の十倍くらいにしないと、いい気になってしまう。成長や努力が止まってしまうと悟った」「大きなビジョンは一見、大言壮語のように見えるが、実は決してそうではない。『自分はまだまだ』と考えさせてくれる謙虚のもとともなる」ということです。人材の育成では「良い点を探し、著しく伸ばす」「部下の良い点を的確に探しだすことは容易にできることではない。まずは『部下の良い点を伸ばしたい』と強く願うと、おのずと部下を見る目も変わってくる」基本を実践し変化に挑戦するパワーを感じます。

          着眼・着手
タニサケ塾(H25,10,6-7)二度目の参加。直前期経常利益率25%、「日本一の知恵工場」のすばらしさを再度体験。「改善提案は社員さんの叫び!」「改善提案数は社長の徳と比例する」「真剣に考えると天が教えてくれる」松岡会長の言葉が胸に響きます。一か月分の在庫が二日分に、出荷担当3人が0人、総務も6人が3人。驚いたのは前回は目が痛かったタマネギすりつぶしラインが大改善、山積みのタマネギが消えてタマネギパウダーに原材料変更。環境改善・作業短縮・高品質が実現したとのこと。改善に終わりなし。




                              平成25年9月 NO138

       「成功者3000人の言葉」                 
            人生をひらく99の基本

                    上阪 徹 (飛鳥新社 1200円+税)

読書は、宝の山への旅と実感します。リクルートを経てフリーのライターに、トップの仕事論の取材を得意とし3000人を超えあまりに多くの共通点を感じてまとめた一冊です。仕事に対する考え方に対して成功者は根本的なスタートラインが違う。「多くの人が自分視点で考えているのに対して、成功者の多くは相手視点で考えていたということです。誰かの為に役立てるか。つまり仕事の受け手から発想している。」そして「みなさん謙虚で、腰が低く、礼儀正しく、サービス精神旺盛な人達」だそうです。また、営業トップの方ほど「競争に勝ち抜いているのだから、性格はガツガツしているだろうと思いきや、まったくそんなことはない。」話を聞いていて印象的なのは「誰かと競争したことはない」という言葉であり「自分と戦っていたのです。どこまで自分の限界に挑めるか。目標を設定しそれをクリアするために、何をすればいいか」それだけを考えていたとのことです。人間関係について20年間増収増益の経営者が「他人は変えられない。自分で変えられるのは、自分のことだけだ」円滑な人間関係に持っていく方法は、実はシンプル。自分が変わればいいということになります。「相手とぶつかって、うまく行かないところを変えていく」それだけの話だそうです。また「情けは人のためならず」人に対する思いやりや気づかい、情けをかけることは、巡り巡って自分に戻ってくる「見る人は実にしっかり見ている」世間を信じ可能性に挑戦する。納得!

                     着眼・着手
今、飛躍しているLCCピーチの財務役員の話を聞く。社名「ピーチ」はアップルがあるならピーチでもと軽く。徹底したコストダウン。ムダをすると運賃が上がる。全員契約社員(終身雇用安定はない)全社員がオーナーの気持ちでお客様の為に、感動のサービスを真剣に考える組織が実現。100人でコピー機1台、電話は60人で1台。シンプルの差別化⇒結果としてローコストが実現し、ミスが減り、品質が向上。 素晴らしい!




                              平成25年8月 NO137
 
    斉藤一人

 「仕事がうまくいく315(最幸)のチカラ」                                      
         斉藤一人 (KKロングセラーズ 1000円+税)

読書は、宝の山への旅と実感します。おなじみ斉藤一人さんの本です。大型書店のビジネス書コーナーに平積み、通常の3冊分位のボリューム(p360)につい手を出し引き込まれました。各ページ読みきりの短編集。その内容がなぜか心にスーと入ってきます。
「ゴムひも現象」・・目的地を先に決めて、自分と目的地をゴムひもでつなぐんだよ。そして行動という名の飛び上がりをすればいい。ポーンと上に飛び上がる。すると、ゴムが向こうから引っ張ってくれる。
「『当り前を当り前にやる』で仕事はうまく行く」・・「じゃあ、当り前って何ですか?」って言ったとき、人のお役に立つこと。仕事ってどのくらい人さまのお役に立っているか、なんです。
「ほめる努力をするんだよ」・・あなたを幸せにして、富をもたらすのは、人をほめることなの。そのほめる才能というのは持って生まれているの。まわりの人をほめだしてみな。楽しくてしょうがないよ。
「あるがままを感謝」・・親がゴキブリじゃなかっただけで、ありがたい。親がゴキブリだったら、自分もゴキブリだった。「あの人は、ああいう性格だから我慢できない」と言う人がいるんだけど、自分がそういう性格に生まれなかっただけで、ありがたいの。
「牽引の法則」・・脳は自分が思ったものを運んでくる力があるんだよ。はっきり思うこと!
斉藤一人さんらしい大変わかりやすく楽しく、基本・原点を気付かせてくれます。感謝!

               着眼・着手
A社様の経営会議で社長より「課題が多すぎる。もっと絞り込み具体的な成果を実現し楽しもう!」と提案があり各担当者の役割を大幅に見直しました。課題が見えてくるとどうしてもあれもこれも取り組み中途半端になりがちです。戦略のキーワードに「重点主義」があります。一点集中これが大きな成果を生みます。



                    平成25年7月 NO136
   「一瞬であなたが輝く!
          奇跡の授業」
                                      
        比田井和孝 比田井美恵(三笠書房 王様文庫 571円 )

読書は、宝の山への旅と実感します。「あなたの人生が変わる奇跡の授業」の第二弾、長野の上田情報ビジネス専門学校の先生が知識や専門能力よりもっと大切な人間としての生き方を就職対策授業として行っている心肝に染まるすばらしい内容です。「周りの人の役に立つことをして『ありがとう』と言われれば『ああ、いいことしたな』て嬉しくなるじゃないですか。それだけで十分ですよね。そんな生き方していきたいですよね」そしてその具体的な事例がたくさん盛り込まれています。また、有名な自動車学校Mランド校内に「05527」というバス停があり、これは「1905年5月27日」日露戦争勝利の日です。アジアが植民地支配されていた時、世界最強のバルチック艦隊を全滅し世界の大ニュースになったが、日本では国民に「たとえ敵国でもロシアを侮辱してはいけない」とお達しが出て実際侮辱した人が逮捕され、また捕虜に対しては礼を尽くし(松山捕虜収容所では自由に道後温泉に入浴でき、ロシアでも有名となり戦いが不利になったら「マツヤマ〜」と白旗を揚げてきた)話とかトルコのエルトゥールル号の話をとおして「みんな思いやりの心を持っていて、困っている人がいれば助ける、それが当り前」の素晴らしい武士道精神の国であり、アインシュタインが1922年来日し「我々は神に感謝する。我々に日本という尊い国を作っておいてくれたことを」きちんとしたしつけや心の優しさが日本の心であることを世界の人が知っていたそうです。大切なこと満載の一冊です。

             着眼・着手
6月18日念願の八田興一氏記念館、墓参(台湾日帰り)に行くことができました。感謝です。ガイドさんの話から、台湾の人達は大変日本に感謝し好きだと聞き驚き嬉しくなりました。日本統治前は、風土病で多くの人が亡くなっていたそうです。日本は、病院や学校を建てダムを作り土地を豊かにして、台湾近代化に多くの資金と人を投じたことを台湾の人達は皆知っているそうです。諸外国に好きなことを言われ謝罪する日本を見て、もっと事実を主張してくださいと話されていました。




                          平成25年6月 NO135
  「トヨタの片づけ」 
     片づけは「成果を出す」ためのビジネスツールだ                                     
      外JTソリューションズ (中経出版 1300円 2012.11)

読書は、宝の山への旅と実感します。トヨタ在籍40年以上のベテラン技術者の具体的な改善の実践手法がわかりやすく解説されています。「デスクまわりチェック⇒?必要な書類を捜すのに10秒以上かかる?一週間以上使っていない文具がある?引き出しの奥にあるものが即答できない?⇒一つでも当てはまればムダが発生しています⇒しかし、片づけとは「キレイにそろえる」こと(整列)ではありません。⇒トヨタの片づけとは「ムダがなくなり効率が上がり売上が上がる」職場を変えるビジネスツール」をめざしています。そして、トヨタには片づけの文化が浸透しています。具体的には「人を責めるな。しくみを責めろ」ミスに対して厳しく責任を問うと「隠す」ようになります。マイナス情報を迅速に伝えることを評価し改善の土壌を作ることが重要です。また、片づけが習慣とならない原因は「そうじが仕事の付加価値を高めるもの」と思われず仕事の時間として取られていないことにあります。「片づけタイム・清掃タイム」として日常業務の中に組み込むことです。そして「決めたことができないのはリーダーの責任」と認識することです。「やれ!」で人は動きません。部下が実行できないのは教えるほうの責任です。「3回言ってできなければ10回言う。10回でダメなら20回言う。」それを、「しつけ」と考えています。リーダーの本気度が組織のモティベーションを高めると言えます。原点と実感!

                 着眼・着手
3S改善運動に取り組まれているA社様。約3年が経過しその変化がはっきり見えるようになって来ました。取り組み前の写真と比べるまでもなく天地の差です。小さな見えない変化を続けることが大切と解っていても継続は難しいものです。毎月の運営会議と仕組の定着が成果につながっていると実感します。きれいになると気分がよくなります。気分が良くなれば生産性・業績が上がります。良い循環に入ります。



                     平成25年5月 NO135

 「二宮尊徳の経営学」 
   財政再建、組織改革を断行できるリーダーの条件                                     
         童門冬ニ (PHP文庫619円 2013.4)

読書は、宝の山への旅と実感します。本書には、薪を背負って読書する金次郎の姿はなく、荒廃した農村を復興させる二宮尊徳の組織改革の具体的な実践手法が大変わかりやすく紹介されています。まず復興法(報徳仕法)は、三本の柱から成り立っています。@分度を建てる(「入るを量って、出ずるを制す」収入額に合わせた支出計画)A勤労する(一所懸命働く)B推譲する(単に余剰分を譲るだけでなく、積極的に差し出す)この実践をとおして譲られた人は感謝し「その徳に報いようとする」その輪が広がることが尊徳の考える究極の理想「一円融和(一円融合)」となります。とは言うものの改革とは逆境(強力な抵抗・批判・妨害)の連続でした。そこから改革とは、「遠くを見つめ森を作ることを心に描き、そのためにまず一本の苗木を植え続ける」ごとく「土地の復興には、まず人間の心の復興が必要(心田開発)」でありそのために村人の投票で「善行者の表彰」等を行いました。また改革は、指導者自身の生き方に左右され「あの人なら信頼できる、あの人の言うことなら、あの人に協力しよう」という姿が求められ、尊徳も徹底した実践の人でした。一貫して改革とは「自分に克つ」ことであり「雑草を引き自分の心の田に育つ稲を立派に実らせる」「積小為大」と改めて実感!

               着眼・着手
5月8日毎年台湾で尊敬され慕われている日本人、八田興一(1886-1942)氏の墓前祭が行われます。台南の不毛地帯に東洋一の鳥山頭ダムを建設(昭和5年完成)し、豊かな穀物の宝庫となり農民の生活は劇的に改善されました。30年にもわたり台湾に人生を捧げ、昭和17年フィリピンへ向う東シナ海で米潜水艦の攻撃を受け56歳で亡くなります。昭和20年敗戦時に奥様は日本に帰らずそのダムに身を投げます。鳥山頭ダムのほとりには八田技師の銅像がありその後ろに農民が建立した八田夫婦の墓もあります。
                               (是非一度、訪れたく思います)
                              

                              平成25年4月 NO134

   「なぜこの店ではテレビが
     2倍の値段でも売れるのか?」
                                       
               でんかのヤマグチ 代表取締役
               山口 勉 (日経BP 1500円+税)H25,2

読書は、宝の山への旅と実感します。今注目の会社「でんかのヤマグチ」です。東京・町田の電気屋さんです。コジマ・ヤマダ・ヨドバシ等6店の最強量販店に包囲されながら15期連続黒字です。その経営の極意が全て紹介され「なるほど」とうならせます。そして読み終えると大変心が癒されるような感じを受けます。商売の原点を大切にし、お客様を大切にすれば「ノルマ中心の価格競争」ではないもっと大切なことでお店が繁盛することを証明しています。量販店出店当時、山田社長は夜、床についても眠れず酒を飲んでも酔えずうつ状態の中で必死に考えたそうです。量販店の出来ないことを。そこで見えたのが「量販店が安く売るなら、ヤマグチは『高売り』で行こう!」と決意し3万4千件から1万3千件に顧客を絞込み、驚くほどの仰天サービス(顧客満足)を次々と打ち出しお客様の心をつかみます。韓流ドラマの録画、急な外出の留守番等、いつしか「遠くの親戚より近くのヤマグチ」と言われるように。そして96年粗利率25%が現在39.8%無借金経営を実現しています。「釣った魚にこそエサをたっぷり与える」徹底した顧客サービスの後ろに素晴らしい成果がついてきています。「私は店に出てお客様と話すのが何より好きです。」山口社長の笑顔が感じられます。孫子の兵法「戦略とは戦わずに勝つこと」実感!。

                     着眼・着手
先日(3/23)、A社様の経営計画発表会(第9回)に参加させて頂きました。特に社長様の方針発表が印象に残りました。10年前「経営理念」から戦略的な中期経営計画を作成し徹底した推進を続ける中で業界では日本NO1となり、ベトナムにそして4月よりタイ工場も稼動。収縮する日本から世界にと社長方針の始めの15分は英語でスピーチ、その中でも「経営理念」を中心に可能性を信じ積極的に挑戦する姿勢に会社のパワーを感じました。参加された約50人の社員の皆様の目を見て心に熱く響いたと確信しました。




                      平成25年3月 NO133

  「社員と顧客を大切にする会社」                                       
      坂本光司 (PHPビジネス新書 860円+税)H24,12

読書は、宝の山への旅と実感します。「お客様が先、利益は後」を経営理念にファンを増やしている長野県の中央タクシー「明日病院に行きたいので朝9時に」と初めてのお客様からの電話に翌日玄関までお迎えに行くと電動車いすのおばあちゃん。病院はワンメーター。ドライバーはおばあちゃんを抱っこして座席に座らせ電動車いすを工具で解体しトランクへ。到着後電動車いすを組み立てて、おばあちゃんを抱っこして座らせました。そしてドライバーは、次のお客様へ向いました。知らないのは彼だけで感謝の電話と予約殺到、ドライバーの離職は過去十年間ゼロ。赤字なし。お客様のためにという思いがやりがいとなり、お客様はその会社の応援をする。すばらしい関係を築いています。ショールームに車が一台もない顧客満足度NO1の自動車ディーラー高知県のネッツトヨタ南国。店内は机と椅子があり自由にコーヒーや紅茶を飲める憩いの空間を演出し、地域の人に喜ばれている。「営業しない営業こそが最高の営業」を実践しお客様も地元の人も感動する有名な会社です。遺言で「主人をよろしく」と頼まれた町の電気屋「でんかのヤマグチ」。高齢のご夫婦の奥様が亡くなられた。お通夜の席で社長が呼ばれご主人への遺書を見せられた。「困ったら『でんかのヤマグチ』さんに頼みなさい。全部頼んであるから」そして山口社長には「主人をよろしく」地域のお客様との強い絆が大手量販店激戦の中ですばらしい業績を上げています。「業績軸」から「幸せ軸」で会社が評価される時代に大きく変化しているようです。そして、小さな基本が丁寧に実践できている「いい会社」のお話しが満載の一冊です。

               着眼・着手
先日、A社様の経営計画発表会に参加させて頂きました。半年前から社長を中心に幹部候補社員の皆様で経営理念とその理念を実現する為の戦略的な中期経営計画の作成に取り組まれ、1月より毎朝「経営理念」の唱和を始められました。社長が経営方針と目標を発表され社員の皆様が活動計画を発表されました。参加された他の社員の皆様も始めての経験に感動され、すばらしい発表会でした。



                              平成25年2月 NO132
 「出光佐三(いでみつさぞう) 
   反骨の言霊
(ことだま) 
                                      
       水木楊 (PHPビジネス新書 900円+税)H25,1


読書は、宝の山への旅と実感します。明治18年福岡生まれ、昭和56年95歳で波乱の人生を終える。大正の初め関門海峡で「海賊」と呼ばれた男。縄張りとか利権に真っ向から逆らい「海に下関とか門司とかの線でも引いてあるのか」と海上給油で商いをする。徹底して考え過去の習慣を破壊し新しい仕組みを作り上げる。最初は大きな抵抗を受けるがいつの間にかそれが標準となっている。私利私欲なく天下国家を考え常に新しい道を切り開いていく姿に共感を覚えます。昭和20年8月終戦の時「この戦争で本当の意味で負けたのはアメリカだ。原爆を落としたからだ。正義と人道主義を放棄した。」と社員に訓示しまた全ての資産を無くしても終戦時の社員千人に対し「最後に残った唯一の資本じゃないか。『人間尊重』を唱えてきた出光がたかが終戦ごときに慌てて彼らを首になどしてはならん」と徹底して社員とその家族を守ることを宣言しました。役員が唖然として強く反対したが「会社がだめになりよったらみんなと一緒に乞食ばするまでだ」出光61歳の時です。69歳の時、世界最大級のタンカー「日章丸」を建造し、非常に危険な係争地イランでの石油買取に成功し信頼関係を築いた話も痛快です。出光は社員を家族と考え信頼し権限を委譲します。「会社にタイムカードはない。出勤簿もない。首もない。定年制もない。組合もない」家族なら当然ということです。「死」まですばらしく感じます。「死んだら鈴木先生(恩師)のそばに埋めてくれ」「鈴木先生よりも大きな墓にしてはならない」「戒名は一切不要。父母の次男とだけ彫れ」と遺言を残して自宅での大往生。昭和天皇からの追悼の歌「国のためひとよつらぬき尽くしたるきみまた去りぬさびしと思う」出光佐三の偉人伝です。

             着眼・着手
先日、A社様の幹部リーダー会議に同席させて頂きました。そこですばらしいと実感したことがあります。経営幹部社員が異口同音に「お客様の立場に立って考え行動する」ことの大切さを具体的な事例を通して説明されていました。社長様の思い「経営理念」が幹部社員の心に浸透していることを感じました。



                      
平成25年1月 NO131
 「一途一心、命をつなぐ」
                                       
   順天堂大学医学部教授 心臓外科医 天野 篤
        (飛鳥新社 1500円+税)H24,12

読書は、宝の山への旅と実感します。1955年埼玉県生まれ、3浪して日大医学部入学、執刀手術は6000例以上、成功率98%、心臓オフポンプ手術における第一人者(世界最高水準の技術を持つ医師と評価)、2012年天皇陛下の心臓バイパス手術執刀医(東大医学部より依頼)。決してエリートとはいえない一人の医師が使命に気付いた時、人生が大きく変わることを証明しています。「医師は、僕にとって天職だ。自分は本当に幸せ者だと感謝している。だからこそ、こう思う。天職と思うなら、もっと努力しろ。もがけ。立ち止まるな」。その契機となったのが「心臓外科医としての自分を語る上で触れずに通るわけにはいかないこと、それが父のことだ」心臓弁膜症を患っていたお父様を66歳で亡くされました。手術に立会い術後1週間経過したとき自らの判断で延命装置を止める。この経験から「僕は心臓外科医を辞めるわけにはいかなくなった。手術室の中で、父は『心臓外科医として、もうこれだけは絶対にやるなよ』というトラブルやミスを自分の身体で僕に見せてくれた」医師としての決意が心に響きます「なんとしても患者さんの命を救うぞ。死なせてたまるか。この覚悟があるから悲観的になるわけにはいかないのだ」また若い医師に対して「手術をするなら、自分の命を懸けるくらいの覚悟で臨め。自分に厳しくなれ」と檄を飛ばす。「一途に一心に信じた道を突き進む」すばらしい生き方を感じます。

               着眼・着手
ノーベル賞の山中教授が対談で「成功の鍵は『V&W(ビジョンとワークハード)』。長期的な展望としっかりした目標をもち懸命に努力を重ねればその一念は必ず叶う」と強調されています。会社の経営も同じです。存在価値である「経営理念」を明確にし、その実現のために経営の方針・目標・計画を作成し、その推進に徹底して力を入れる。お客様のために、そして社員の為にという覚悟が試されているのではないでしょうか。

                      平成24年12月 NO130
  「社員を幸福にする力」
                                       
      
 吉(よ)寿屋(しや) 会長 神吉武司
          (PHP研究所 1500円+税)H24,10

読書は、宝の山への旅と実感します。創業から48年間「黒字」、お菓子業界NO1の「利益率」を実現されている創業者 神吉会長の新刊です。その好業績・高収益の実践的な手法には、特別な技術も経費もほとんど必要としません。ただ、「成功するには一つだけ条件があります。誰も出来ないぐらい続けること」です。具体的な手法とは、「@親孝行A掃除B早起きC施しD発する言葉」この5つです。これを「10年20年と継続することで会社にものすごいパワーをもたらしてくれる」と強調され、また多くの事例が紹介されていて大変読みやすくなっています。具体的には@親孝行の親を会社でお世話になっている方(仕入先FCオーナー配送ドライバー等)と考えて返品はせず支払いは早めに配送業者さんにも飲み物やお菓子カップ麺等を心を込めて両手で渡し、まさに「三方よし」の実践をされています。A掃除では「楽天創業者の三木谷氏は自分の椅子のキャスターまで毎日拭くそうです。稲盛氏も永守氏もソフトバンクの孫氏も徹底して掃除をする」と「一日でも早く経営を安定させ社員が安心して働ける職場にしたいと必死だった私は、朝早く出勤すると掃除を自らの日課に取り入れた」そうです。B早起きは経営力と考え「上場創業経営者の共通点は、朝4時出社・年中無休・掃除。そして経営者が朝7時までに出社している会社の倒産はゼロ」と裏付けから早起きを勧めておられます。誰もが知っている大切な事、結果を追わず意識・習慣・行動の変革に取組む事が結果としての大きな力になると実感する一冊です。

               着眼・着手
A社様は来期の戦略的中期経営計画の策定に取り組まれています。今回は新たな社員2名も策定会議のメンバーに加わります。社長は会社の存続に必死ですが、社員もこの会社で家族を守るために必死です。世の中の変化を予測し、会社のビジョンを話し合い、具体的な計画にします。社員力向上です。



                     
平成24年11月 NO129

    「致知11月号」
                                       
          致知出版社(1020円税込・年間購読1万円)
            http://www.chichi.co.jp

読書は、宝の山への旅と実感します。今月のテーマは「一念、道を拓く」です。天野清三郎は十五歳の時松下村塾で松陰先生より「軍艦を作らなければ日本は守れない」の言葉に奮起し、脱藩密航イギリス・アメリカで学び明治7年31歳で帰国し長崎造船所の初代所長となり日本造船業の礎となり、また難病で両手両足を失った少女が15歳の時一人で着物を縫い上げた。その人は中村久子。「いかなる人生にも決して絶望はない」このことが一貫して今月号に集約されています。また「人類の未来の扉を開く」と題して小惑星探査機はやぶさの川口氏とiPS細胞の山中氏の対談も失敗の連続の中での成功条件は「VW(ビジョン&ワークハード)」であり「長期的な展望としっかりした目標を持ち、懸命に努力を重ねればその一念は必ず叶う」と強調されています。中山石垣市長と西村眞悟氏の対談も迫力を感じます。「自分の帰属するところを明確に理解し、家族を守りたかったら地域を、地域を守りたかったら国家を守らなくてはいけない。そういう意識を国民が持てばこの国は変わっていく」(中山石垣市長)経営者も同様に指導者の一念こそが国難を救うことになると熱く感じる内容です。そして渡部昇一先生(上智大学名誉教授)の連載「歴史の教訓」も大変わかりやすく現在の諸外国との領土問題について歴史の事実から論理的に説明されていて「日本が1つの正念場に差し掛かっている」本気で「腹をくくらなければならない」時が来ていると実感します。人間学を学ぶ月刊誌「致知」特に11月号は熱いです。

               着眼・着手
世代交代の話が多く聞かれます。今月もある業界団体様で「後継者育成」についてのお話をさせて頂きます。変化に対応する為には二つのことが求められます。既存事業(本業)を守ること、そして新しい分野に挑戦することです。変化する力とは、新しいことにチャレンジできる体制(後継経営者育成)を作ることであり、次世代の経営能力向上が会社存続の鍵になるといえます。



                   
 平成24年10月 NO.128

  「あなたの人生が変わる奇跡の授業」        
       今、一番受けたい、“ココロの授業”熱血教室
       
比田井和孝 比田井美恵(三笠書房 571円+税)H24,9

読書は、宝の山への旅と実感します。素晴らしい一冊です。長野県の上田情報ビジネス専門学校で専門知識とは別に「人として大切なこと、幸せな生き方」(就職対策)として実際に行われている授業の内容をその講師の奥様がブログで発信したところ大きな反響がありこの一冊となりました。具体的には「3つの約束」で人間力が高まると「あいさつ・掃除・素直」が人間として生きていく中で幸せを感じるために最も大切なことであることを多くの事例を通して大変わかりやすく紹介しています。「周りの人が挨拶してくれないのは、自分が周りに挨拶をしていないだけ」であり「掃除は心をきれいにできる。身の回りをきれいにすることは、心を磨くこと」につながり「素直な人は好かれ、幸せになるための最大の武器は、素直・謙虚である」となります。そして、自分の人として生まれてきた意味を知ること「あなたは、何のために働くのですか・生まれてきた役割は何ですか?」と本田宗一郎氏の生き方をとおして自分の生きる使命や社会に少しでも役に立てる生き方が幸せ生み出すことに気づきます。ここまでが前半です。後半は「ディズニーの事例」で人の役に立つことがどれほど自分にとって幸せな素晴らしいことか、読みながら涙します。また「ツキを呼ぶ魔法の言葉」ではいい言葉が幸せを生み悪い言葉で自分の心を傷つけていることを知り「鏡の法則」では環境は自分が作り出していること「与える者は与えられる」「与えることそのものが楽しいんだ、与えて相手が喜んでくれればそれだけで嬉しいんだ」と思えたら理想的な生き方のようです。人生観を再点検できるすばらしい一冊です。

                  着眼・着手
A社様は、環境整備をテーマに経営計画を作成し新しい目標に向かって挑戦を開始され、B社様は、新年度に向けて今回初めて社内で全社的な中期経営計画の発表会を開催。努力する会社は多いですが努力を目的とせず、目標に向かっての努力が大きな成果を生みます。




                平成24年9月 NO.127

     伝説の外資トップが説く
「勝ち残る経営の本質」
                            
              新 将命(あたらし まさみ)
              (総合法令出版 1400円+税)
 
読書は、宝の山への旅と実感します。シェル石油、日本コカコーラ、J&J、フィリップス等で40数年副社長・社長職を務めた著者がその経験から「優れた会社は、時代や業種業界及び規模に関係なく、いくつかの恒久的・普遍的な『原理原則』とか『定石』とも言うべきもの」を大切にしており、勝ち残る為に必要なことを具体的な事例で解りやすく紹介しています。コツとは「案外常識的なもの」であり、次の3つ「経営理念・哲学、生きた計画、社員育成」です。まず我社の存在価値・使命をはっきりさせることです。例えばコカコーラは、清涼飲料水を販売する会社ではなく、爽やかさを提供する会社」「IBMは、コンピュータを販売する会社ではなく、情報の質を高める情報産業」となり、良い会社・長寿の会社は共通して「企業理念・経営哲学が存在している」と強調します。またリーダーの役割として、ある日本の車メーカー社長がイギリスの経営者に「あなたは事務所にいることが少ないですね」と質問され、その社長は「事務所で車を作っていませんから・・」現場を徹底して回り消費者が何を考え、何を求めているのか情報・感覚・感性を磨かなければいけないとあります。そして、長年の経験に基づいた強い信念のひとつに「職場にはスマイルが必要だ」「職場の中で、時たま笑い声がさざ波のように漂う会社は活性化している」のだそうです。その為に必要なことは、「勉強しよう会」「社長と話そう会」等の機会を作り話し合う場を意識的に多く作ることだそうです。基本の強さを実感!
業績向上の指標は次の2つ、顧客訪問頻度と社内コミュニケーションの量です。

            着眼・着手
経営会議でお世話になっているA社様は今期も業績好調、強みは商品力です。経営の基本書で商品力強化の戦略は「開発テーマを絞る」です。徹底して強みを磨き続けた結果、独自性・差別化が実現し、業績好調との事。危機感は常にあり、更に変化に挑戦中です。



                           平成24年8月 NO.126
「ディズニーサービスの
神様が教えてくれたこと」
                    

    鎌田 洋(ソフトバンククリエイティブ 1100円+税)
 

読書は、宝の山への旅と実感します。ディズニーの心を揺さぶる泣ける一冊です。五歳の時に両親を事故で無くし祖父母に育てられた女の子が短大を卒業しディズニーランドでアルバイトをするお話しでは、祖母も亡くし目の不自由な孫を心配する祖父が孫の働いているというディズニーランドに様子を見に行き、案内する中で起こる感動のお話しには胸が熱くなります。何がディズニーランドの、あの何度も訪れたくなるような夢と魔法の世界を作り出しているのか。実務マニュアルや哲学(フィロソフィー)は徹底して教育しますが、このようなサービスでゲストを喜ばせなさいという「おもてなしノウハウ集」はありません。「サービスの神様」とはキャストとゲストが出会う場所に必ずあらわれるのです。「ゲストとキャストの間で心を動かす何かが生まれたときそこには必ず『サービスの神様』があらわれる」のだそうです。それはゲストの声を心から聞けることであり「与えることは最高の喜びなのだ。他人に喜びを運ぶ人は、それによって、自分自身の喜びと満足を得る。」というウォルト・ディズニーの精神であり、リピート率9割以上を誇るサービスの秘密がまさにそこにあるようです。お客様満足とはこのことのようです。

               着眼・着手
最近、社風改善運動が社員中心で自発的に行われています。A社様では経営会議とは別にリーダー社員から「挨拶運動」の提案があり、打合せも社員で行い8月1日より開始です。B社様でも自発的に3S運動の提案があり2ヶ月程前よりスタートし、日増しに変化が見えます。経営環境が厳しくなる中で社員の意識改革が始まっているのではないでしょうか。社員も真剣に家族を守っているのです。話し合いの仕組みが定着すれば、「コミュニケーションのボリュームと業績は連動する」実感です。



                            平成24年7月 NO.125
   
日本一社員がしあわせな会社の
      
ヘンな『きまり』
           未来工業梶@創業者
          山田昭男(はる出版 1500円+税)
 

読書は、宝の山への旅と実感します。1965年創業以来赤字なし、高い経常利益率(平均15%)で成長してきた理由は、徹底した差別化と社員の幸福感を高める取り組みにあります。注目は「常に考える」<改善制度>です。「提案書を出したら封を切る前に500円を支給」先に読んだら提案委員会のストレスになる。健康でないと楽しくない。経営の基準は日本のメンタリティーにあります。「餅」ベーションが大切とのこと。ここまでしてくれたら「この会社のために頑張ろう!」という気持ちになってくれ、「頑張らないと会社に悪い」と感じてくれるようにすることが社長の仕事と強調していまます。営業マンはノルマなし、会社の携帯電話はなし、お客様の問い合わせは全て女性社員が自分で答える(「電話に出る女性はどんな質問でも全部答えられるように言ってある」そうです)。それで外から営業マンへの電話はなし。ムダを徹底して排除すると営業マンは営業の仕事に集中でき生産性が飛躍的に向上し、顧客満足も上がる。工夫してコストを下げれば利益が上がり、それを餅代にあてる。すべては社員満足につながっています。「がんばって利益が出たら、社員の分け前を増やす」そこが一貫しています。未来工業の成長の理由は、「よそと同じものは作らない。日本一(初)にこだわる。考える仕組み作りに徹底してこだわる。」その結果として利益が出ると「餅」ベーション(休日数日本一、給料地域一、全員参加の海外旅行)。そして「社員のやる気が喚起され、日本一社員が幸せな会社」となります。納得。

          着眼・着手
富山のYKK工場と創業者吉田忠雄記念室視察に同行させていただきました。経営の原点は、「善の循環」(善の種をまいて、善を尽くしていけば、必ず善はむくわれ、限りなく善は巡る)。世の中の為に、社会の役に立つ。 日航再建の稲盛氏は「自利利他」成功の共通点と実感。


                 平成24年6月 NO.124

   『人生で本当に大切なこと』
 日本一のプレッシャーと闘った二人の揺るぎない信念
王貞治 岡田武史 著(幻冬舎新書 H23.11 760円+税)  
 

読書は、宝の山への旅と実感します。「僕は2006年に胃がんの手術で胃を全部取りました」福岡ソフトバンクホークス球団会長の王貞治氏の書き出しで始まり、「僕が成績不振の責任をとって横浜Fマリノスの監督をシーズン途中で辞めたとき(胃がんで入院中の)王監督から『失業』のねぎらいにと花束を頂き心から感動しました」と、このお二人の壮絶な人生経験が若い人達に向けて対談形式で語られ、大変わかりやすく読みすすめられます。そして、共通していることは、いくつもの苦難を乗り越えその中から「強いストレスのかかる失敗や挫折、逆境は人間が強くなるための必要条件だ」という一言が胸に響きます。王監督は「人生は決して平坦じゃないけれど、だから面白い。『壁』を乗り越えたら新しい景色が広がっているんですから、むしろ歓迎しないと」また、「運」についても「『運』は誰にでも平等に来る。『運』のいい人とは、運がいつ来てもつかめるよう、常に準備している人のこと」と日頃からの努力の積み重ねの大切さを強調し、そこに不思議な出逢いが生まれるとのことです。岡田監督は著名な教育者森信三先生の言葉「人というのは、出会うべき人に必ず出会う。一瞬たりとも遅からず、一瞬たりとも早からず」と必然の出会いに感謝することが全てプラスになるとあります。対談のまとめとして「日本の社会はいま、大きく変わる時期」にあり、「少子化で社会全体のエネルギーが失われつつある」と思えますが、逆に言えば、「これまでの効率や便利さ優先の発想を変え、世界でも例のない価値観を持つ国を作るチャンス」と強調されています。実感!

           着眼・着手
先日、ある会社の創業10周年記念懇親会にお招き頂きました。立ち上げのまだ10人ほどの時に会社の制度や仕組みの整備のお手伝いをさせて頂き、そのときからのご縁です。現在50人を超え、業界の中では大阪でトップクラスにあり毎年堅実に好業績を上げられています。会社の強みは社長様も幹部社員の皆様も「まじめ・素直・謙虚」といえます。いつも「お客様のために」が口癖のすばらしい会社です。



                     平成24年5月 NO.123

 「2022―これから10年
  活躍できる人の条件」

     神田昌典 PHPビジネス新書(840円+税)


読書は、宝の山への旅と実感します。「2010年12月7日当時46歳の私は、癌だと告げられた」の書き出しで始まります。マーケティングのプロとしてすぐに成果を出すことを得意とし、4000人の顧客を組織化していた著者が誤りに気付き真剣に歴史を分析しもうすぐ目の前に来ている歴史の大転換にどのように準備し生き抜けばよいかを大変わかりやすく紹介しています(因みに、未来に対する生きる使命を感じた神田氏は癌完治)。まず、歴史の70年周期説より1877年明治維新・1945年太平洋戦争終結そしてその70年後2015年「私達は新たな歴史のサイクルの始まりを目撃し、これまでの常識が崩壊する」とあります。そして、新しい価値観は、圧倒的な欠落に気づいた時に生み出され、物質的に豊かになる時代が終わり、「次の70年は精神的に豊かな時代になると簡単に結論付けるより創造を大きく超えるもの」になりそうです。具体的には「組織」という発想が、利益を生み出すことを目的とした「会社」から社会に良いことをしなければ儲からない「NPO」に急速に変わり、社会が好循環社会に入ってゆくとあります(これはピータードラッカーが2002年「ネクストソサエティ」で「NPOが社会の中核的組織になっていく」と予言)。このような時代には「多様な人々が触発し合う場を創り、いままでにない価値を創造する能力」が求められているとあります。具体的には「読書会」とあり歴史の転換点では「読書会は、理想的な教育の場」となるようです。自分の使命を知り情熱をもって生きることが大切であると改めて実感!

          着眼・着手

経営計画の作成推進のお手伝いをさせて頂いておりますがその原点は「経営理念」です。先日、A社様の経営理念作成会議に出席させていただきました。経営理念をどのように具体的に実現するかが経営計画書に示されます。経営理念がなければ戦略もありません。経営理念では、お客様・社員満足・将来に対する思いを明確にします。近日、会社の事務所や現場にも掲示が決まりました。新しい時代のスタートです。
【職場再建の三原則:時を守り、場を浄め、礼を正す (森 信三)】



                         平成24年4月 NO.122

 『強く生きたいと願う君へ』
        坂本光司 著 (WAVE出版 H24,3 1400円+税)  
 

読書は、宝の山への旅と実感します。法政大学大学院教授、坂本光司先生の新刊です。40年間6600社の中小企業の現場をご自身の足で回り、体験したことを通して経営者にそして中小企業の社員に対して「いい会社」になって社長も社員も幸せな人生を実現してほしい、具体的な道はこちらですよ、という思いが伝わってくる内容です。多くの人が言いようのない焦燥感と不安を胸に抱える中で、景気に左右されず「立派な業績を上げる会社」があります。それは「経営者やリーダーの『人間性』や『生き方』をそのまま反映している。最大のポイントは『自律心』と『利他の心』である」とあります。そして世のため人のために役立ちたいという利他の心を軸にしながら「他者に依存、追随せず自分の頭で考え、自分の足で歩き続ける。そんな姿勢を貫く経営者やリーダーのいる会社は持続的に成長する」と強調されています。また、伊那食品の塚越氏・未来工業の山田氏を紹介し「強く生きるとは『強者』になることではなく『本物』になること」であり、その為には多くの困難の壁と出会い、その痛みは誰もが避けたいと考えますが「その『痛み』を経験するからこそ、人の『痛み』を思いやる心すなわち『利他の心』を持つことができ『利他の心』こそ、私達に『力』を与えてくれるのです。」とあります。強く生きるとは生き方の原点を持つことと実感する一冊です。

          着眼・着手
ある証券会社から突然電話があり「○○会社様が、近日上場されます」と、旧知の会社で社長から紹介を受け株式引き受けの連絡をしているとのことです。ありがたくそしてすばらしく感じました。ハイテクでもIT企業でもない一般的な業界です。しかし、コツコツとていねいに人材育成に力を入れ、毎年すばらしい経営計画の発表会を開催されています。同じ業種業界でも大きな差が出る時代ともいえます。社長が本気になり第一線で指揮を取り、現場に徹底して足を運び、お客様や市場のニーズを肌で感じ社会の役に立つ会社に育てていく。そして、社員とその家族を守ることに真剣に取り組んでいる会社に不況はないと実感します。

                         平成24年3月 NO.121
   『世界に大自慢したい
        日本の会社』

          坂本光司 原作 漫画 こせきこうじ
                (集英社H24.2 600円+税)


読書は、宝の山への旅と実感します。大型書店のビジネス書コーナーに平積み、気になり手に取りますとマンガ(コミック)でした。ところがその内容はすばらしいものです。シリーズベストセラー60万部坂本光司先生の「日本でいちばん大切にしたい会社」で取り上げられている会社のうち6社を感動的にビジュアル(マンガ)に刺激的に紹介しています。一言で表わしますと「日本にはこんなにステキな会社がある!」と改めて実感します。タイトルにありますように「世界に大自慢したい」日本に実在する会社で、世界に向って「日本は、すばらしい」と叫びたくなるような内容です。例えば、採算を度外視して障害のある方のために「不自由の中の自由を追い求めていく」ことに人生を掛け、その社長の思いに全社が一丸となり「愛の溢れる」会社を実現している広島の「ハッピーおがわ(福祉衣料製造販売、社員22名)」。知的な障害を持つ人達への門戸を開き、すばらしい職場環境を実現した神奈川県の「日本理化学工業(ダストレスチョーク製造販売・74名)。障害を持った人達も「人にほめられたい、役に立ちたい、必要とされたい、社会の中で生きたい。」やっと手にした職場で純粋に社会とかかわり必死になって働くその姿に感動し涙します。また、厳しい父親の教えを守り40年以上行列のできるようかんを作り続ける武蔵野市の「小ざさ(ようかん製造販売・30名)。どの会社も社員やお客様そして深く社会とかかわり役に立つ理想的ないい会社です。コミックならではの感性に直接響き心が洗われ、改めて原点の大切さを気付きます

             着眼・着手
業績の良い会社の共通点のひとつに、商品力が強いことがいえます。商品力と商品とは異なります。商品とは、現在お客様に提供している商品やサービスです。商品力とは、お客様のご要望の変化に対応して変化する力、新しい価値を生み出す力をいいます。お客様の声を収集する力であり、企画力や開発力をいいます。自社の魅力を徹底して磨き上げる仕組みを定着させることによってすばらしい商品が産み出されます。





                      
平成24年2月 NO.120
 『ディズニー
 そうじの神様が教えてくれたこと』

 
           鎌田 洋 著 (ソフトバンククリエイティブH23,10 1100円+税)

読書は、宝の山への旅と実感します。ご縁のある方より一枚のFAXを頂きました。すばらしい本と出合い「感動しましたので、お知らせしたくなり」とのメッセージにより書店で求め、電車の中で読み始め、途中涙が出ました。著者は28年前、社会人より念願の東京ディズニーランドに5回目の採用試験で合格し、夜の清掃部隊(ナイトカストーディアル)のトレーナー兼スーパーバイザーにそして教育部門のリーダーとして活躍されました。この物語は夜の清掃部隊での体験とその時の運命的な出会いであり「私の師となり私の人生に大きな影響を与えたかけがえのない存在である」あのウォルトがこよなく信頼を寄せディズニーの世界で『そうじの神様』と称えられたチャック・ボヤージンとのお話しです。短編四話のどれも現実と夢が織りなすファンタジーの世界を体験でき、その中のひと言が心に響きます。「掃除は、汚れているからするのではなく、汚さないためにするんだよ」「そうじは、人を笑顔にする原点だからね」「すべてはゲストのために」「夢は、あきらめなければ叶うんだよ」そしてウォルト・ディズニーの言葉も心に残ります。「あなたができるすべてをしてあげなさい。そして、できる限りきれいにしなさい」。ディズニーは常に未完成であり進化し続け、今日に満足することなく謙虚に実践を続けています。その原点が「そうじ」であると実感します。

            着眼・着手
業績の良い会社の共通点はお取引しているお客様が元気であることです。伸びる、活力のある、成長性のある市場で自社の強みを生かして収益を上げられています。戦略的な表現をしますと「産業構造内ポジションが良い」(伸びるところで商売をする)です。市場は、大きく早く劇的に変化しています。時代の変化に対応して変化する事が重要です。戦略的に時代の変化を予測し、足元を固め成長する分野へ少しずつシフトする為の計画とその推進が必要です。経営戦略のテーマは、「営業構造の改善と商品力の強化」です。




                      平成24年1月 NO.119
  「人間学入門」

      〜人間力を高める〜 (致知出版社 千円)

読書は、宝の山への旅と実感します。「仕事は人間力で決まる。いかに人間力を磨くか、各界の先達に学ぶ」とサブタイトルが付けられています。船井総研FAX情報1月1日号でも「今年は大変化の年になりそうです。こういう時代は良識と自然の摂理に従って正しく生きることが必要である」とあります。本書では人間学を学ぶ前に激動する時代でも「絶対に変わらない不変の真理」を4つあげています。@「人間は必ず死ぬ」A「自分の人生は自分しか生きられない」(人生に代役はない)B「人生は一回限りである」(人生にリハーサルはない)C「自分という人間は過去にも未来にも一人しかいない」(自分と同じ人間は一人もいない)過去にも未来にもたった一つしかない、この尊い命をどう生きるかを学ぶのが「人間学」といえます。この一冊の中には「先知先達の教えに心を磨き、自らの人格を高め、それを道しるべに、自分しか生きられない一回限りの人生を豊かに生き抜くべく努め励んだ」10人を紹介しています。国民教育に心魂を注いできた森信三氏、詩の創作に生きた坂村真民氏、経営者魂に触れる人として、「事業を興すその動機善なりや私心なかりしか」一代で一兆円企業を築き上げた京セラ名誉会長・稲盛和夫氏、「我が熱湯経営の歩み」1万3千人にも及ぶ巨大組織、大和ハウス工業の舵取りをする樋口武男氏、また「人間を磨く道」として渡部昇一氏・三浦綾子氏、「極限の運命を生きる」として小野田寛郎氏等が紹介されています。たった一つの尊い命を輝かせる為のすばらしい生き方を学ぶ魂の金言集といえます。

           着眼・着手
地方のロードサイドから新しいビジネスは生まれます(人口が少ないのに繁盛している)。そういうお店と出会うのが楽しみで本年1月2日四国R11松山から徳島まで200キロサイクリングしました。「びんび家」(鳴門市北灘町)何もない海岸線に一軒長蛇のお店。30分ほど潮風に吹かれながら店外で待ちました。お任せ定食二千円。70〜80席の大きなお店は常時満杯。新鮮な鳴門の魚が売りです。鳴門ワカメの味噌汁も美味です。良いものは適正な価格でお客様は満足すると改めて実感しました。孫子の兵法「戦略とは、戦わずに勝つこと」自社の強みに一点集中差別化すれば、海岸線の一軒だけの店舗でも繁盛できることを証明しています。



                       平成23年12月 NO.118
  
 「100歳のことば」
     〜祝100歳記念出版〜
              日野原重明 著 (PHP文庫 514円+税)


読書は、宝の山への旅と実感します。京大医学部を卒業し、現在聖路加国際病院名誉院長で現役の医師です。本年(平成23年)10月4日満100歳を記念して本書が出版されました。現在も超多忙で「3年先までスケジュールがびっしり詰まっている」「次のゴールは110歳」だそうです。そして、この本の書き出しでご自身の健康法を紹介されています。@歩くことA食べること(30歳のときの体重・腹回維持)B寝ること(うつむけ2分で熟睡)C着ること(下着は薄着・寒暖は上着で)D考えること(集中すればおなかはすかない)E書くこと(読書で引き出しを多くする)F会うこと(会話はドからではなくラからはじめる、高音)です。そして、この本の内容は100歳を超えてまたは100歳近くまで活躍された作家、芸術家、俳優、政財界など八十数名による名言集で、個別に日野原先生が解説をされています。
例えば、いくつか紹介させて頂きます。楽しく長生きできる、生きるコツが満載の一冊です。

*「逆境にいて楽観せよ」(出光佐三 出光興産創業 95歳没)!
「人間の幸福は老後にあり」どんなに苦しいことがあっても、ああ、いい事をしたと思えば、苦しい感じはしない、今が人生最高のときだ、と楽しそうに語っている

*「うまい」(斉藤茂太 精神科医 90歳没)
ニコニコの仮面をかぶっていたらその仮面が自分の顔になったという。そして、日本酒であろうとビールであろうと最初の一杯を飲むとき、妻の家庭料理でも外食でも最初に「うまい」という。積極的に「わざと」感動する。それが楽しくうれしく暮らす秘訣とのこと。
               着眼・着手
教育は社内で行うことが重要です。上司が部下を教育する。社長が後継者を教育する。部下を教育して力がつくのは上司です。一所懸命悩み考え粘り強く苦労して教えることによって上司が成長します。その姿を見て部下が成長します。特に社長は後継者育成に全力で取組む必要があります。具体的には戦略的な中期経営計画の徹底した策定・推進の取り組みです。社長の本気が試されます。(講習に参加させるとその講師の実力がつきます)



                          
平成23年11月 NO.117

 
「人生がときめく片づけの魔法」

        
近藤麻理恵 著 (サンマーク出版 1400円+税)
 


読書は、宝の山への旅と実感します。“100万部突破!従来の「片づけの常識」をひっくり返す決定版”との見出しについ手を伸ばしページを開けて驚きました。片付け収納のノウハウ本でも、また掃除をしなければとか、不要なものは捨てなければと頑張る必要もないのです。それよりも一生を「一流ホテルのような部屋か倉庫物置のような部屋か」どちらで過ごしたいですか?「理想の暮らし」を考えること。変えるのは、環境の前にそれを産み出している「意識」とあります。次に取り組むことは、その意識改革です。これが大変シンプル・わかりやすいのです。片づけのコツは「一気に、短期に、完璧に」そして「まずは『捨てる』を終わらせる」事です。「モノは、毎日持ち主を支える為にそれぞれの役割を全うしています。一所懸命私たちのために働いてくれているのです」片付けとはモノを大切にする事をいいます。使いもせず収納の奥に詰め込んだままではかわいそうです。まず「ごめんね。ありがとう」といって必要なモノ以外は「捨てる」事から始めます。そこで重要なことは「捨てなければいけない」と頑張らないことです。「捨てることだけを考えて片づけをすると不幸になります(排除・攻撃はだめ)。本来片づけで選ぶべきなのは捨てるものではなく残すもの」だからです。そして、その選択基準は「触ったときに、ときめくか」で判断すれば迷わないとの事です。「一流選手が道具を神聖なものとして扱い、ていねいに手入れをし、大事にする」ように、大切なものにだけに囲まれてそのモノに感謝し、ていねいに接することによって頭も心もすっきりして、そこから人生もドラマチックに変化がはじまります。それが、タイトルにもある「片付けの魔法」です。納得!

             着眼・着手
劇的に環境が変化するときに大事なことは、ダーウィンの法則でもあるように変化することです。しかし、組織も人も変化には抵抗します。そこで必要なことは「変化しなければいけない」と無理して頑張るのではなく、例えば「3年後はこのようになりたい」というワクワクするイメージを具体的に共有すればそこに向って変化が始まります。それが結果としてチャレンジャー・リスクテイカーという強い会社の姿になります。夢は勇気を生みます。



                           
平成23年10月 NO.116
 図解でわかる!

 「ディズニー感動のサービス」
        
 小松田 勝 (中経文庫 2011.9 600円+税)
 
読書は、宝の山への旅と実感します。東京ディズニーランド開業時に教育担当だった著者が、お客様を魅了するディズニーマジックのノウハウを大変わかりやすく紹介し、読み進める内にディズニーのすばらしい感動の世界に引き込まれていきます。ウォルト・ディズニーは、いくつもの辛酸を経験する中で「多くの人の心を和ませる施設を作りたい」と強く思い、その精神を奥底まで徹底し「ゲストに感動してもらえるシステム」として開花させました。ディズニーランドは、「ゲストの立場に立つ」「細部にこだわる」「毎日が初演」「パークは永遠に完成しない」「すべてのゲストがVIP」などの理念を大切にし、従業員教育や組織運営に浸透させています。「ディズニーはCS(顧客満足)のレベルを高くするためにはまずES(従業員満足)を重視」しています。そして、若いスタッフにはまず「生き方・礼儀・躾」から入ります。「人としての生き方の本質から考えなければゲストへの思いやりのある行動は取れない」と考えるからです。具体的には「掃除」です。パークは、毎日水洗いされ「赤ちゃんがハイハイしても汚れない」レベルまで、また約800あるゴミ箱も毎日洗います。そのような体験学習を通してエネルギッシュな親しみがあり向上心のある社員を育成しています。それは「パークの掃除に、ディズニーの全てが凝縮されている」からです。合わせて「リード制度」という先輩がお客様に直接対応できるまで丁寧にフォローする仕組みも徹底しています。先輩が後輩を実体験を通して育てます。そこで大切なことは「褒めること」だそうです。現場で期待を超える感動のサービスを生み出すのは、90%の準社員(パート・アルバイト)です。その若いスタッフの意識を高め、行動につなげるノウハウが満載です。徹底する底力の価値を実感します

               着眼・着手
フロー(ワクワクする)経営が注目されています。社長が会社の存在価値(経営理念)、世の中に役に立つ事のすばらしさ、将来の夢、ビジョンを熱く語りかける時、若い社員を中心にして組織が活性化します。社長の熱い思い、将来の向う姿、そして社員の人間的な成長を願うとき会社は眠っていた大きな力が目覚めます。


                   平成23年9月 NO.115

 「孫正義 リーダーのための意思決定の極意」
    〜ソフトバンクアカデミア特別講義〜
          孫正義 (光文社新書 740円+税)
 

読書は、宝の山への旅と実感します。ソフトバンクアカデミアとは、孫正義が自身の後継者を育成する為に自らが講義を行う学校です。語りかける言葉の中から人材育成にかける強い思いが伝わり、経営の原点・基本的な考え方が大変わかりやすくまとめられています。まず、理念・志では、「日本のインターネットは、通信速度が先進国で一番遅く、通信費が一番高かった。だから日本をブロードバンド先進国にする」と国の為・社会のために戦うこと「情報革命で人々を幸せにする」ことをはっきりと宣言しています。その次はビジョンです。「十年後にはこうなるだろうと明確な期限を定めて、その時点でのイメージを徹底的に思い描く」「登る山を決めよ。山頂から見た景色をイメージせよということです」「それをバシッと言い切れない者はリーダー失格」と語り「頭がちぎれるほど考え抜かないと出てこない」これがリーダーの大切な仕事と強調します。そして、「戦略」の話になります。「戦略の『略』とは『省略』の意味」であり「無駄なものを徹底的に除去」し「99,9%削ぎ落として絞り込む。選択肢を徹底的に洗い出して一個を絞り出す。これこそ戦略なんだ」その実践が「ナンバーワン戦略。圧倒的ナンバーワン」であり、自社の強みに一点集中することの必要性を求めます。「ナンバーワン戦略とは勝てる戦いしかしない。戦ったら必ず勝つ。しかも、圧倒的ナンバーワンになれるという自信のある分野にしか、手をつけない」そして「一番を体験したら勝ち癖がつく」。経営にとって大変重要なテーマをわかりやすく語りかけてくれます。トップの熱い思いが響いてきます。

              着眼・着手
社長も社員も願いは同じであると実感します。「豊かに、幸せになりたい。家族を守りたい」その為にどこに向って何をすればよいのか。それが明確になっていない場合が多いように思います。また方針・計画を決めてもそこに集中せず近視眼的な経営になっていることも多いようです。会社には大きな利益が眠っています。


                                                     平成23年8月 NO.114
  「営業の手帳」
 日本一住宅を売っている営業マンの

         田中敏則 (あさ出版1400円+税)
 

読書は、宝の山への旅と実感します。積水ハウス販売棟数1217棟!普通の人なら250年かかる数字です。しかも紹介受注100%。「鍛えるべきは頭ではなく、心」であり「心を高めていくことでお客様に購入していただける。営業に『近道』はないが『王道』はある。」それが「紹介営業」と強調されます。具体的には、「心のかけはしをお客様との間で築くこと」その為に必要なのは「言葉による説得ではなく行動であり、お客様から頂いたご質問やご要望は、どんなに些細なことでもメモしておき、確実にお答えする。お客様が期待されている以上の対応をしていくと、それらの行動をつぶさに見ているお客様は、この営業マンは信頼できると感じられる」その信頼のかけはしは永久に続き、それが「紹介営業の源」となります。もっと具体的には「お客様とお会いする頻度を高めることが、ご紹介を頂く大切なポイント」で例えば現場は日々変化しており「頻繁に現場を訪ね、状況を確認しお客様にそれを伝える努力を継続することが大切」とのことです。結論としては「まじめに、コツコツ続けていってください。その小さな継続の積み重ねが、お客様の心の琴線に触れ、心を動かされるのです」小さな基本を丁寧に継続することが大きな力となります。田中さんの営業車には、掃除道具が積んであり現場をとにかく掃除されるそうです。

               着眼・着手
過去・現在・未来は、一本の道でつながっているといえます。例えば、過去に思い描いていたことを知りたければ、現在の姿を見ればよい。はっきり描けていれば、すばらしい現実が訪れているはずです。思い通りでなければ、その絵の焦点がずれていたのでしょう。今大切なことは、将来は決まっていると言うことです。将来を知りたければ、今、その姿を明確に描くことです。中期経営計画の大きな力と言えます。



                         平成23年7月 NO.113
  
「柳井正の希望を持とう」

   未来は変えられる!

          ユニクロ 社長
          柳井正(朝日新書700円+税)
 

読書は、宝の山への旅と実感します。柳井社長が「さあ、自分の可能性を信じて、挑戦しよう」と語りかけているような、躍動感のある内容です。「自分自身に期待することだ。得意な部分を必死で探し、一生懸命に磨いていく。そうすれば、必ず活路は開ける」とあります。また「本を濫読」してきたそうで「本を読むとは書いた人と対話すること」とあり、愛読書『プロフェッショナルマネージャー』の「本を読む時は、初めから終わりへと読む。経営はそれと逆だ。終わりから初めてそこへ到達するためにできる限りのことをする」という言葉に最も感銘を受けたそうで経営には「最終的な目標の明示」が必要であり「現実の延長線上にゴールを設定しない」ことを強調されています。また「経営者が成長しない限り、組織もまた成長することはない。待ったなしで意識改革するべきだ」そして組織は「経営層の強化なくして生き残ることはできない」とあります。また、これまで順調かと言うと逆で「私は数々の失敗を経験している。そして、今後も失敗するだろうが、なおも失敗を恐れることなくチャレンジしていく」とあり、「失敗すると気持ちが沈み悩み不安にとらわれる」そのような時の気分転換法が「ぐっすり寝ることだ」そうです。可能性を信じ大きな「夢」「目標」「志」に向って挑戦することがすばらしい生き方と実感します。

              着眼・着手
 今、いい会社の共通点は、全社員が「考える」と言う仕組みが社内に浸透していることだと言えます。具体的には「改善提案制度」です。会社を更に良くするために皆で考える。当然のことですが、これが、はじめますと苦労が多いのですが、社長を中心に経営陣の熱い思いで粘り強く小さな変化を継続することで「考える」と言う習慣が浸透し、すばらしい成果が実現します。原因の蓄積が大きな成果を生みます。



                                   
平成23年6月 NO.99+13
「『本物の営業マン』の話をしよう」

 
     東レ経営研究所特別顧問 
     佐々木常夫( PHPビジネス新書800円+税)
 


読書は、宝の山への旅と実感します。「自閉症の長男に続き次男・長女と結婚三年で三児の父。妻は、肝臓病がもとで入退院を繰り返し、うつ病を併発し何度かの自殺未遂」と、育児・看病をこなし過酷な日々の中、仕事でのすばらしい評価を受け東レで同期トップの取締役から東レ経営研究所社長そして現在特別顧問。営業ハウツー本ではなく、人生論として強く伝わってきます。「『ありがたい』と感謝の念をもてれば必然的に現状に満足でき、『順境・逆境ともによし』となり受け止め方で物事の見方は真逆となる」と強調し、また「営業の仕事とは、お客様を幸せにすること」であり「世のために尽くす、人のために最大の支援をする、己よりも他人の幸せを考えることが基本」であり、「自分を磨かなければ理想的な営業マンの境地には到達できない」とあります。具体的な実践としては「礼儀正しさは最大の攻撃力」であり「時間を守る。挨拶をする。ミスはきちんと謝る」という真摯な行動が信頼を築く大きな力となる。そして徹底してお客様の視点に立ち「『売る』ではなく『知る』事が基本」であり「ニ話して八聞く(ニ八ニッパチ)」で「お客様の話す割合が全体の八ならその商談は勝った」といるようです。結論として、営業とは特別変わったことをするのではなく「人として当り前の事をすること」「お客様を大切にすること」その為に「自分を磨くこと」実感!

          着眼・着手
  
森信三先生は生前、「新しい21世紀を迎える為には25年かかる」と話されていたようです。そして衝撃的なことですが「2010年〜2015年はとんでもない厳しい時代」となり古い20世紀の価値観が崩壊し、新しい価値観が芽生え、2015年には明かりが見えだし2025年にはすばらしい時代となり2050年には世界がこの日本の国の価値を再認識するとの事です。その価値観の軸になるのが二宮尊徳の思想とのことです。「人生論」「生き方」と言う書籍が注目されているのも「自分磨き」が始まっているのではないでしょうか。




                         
      平成23年5月 NO.99+12
 「『人を動かす人』になるために
  知っておくべきこと」

       
 ジョン・C・マクスウエル( 三笠書房1400円+税)
         監訳 渡邊美樹


読書は、宝の山への旅と実感します。リーダー論の権威者であり世界一影響力のあるカリスマ・コンサルタント。「リーダーには絶対に不可欠な要素が二つある。一つは、必ず到達したいと願う目標地点があること。もう一つは、一緒にそこを目指そうと人々を説得できること」。その為に「他者の協力を得てこそ、そこに到達できる」と信じ、その為に多くの人を本気にさせる能力がリーダーに求められます。つまり、「自分がよくしてもらいたいなら、まず自分が相手によくする。温かい言葉をかけてほしいなら、自分から温かい言葉をかける。相手を動かしたいならまず自分が動く」これが人間関係の基本のようです。また、その為には「自分を信じ、人を信じることが大切」であり、大きな自信をつけるために最初にすべきことは「自分の存在を肯定すること」つまり絶対的な肯定(プラス)思考で可能性に挑戦する事です。また、人はほめられ認められたとき優れた結果を出すものであり大事なことは「ほめて励ますこと」。それができるのは「自己肯定感を持っている人間だけ」との事です。自分の可能性を信じ自分らしく生きる為の気づきと「勢い」が生まれる一冊です。
*印象に残った言葉 
「逆境は、順境において眠っている能力を引き出す」
「楽観的でポジティブな態度の人は楽しい人生を謳歌する」
「カーネギーの人材育成の秘訣は、ひたすらよいところをほめることにあった」

           着眼・着手
今期高収益のA社様は、情報に対して決断と行動が早かったことが要因とのこと。B社様は、数年前より企画力を強化しブランドの差別化に取組んだことが要因。「自社の強みに集中する」事が経営の基本であることを改めて実感します。戦略的に、中期的に、計画的に、そして行動力。



                       
平成23年4月 NO.99+11
  
   「森 信三 小伝」

   20世紀最後の哲学者といわれた森信三97年の足跡
   寺田一清 編(平成23年3月 致知出版社1300円税別)
 
読書は、宝の山への旅と実感します。昭和21年旧満州の2月零下27度の極寒・動乱の地より、建国大学教授であった森信三先生は九死に一生を得て祖国の地に立たれました。そのときの先生の胸中が「学者にあらず、宗教家にあらず、はたまた教育者にもあらず、ただ宿縁に導かれて国民教育の友としてこの世の『生』を終えむ」という銘に端的に表現されています。読み進めるうちにその壮絶な人生に驚きと感動を覚えます。先生33歳の時、「今までの生い立ちと宿命により紆余曲折のコースを辿らざるを得なかった全体験」から「真理は現実の唯中にあり」「人生二度なし」という最根本的な事実即真理に眼覚められました。その後も「地獄の底をくぐる思い」の続く中で神戸大学教育学部の教授に奉職され、第一に着手されたことは「廊下その他の紙屑拾い」で覚悟を持って退職の日まで7年間続けられます。そのときより積極的に全国へ教育行脚そして「全集」刊行にと没頭される姿は執念を感じます。先生65歳の時、「一人雑誌」「複写ハガキ」そして「腰骨を立てる教育」を提唱され、75歳を過ぎ更に苦難の嵐が容赦なく襲う中で「幻の講話」執筆にとりかかられます。その人生を振返り先生のゆるぎなき確信ともいうべきは「絶対不可避なる事は即絶対必然にしてこれ『天意』と心得べし」の一語に尽きると言えます。そして平成4年97歳にてその人生を終えられます。森信三先生の世界に引き込まれ人生観を再確認できるすばらしい一冊です。
          
  とき同じく「森信三に学ぶ人間力」(SBIホールディングス北尾吉孝著 致知出版社)が書店の新刊コーナーに並んでいます。混迷の時代に森信三先生に対する関心が高まっていると感じます。

                着眼・着手
A社経営計画発表会に出席、社長が戦略的中期経営計画をとおして会社の理念・ビジョン・方針を熱く語り社員と共有する価値を改めて実感。また、B社の社長様が後継者の息子様と弊社にて経営理念を作られる場に同席、会社の存在価値を再確認し十分な時間をかけてたたき台を完成されました。
【職場再建の三原則:時を守り、場を浄め、礼を正す (森 信三)】




                  平成23年3月 NO.99+10
「一分間スティーブ・ジョブズ」
     人生の革命を起こす77の原則
     桑原晃弥 著(2011,2ソフトバンククリエイティブ 952円税別)
 
読書は、宝の山への旅と実感します。スティーブン・ジョブズ1955年生まれ(ビル・ゲイツと同じ)。iPhoneやiPadを発表し経済誌「フォーチュン」誌から「最高の経営者」に選ばれるほどの評価を受けるアップルの創業者です。しかしその人生は波乱に飛んでいて20代で成功者となり30代で追放され「敗残者」となり再度米国を代表する優良企業にしたパワーはすばらしいものがあります。「人生は幸福だけに満ちていない。むしろ不幸や苦痛、無益だと思うことのほうが多い。しかし、くさらず、あきらめず歩み続けると、ある瞬間に点と点がつながり、不幸や苦痛が全て有益なものに転じる瞬間がある」と言う。また「私はよく働くし、給料も受け取っていない。」がむしゃらな働きぶりと世界一安い年棒1ドルCEOは有名とのこと。夢に向って思う存分挑戦するところに情熱とロマンを感じます。そして、経営については二つの事が印象に残ります。まず「自前のOS(商品)を持っているからこそイノベーションを更に加速させることができる」下請けにならない。つねに企画し開発するメーカーであり続けること。二つ目は「現在の役員の誰もが後継者となりうるようにすること、それが私の義務でありそうしようと心がけている」社長として後継者を育てることを使命と考え実践しています。「最初にベクトルをほんの1インチ動かしてやるだけで、3マイル先では方向を転換させるスウィングは膨大になる」小さな変化を続ける中で大きな変化が生まれる事を信じて挑戦する姿は魅力的に感じます。

             着眼・着手
「会社一丸となって」とは理想とする状態です。しかし、現実は社長も社員も共に幸せになり、家族を守り、豊かになりたいと感じながらも思いは「一丸と」なりにくいものです。その為には、社長が「ビジョン・経営理念」を通して会社の向う方向を明確に示し、戦略的な中期経営計画でそこへ行くための目標・計画を示す事が重要となります。目指すべき目標とその道が見えた時、会社・組織は大きな力を発揮できるのではないでしょうか。




                      
平成23年2月 NO.99+9
  「静かに 健やかに 遠くまで」
           
       城山三郎 著(新潮文庫 438円税別)
 

読書は、宝の山への旅と実感します。箴言(しんげん)(教訓の意味を持つ短い句)の魅力に惹かれ、生きる指針が満載の一冊です。第一章「生きてゆく日々」では「尊敬するに足るひとを一人でも二人でも多く持てるということ、それは人生における何よりもの生きる力になることであろう」。第二章「会社のメカニズム」では「僕が魅力を感じるリーダーというか人間は常にあるべき姿を求めていることが一つ。それから生き生きしていること。それは教養とか文化に対する関心だけじゃなくて、人間に対する関心、好奇心を失わないことですね。三つ目が卑しくないこと」。第三章「男のライフスタイル(ヒーローの条件)」では「行儀のわるい人はいつでもいますよ。しかし、行儀のわるい人はどこにも通用しない。一勝負やって当てる程度。いずれは行き詰る」「目標のない人生は、人生じゃないぞ」「スランプは、新しい飛躍のための陣痛のようなものだ。陣痛がなければ、子供は生まれない」。第五章「世わたりの秘訣」では「初心に立ち返るためには、ただ手をこまねいて『初心・初心』といって居ればいい、というものではない。そうではなくて、つとめて新しい勉強をし、新しい角度から物事を眺めようとする努力が必要であろう」第六章「家庭の姿かたち」では「離れていると、お互いが天使に見えるものですよ。その上、私は手紙や詩でも彼女を天使のように書いてやります。すると、彼女はその気になって、天使の気分になってくれます。女とは、そういうものなんです」そして、人生の晩秋の生き方まで短い言葉が心に響きます。言葉を味わいながら楽しめる一冊です。

          着眼・着手
先日、カンブリア宮殿という番組で「常に考える」という経営理念で有名な未来工業が紹介されていました。社員満足度が極めて高くかつ高収益。世の中にあるものは作らず常に工夫をする。提案制度が組織に浸透しています。知識・技術を世の中の役に立つための「知恵」に変えることが出来たとき極めて高品質の組織が出来ると実感。





               
 平成23年1月 NO.99+8
 
 「シンプルに生きる」
  〔変哲のないものに喜びをみつけ、味わう〕
       
ドミニック・ローフォー 著(2010年6月幻冬舎952円)
 
読書は、宝の山への旅と実感します。著者は、フランス生まれフランス育ち日米の大学教授で日本在住30年。アメリカで出会った日本庭園の質素な中に優雅さのある美しさに惹かれ「ものを持たない暮らしはこんなに楽しい!」をテーマに世界で大ベストセラーとなる。「ものを過剰に所有することをやめてみましょう。すると、ものに対して使っていた時間が減り、自分自身にかける時間が増やせます。体をケアし、心の中の整理をすると、自分の持っている可能性を再発見することができ意欲が湧いてきます。シンプルにすること。それは,暮らし全体の風通しをよくするということです。」女性向けエッセイであるにもかかわらず、大変読みやすい経営書といえます。「あなたのために三つのキーワードを贈ります。それぞれのものはそれぞれの場所に。整理整頓は時間を節約し、記憶力を助ける。良い仕事は清潔で整頓された環境から始まる。」そして「掃除は、人間と自然の本質を高める行為」であり徹底することによって心の余裕が生まれるとのことで納得です。また、食事についても「栄養過多の食事は、肥満の原因となるだけでなく、そもそも消化し吸収するために体に絶え間ない負担をかけつづけてしまうものです。食べる量を少なめにするということは、人生をシンプルにするための大切な方法」であるとも紹介しています。読み進めるうちに今では忘れかけている伝統的な日本の文化が極めてシンプルで生産性が高くかつ優雅で気品のあるものである事に気付かされます。経営改善のスタートはまず掃除からです。シンプルライフと原点は同じと実感します!

               着眼・着手
新年明けましておめでとうございます。社是「お客様の成長発展が私達の仕事です」を基に戦略的な中期経営計画の推進支援業務をとおしてお役に立てるように努めさせて頂きます。本年も、よろしくお願い申し上げます。
経営のキーワード 《3つの整理、押せば利益の泉湧く!ものの整理・仕組の整理・時間の整理》



                
     平成22年12月 NO.99+7
    人として大切なことは何か
   「正しく生きる」
 〔正しく生きる方程式 平凡×徹底×継続=超非凡〕
   鍵山秀三郎著 (2010年12月 アスコム 1500円)
 

読書は、宝の山への旅と実感します。今の世の中を見ますと人の心が病んでいると言えるのではないでしょうか。そのような時代に「正しく生きる」とはどういうことか大変わかりやすく紹介され、読み進めるほどに心が熱くなる一冊です。「人の心は目に見えませんが、心遣いは目に見えます。人の思いも目に見えませんが思いやりと言う形で見ることができます。また、気という見えないものも気配りという形で見ることができます。そういう目に見えないものを、さまざまな形で見るこれが配慮であり」かつての日本はそのように人の心を大切にして穏やかな社会をつくってきたようです。今、大切なことは「自分の手で磨けるものを磨くということが、間接的に荒れて波立った心を穏やかにしてくれる」掃除が心を癒す本質であると気付くときが来ています。日本電産の永守社長の「会社をきれいにすることに理屈はいらない」という会社再建の話を引用し「会社が汚かったから業績が悪くなったのであって、その根本原因を放置して業績を良くしようとしても、決してよくはならない」徹底した環境整備が隠れた会社の収益を生み出すといえます。また、「生きていく上で最も大切なことは高い志を持つこと」であり「志とは立てた目標に向って一所懸命に努力していくこと」そして「欲望とは自分の為の努力であり志は大勢の人のための努力」となります。「ちょっとした『思いやり』や『気遣い』が世の中に満ちていけば、穏やかに暮らせる社会が実現するはず」との内容に大きな力を感じました。
          着眼・着手
ベストセラー「日本でいちばん大切にしたい会社」の著者、坂本光司先生の講演会に参加。不況は無い。お客様の役に立つかどうかだけ。お客様になくてはならない、感動の商品を提供する会社になる為の原則は「社員とその家族・協力会社・お客様」への満足に集中する。いい会社の条件との事。


                    平成22年11月 NO.99+6
「成功するために必要なシンプルな
         話をしよう」

     本多静六<1866―1952>著 三笠書房
        知的生き方文庫(571円)
 

読書は、宝の山への旅と実感します。11歳で父を失い苦学し東大農学部を卒業、日本初の林業博士となる。東大教授にして大富豪でもある。成功する為の最高の授業をうけているような、これ以上に実用的な幸福論はないと感じるすばらしい内容です。幸せの法則とは「懸命に努力する。すると自然に興味が湧いて面白くなる」「どんな仕事でも努力を続けさえすれば、はじめは多少苦しくてもついには道楽になる、そしてその道楽の面白さは努力の量に比例し努力の大なるほど愉快の大なることを自覚した。」そして、「朝、目が覚めたら『ありがとう』と言ってみる」まず今日も生きていたなと感謝することから一日を始めます。また、自分の存在価値を上げる為には「悪口は言わない・欠点は見ない」「人の長所を用いれば、世にすてるべき人物はなく、人の短所を責め完璧を求めれば、天下に用いるべき人物はいなくなる」「ただその人のよい部分だけを賞賛しておけば、その人はいずれ自ら悪い点に気づいて改めることにもなるし、またどんなに敵意ある人でも、自己の長所を褒められて悪い気持ちはしないものだからついには敵も見方になる」というわけで友も多く、社交も広がり事業も成功するものであるようです。結論として「まず自ら他とよく交わり、他を助け、他に奉仕しておくこと、いわゆる徳を積んでおくことこそが、いかなる時勢にもいかなる場合にも、もっとも幸福に生きられる方法」納得!

                
着眼・着手
最近改めて15年前日経から出ましたDVD「心願の経営」に注目。バブル崩壊は不況ではない。バブルに浮かれた会社がこけただけ。今も同じではないでしょうか。堅実に社員の心を磨き、商品を磨き、会社を磨いている会社は着実に力をつけています。「世の中に不況はない。あるのは成長期と変調期」変化のときに変化できないことが一番危険といえます。自社の存在価値〔経営理念〕を再度確認し戦略的に中期的に計画的に自社の経営体質を強化するときではないでしょうか。



                平成22年10月 
NO.99+5
  「イチロー89の言葉」
 
   児玉光雄 著 三笠書房 知的生き方文庫(571円)


読書は、宝の山への旅と実感します。著名なメンタルカウンセラーのイチローに対する分析が大変心に響きます。「イチローの言葉を分析して見えてきたのは、自分の能力を最大限に引き出す思考パターンを持っている」という事です。「『小さなことを多く重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道なんだなというふうに感じています』ほとんどの人が見落とすのは、どんな大きな夢も小さな一歩が積みあがった成果だということを自然に身に付けています。スランプ脱出法としては09年第二回WBCで大きなスランプに陥り苦しむイチローに多くの人はオーバーワークが原因ではと休むことを提案しましたがイチローは誰よりも早く球場に姿を現し誰よりも早くボールを打ち続け、真逆のやり方を貫きヒーローとなりました。「まさにその苦しい状況が、飛躍のチャンスだから、逃げたらみすみす飛躍のチャンスを逃がすことになる。試練がたくましい精神と新しい才能を引き出してくれる」「逆境のときほど、全力投球する」これがイチロー流のようです。また、イチローにはこだわりがあり、昼食は最近までカレーと決めていたそうで、記者から「昼にまだカレーを食べているのですか?」との質問に「知り合いから讃岐うどんを頂き、それがメチャクチャ美味しかったんですよ。それから、僕のお昼はカレーからうどんになっちゃったんです」体調や自分の精神状態によって味覚が変わり、バットの感じが変わるそんなわずかな違いを見出すこと、ほんのささいな違いを見逃さないその思考パターンが一流の証といえます。「過程」を楽しむプロセス思考がまさに成功要因と実感します。

                着眼・着手
先月も先々月も経営会議でお世話になっているお客様から、同じお話しがありました。「決算賞与が出せました」とのこと。強みに集中し差別化に挑戦している事と話し合いに力を入れている事が共通点と感じます。管理者の必読書「一分間マネージャー」に「気分が良いと、成果が上がる」とあります。変化に挑戦し、自社の力を引き出すことに思う存分取組むことが大きな力となるようです。





                平成22年9月 NO.99+4

  「ドラッカー最後の言葉」
  ピーター・F・ドラッカー 著 (窪田恭子 訳)(10.7  952円)

読書は、宝の山への旅と実感します。経営思想の巨人P・F・ドラッカーは、2005年11月この世を去る4ヶ月前に、私達に大切なメッセージを残しました。その言葉の中に「『日本が危機的状況に瀕している』という言われ方は、明らかな間違いです。日本が直面しているのは危機ではなく時代の変わり目〔移行期〕なのです」そこで生き残る為に大切なことは戦略的な思考であり「事業計画を立案し、知恵を絞り、戦略を管理する経営構造の確立こそ、知識労働時代の最も重要な課題」でなければいけない。また、どのように取組めばよいかというと「成果を上げる唯一の方法は、自分の強みを把握することです。自分が何を得意とするかを知り、磨きをかけていく事に専念すること」が重要であり「長所を伸ばすことにこそ、重点を置くべきだ」と断言しています。また、自分の長所をどのように見出せばよいかというと「うまくできたこと、うまく出来るであろうこと、伸ばしていく必要があることを追求していけば自ずと自らの強みに行き当たることができるでしょう」と紹介しています。そして、日々の実践としては「知識社会において成果を上げ得る人間であり続けるためには、スキルを更新する教育を何度も何度も繰り返し受けることが必要となります。真の意味での『生涯教育』であり、つねに教育に立ち返るこの姿勢こそが個人のイノベーションを促進してくれます。生涯にわたる継続的学習が不可欠となった事実を受け入れ、常に再教育を受ける心構えを持ち、それを自己責任であると認識することが、今すべての人が身をもって知るべき事実です」 大きく時代が変化する中で、今生き残る為に必要なことを大変わかりやすく紹介されています。

      着眼・着手
経営環境が厳しい中、A社様は順調に業績が推移しています。この5年間を振返り戦略的な中期経営計画の作成・推進を通して、商品ブランドの差別化に取り組み、合わせて「整理整頓運動・あいさつ運動」等社員の心を磨くことにも力を入れ、継続してこられました。そのことが大きな力となっているようです。継続の力・凡事徹底の力の大切さを改めて感じます。





                  平成22年8月 NO.99
+3
   「伝える力」

     池上 彰 著 (07.3PHPビジネス新書800円)


読書は、宝の山への旅と実感します。書店に足を運ぶたびに50万部突破!60万部突破!と正面に掲示されており、つい気になり手が出ました。NHK「週間子供ニュース」を長年担当された、おなじみの池上彰さんです。時代が大きく変化する中で「コミュニケーション能力はますます問われるようになり、特に伝える力(話す・書く・聞く)の高め方について」紹介されています。結論は「簡単なことは簡単に、難しいことも簡単に!これは何かを伝えるときの基本」であり、「噛み砕いて表現できるのは、そのことについて深く理解しているからこそで、本質をしっかり理解していれば、易しい言葉に置き換えることは可能ですし、相手に対し臨機応変の対応も出来る」ことになります。また「小泉純一郎氏が総理大臣の時、カタカナ語を極力使わないようにという指示を出していた」そうです。相手の立場になってわかりやすく表現することが大変重要な要素となります。また、伝える力として文章を書くことも大切になります。優れた文章を書く力をつけるのに必要なことは「文章を書き写すこと」だそうです。「先輩記者が書いた原稿を書き写すこと。ひたすら丸写ししたのです。深夜に局に戻り、先輩たちが書いた原稿の綴りを引っ張り出し、一字一句を書き写していきました」更に「NHKラジオの全国放送のニュースを録音し、それを書き起こしました」「キーボードより手で書き写していくほうが力になる」と、小さな練習を積み重ねてこられたそうです。また「作家の浅田次郎さんも文章力のために川端康成や谷崎潤一郎らの文章を書き写した」そうです。伝える為に大事なことは「自分自身がしっかり理解すること」と相手の立場になって「わかりやすく伝えること」そのためにも、相手の情報を正確に収集するために、相手の話を「真剣に、聞く」ことが大切であることも事例を通して紹介されていました。やはり原点回帰、基本の日々積み重ねが重要と実感!

            着眼・着手
再度、経営理念を組織に浸透させるための取り組みに力を入れている会社が、今、多くあります。経営環境が劇的に変化する中で、自社の存在価値を再度確認することは非常に重要なことです。
環境の変化に対応して、道を見失う事なく戦略的に経営に取組む為の『羅針盤』ともいえます。
「遠きをはかる者は富み、近くをはかる者は貧す (二宮尊徳)」大切な言葉です。



               平成22年7月 NO.99+2
    現代語訳
    
「論語と算盤」

  渋沢栄一 著 守屋淳 訳(ちくま新書 H22.2 760円)

読書は、宝の山への旅と実感します。渋沢栄一1840年武蔵国(埼玉県)の豪農の家に生まれ、幕末から明治・大正を生きぬき、第一国立銀行・王子製紙・日本郵船・東京証券取引所・東京ガス・帝国ホテル・JR・日本商工会議所等500以上の企業の設立に関わり「日本資本主義の父・実業界の父」と呼ばれ、近代日本の基礎を作り上げる。1878年岩崎弥太郎から向島の料亭に招待され強者連合の誘いを受けたとき「独占事業は欲に目のくらんだ利己主義だ」と激しく対立した。栄一はあくまで「国を富ませ、人々を幸せにする目的で事業育成を行っていた」。彼の思想には、資本主義には利益と言う欲望が暴走することがある。そこで「人はどう生きるべきか。どのように振舞うのが人としてよいのか」という「論語」の教えを実業界の世界に植え込むことを試みその思いを「論語と算盤」というタイトルに現している。仕事に対する考え方として「どんな仕事でも『趣味』(ワクワクするような面白み)を持って欲しいと強く思うのである。」仕事をするさい命令に従って処理するだけでなく 「趣味」を持てば自分から「この仕事はこうしたい」と言うように理想や思いを付け加えて実行していくに違いない。「人として生まれたからには、人としての『趣味』を持って欲しいと思うのだ。必ずその仕事には心がこもるに違いない」と自分の務めに対して熱い真心を強く求めています。特に青年に対しては「すばらしい人格をもとに正義を行い、正しい人生の道を歩み、その結果手にした豊かさや地位でなければ完全な成功とはいえないのだ」とまず人格を磨くことを求めています。今、原点回帰が叫ばれる中で大切な一冊と実感します。

             
着眼・着手
「経営理念」が大切であることを多くの経営者は知っています。経営理念とは、会社の存在価値・お役立ちを明らかにするものです。世の中の役に立つことは嬉しいことです。そのワクワク感が伝わってきて始めてすばらしい理念となります。形だけの理念であれば、目標は重荷となるのではないでしょうか。
お客様の悦びが感じられる「経営理念」であることが経営の始まりのように最近強く感じます。



              平成22年6月 NO.99
+1

 「長生きすりゃいいって
       もんじゃない」


  日野原重明 多胡輝 著 (幻冬舎 H22.5 1000円)

読書は、宝の山への旅と実感します。日野原先生98歳多胡輝先生84歳、お二人が人生の「生き方」について素朴に語りかけてくれます。「師がいれば人は老いません。苦を避ける生き方が、苦を呼ぶ。簡単な健康法は腹六分目」どの一言にも実践の説得力があります。そして、人間らしく生きる為に必要な事として三つ紹介されています。「@クリエイティブに創造することに生きがいを見出すA何かを愛することでいきいきと輝けるB逆境に耐えることで人間らしくなれる」と言うことです。「逆境が成長の素、ストレスが健康の素」私達は、どうも幸せの逆の方向に目が向いているのではないかと感じます。日野原先生は、十歳で急性腎炎・二十一歳で肺結核長期療養を余儀なくされ、また、五十八歳で「よど号ハイジャック事件」に遭遇され、その人生を振返り「辛くて苦しかった経験のほうが私により大きな力を与えてくれたと思います」「生かされた命を、人のために役立てなくてはと思ってきたのです」と語られ、「幸せはあくまでも心の状態」であり「希望を持って生きていれば、どんな逆境でも幸せを実感することが出来る」のであって「どこかに不満や不足があるのではないかと探すより、少々の不満には鈍感になって目をつぶり、逆にどこかに幸せや希望があるはずと、こちらは目を皿のようにして探していけば必ずどこかに幸せに思えること、希望を持てることが見つかります。これは本当にてきめんです。そういう心の構えになったとたん、こんなにも楽しいこと、うれしいこと、幸せなことがあったのかと、驚くほどの発見が待っているのです。本当は誰でも幸せなのです」人間関係も同様で、求めすぎず夫婦も「五十点と五十点、合わせて百点でちょうどいい」との事です。

           着眼・着手
P.F.ドラッカーの「マネージメント」が大ブレーク。「仕事とはすばらしいサービスを提供すること。社会に役立つために創意工夫すること。お客様満足の為に自己の価値を上げる(自己実現)こと。人生の目的は人間の成長・幸せの創造・社会貢献にある」売上や利益はその後ろからついてくるようです。




                  平成22年5月 NO.99
   「日本でいちばん
    社員のやる気がある会社」


    山田昭男 著 (中経文庫 H22.3)


読書は、宝の山への旅と実感します。昭和40年設立・名証2部上場、売上255億円(経常利益率7%・自己資本比率85%H23.3)健全かつ大変ユニークな経営で注目されているのが岐阜県大垣にある未来工業です。その創業者、山田昭男氏のユニークな経営手法が存分に紹介されています。ゴールデンウイーク10連休・お盆休み10連休・年末年始は19連休そして電気代がもったいないから残業禁止で給与は地域でもトップレベル。「常に考える」この一点に成長の原動力は集約されます。「まずは社長が変わることが大切なのだ。いかに『戦略』を立て、会社を『差別化』していくかそれが命運を決していく。しかしそれだけではダメだ。社長が変わるに伴って、社員も変わらなければならない。そうなって始めて、会社が変わり始める。社長が変われば社員も変わる。一人ひとりが変わっていけば、会社が変わり、国も変わっていく。この国の未来をつくるのは、額に汗して働いている国民一人ひとりの努力しかないのだ」一所懸命働くとは、作業をすることではなく「常に考える」ことを強調しています。半歩先の『モノ』を作る視点が必要であり「日本で始めて」を発信し続け、「ものづくりの差別化、販売方法の差別化、更に社員を引っ張るリーダーシップまで全てを差別化しなければならない。それは生半可なことで出来ることではない。戦略の基本は差別化だ」そのために「私は社員に言い続けている『常に考える』ことが大切だと・・」提案制度も充実し大きな成果を上げています。この制度の成功のカギは「一生懸命、継続していれば、すごいパワーを発揮するようになるものだ」と凡事を徹底することの大切さも当然のごとく紹介されています。すばらしい経営の基本書であると実感!!
        着眼・着手
先日48年増収増益、信州の注目企業「伊那食品工業様」を訪問させて頂きました。掃除が徹底され「美しくすると汚れない」「スモールチェンジの継続がビッグチェンジを生み出す」「実践のない工夫・知恵はない」「研究開発に10%の人材を投入」その一言に感動の連続。「いい会社をつくりましょう」と言う社是を基に常に先を考え挑戦を続ける創業者の熱い思いをたくさん学ばせて頂きました。感謝!
【職場再建の三原則:時を守り、場を清め、礼を正す (森 信三)】



                  平成22年4月 NO.98
 
 「日本でいちばん
   大切にしたい会社2」


       坂本光司 著 (あさ出版 H22.1)

読書は、宝の山への旅と実感します。昨年注目された「日本でいちばん大切にしたい会社」の第二弾です。今回登場する8社も業種業界は全く異なるものの、その紹介されている内容には余りのも多くの共通点があることに気づきます。「愛情溢れる人間思い・社員思い」そして、「どこまでもお客様に喜んでもらいたい」という理念が組織に浸透し、全ての問題は『内』にあると考え、自己革新努力に挑戦し続けている会社ばかりです。そして「例外なく好業績を上げている」ことがその正しさを証明しています。ところが最初からそのようなすばらしい経営をしていたかというと違うところも共通しています。「業績を上げる為に社員に檄を飛ばし、自身も身を粉にしていた時は、業績は伸びず社員は辞めていく」のです。そして大病等の逆境に遭遇して人生観・経営観が変化します。ネッツトヨタ南国の横田会長は「より大切なことは、社員が幸せに働ける会社をつくることです。そうすればお客様にとっても、自然に満足度の高い会社になるのです。仕事や職場にやりがいを感じ、所属する組織に誇りと喜びを感じている社員はお客様に心から喜んでもらえるサービスを提供しようと考え、行動するのは自然だからです。会社とは、集まっている全ての社員が人間性を尊重され、やりがい、働き甲斐を感じる場所であるべきです」沖縄教育出版の川畑社長も「良い会社には良い社是、良い経営理念があり、それがぶれない確かな経営が継続して行われていれば、業績も良くなります」テクニックや手法の前に、そこには誰もが知っている大切な大きな経営の宝があると言えます。

               着眼・着手
A社様の戦略的中期経営計画発表会に参加。大阪市内のホテルで朝9時から13時までの4時間大変内容の充実したすばらしいものでした。社長がまず1時間情熱的に会社の理念・ビジョン・方針を語りかけ、そして幹部社員が具体的な活動計画を社長のパワーを受けて熱く語られました。年に一回会社の方向を共有する。当たり前の事が大きな力となっています。



                   平成22年3月 NO.97
 

  「心に響く小さな5つの物語」


      藤尾秀昭 著 (致知出版 H22.1発行999円)

読書は、宝の山への旅と実感します。心の中に感動というすばらしいエネルギーをいただける一冊です。五つの物語で構成されています。まず、小学六年生の作文が紹介されます。この作文では、夢を実現する上で大事なことを教えてくれます。「自分の夢に対していささかも迷いがない。夢を素直に信じている。本気・本腰である。次にその夢に代償をすすんで支払おうとする気持ちが強い。友達と遊ぶ時間の少なさに悔いも未練もない。」そして、その少年はヒーローとなりました。すばらしい充実した人生とはどのようなものか、気づかせてくれます。
また、もう一つの物語では、十五歳の重度脳性マヒの少年の詩が紹介されています。「ごめんなさい、おかあさん。ごめんなさい、おかあさん。僕が生まれて、ごめんなさい・・・」自分を生み育ててくれた母親に報いたい。その一念でこのすばらしい詩が生まれました。そして、その二ヵ月後に少年は亡くりました。「短い生涯ながら少年は見事にその想いを一編の詩に結晶させて、逝った。」と言えます。
また、小学校五年生の担任の先生のお話です。ある服装が不潔でだらしない少年がどうしても好きになれません。そして、先生は中間記録に少年の悪いところばかりを記入するようになっていました。あるとき、少年の一年生からの記録が目に止まりました。「朗らかで、友達が大好きで人にも親切。勉強が良くでき、将来が楽しみ」そんなはずがないと思いながら、記録を読み返すうちに、その少年の家庭環境の変化を知りました。母親が病に倒れ亡くなります。父親は、意欲を失いアルコール依存と暴力。「先生の胸に激しい痛みが走った。」それから、少年に対する接し方が大きく変わります。少年は、日増しに明るくなり自信を持ち始め、先生とのすばらしい感動の人生が始まります。
時代が大きく変化し、経営環境も厳しいといわれていますが可能性を信じ感謝し今を本気で生きて行く中で、すばらしい世界が開いてくるのではないかと実感します。絶対肯定、絶対感謝、すべて良し。
                着眼・着手
A社様。一年ほど前より、幹部社員と共に経営理念を作り、ビジョン・方針を明確にし、目標を設定し、行動計画を立て、毎月徹底して小さなチェックに多くの時間をかけて経営会議を進めてこられました。社長は「社員がこれほど真剣に取組むとは」と、その姿を見て驚かれています。社長は、会社と社員を守る為に必死です。社員も自分の人生と家族を守る為に必死です。会社には大きな力が眠っているといえます。




              平成22年2月 NO.96
 「無人島に生きる16人」
      須川邦彦 著 (新潮社 H15.7発行400円)

                    
読書は、宝の山への旅と実感します。斉藤一人さんの近著「微差力」の巻末に「この本はとてもいい本です」との紹介があり早速手にして、直ぐに内容に引き込まれ一気に読み終えてしまいました。まさに感動の冒険実話です。明治31年太平洋上で座礁し、脱出した16人が珊瑚礁の小さな島に漂着し、大変厳しい環境の中で共同生活が始まります。船長は、この16人全員がいつ救出されるかわからない中で一つの決意を固め、皆に伝えます。「島生活は、今日から始まるのだ。はじめが一番大切だから、しっかり約束しておきたい。一、島で手に入るものでくらして行く。二、できない相談を言わないこと。三、規律正しい生活をすること。四、愉快な生活を心がけること。さしあたって、この四つの約束を守りましょう」そして中心となる三人を呼び、自分の決心を打ち明けました。「いつでも強い心で、しかも愉快に、本当に男らしく、毎日毎日を恥ずかしくなく暮らしていかなければならない。そして、立派な塾か道場にいるような気持ちで生活しなければならない」その言葉を受けて「立派に生きて、他日お国のためになるように、うんと勉強をしましょう」という力強い返事が返り、共同生活が始まりました。船長は心の中で「どんなことがあっても、怒らないこと、そして、しかったり、小言を言ったりしないことに決めた。みんなが、いつでも気持ちよくしているためには、小言は邪魔になると思ったからである」そして、飲み水や火の確保、海がめやアザラシとの交流など助け合い、日々工夫する日本男児たちは、一人も欠けることなく感動のクライマックスを迎えます。リーダー必読!!

              着眼・着手

例えば固定費が10限界利益率20%で、損益分岐点売上高は50とすぐに感覚的に返答できるでしょうか?(固定費10÷限界利益率20%=50)損益分岐点とは生き残る為の必達売上高です。現状を見て固定費の削減目標又は投資余力、限界利益率(付加価値)の改善目標、売上・利益目標等が幹部間で理解できていることが重要です(管理会計)。いい会社は数字に強いといえます。



             平成22年1月 NO.95

          「微差力」
     斉藤一人 著 (サンマーク出版 09年11月)
 
                   
読書は、宝の山への旅と実感します。おなじみ斉藤一人さん(事業所得納税日本一)の新刊です。「この世は、すべて『微差』が大差を生むのです」インパクトのあるタイトルについ手が出ます。「すべての成功とは、期待以上。期待どおりは普通。期待以下は消えていく。期待以上ではじめてプロなのです。・・期待以上がおもしろい!」その為に期待以上の大変な努力が求められるかと言いますとそうではないようです。「期待以上のものを出すと決意した人間には天が味方します。そして、みんなが感動して喜んでくれたときの笑顔を見たとき、心の底から喜び」がこみ上がり、楽しくて仕方がない環境が生まれます。その為の大切なコツが「微差の力」です。「プロは微差を馬鹿にしない人のこと」であり「執着度によって結果が違ってくる」。商店でも流行っているお店を見て学べば違いがわかりその小さな変化を重ねることで繁盛が生まれ「商売ほど面白いものはない」となり、お客さんが来ないと言っている店ほど学んでいない。「これも微差なのです。要は、ものの考え方です。」うまく行っている会社、繁盛している店は常に細かい努力・微差を追及しています。また、商売繁盛のすごいコツも大変わかりやすく紹介されています。「商売は、広げようとしてはいけません。今来てくれているお客さんが楽しくてしょうがないと思うことをするのです。今来てくれている人が楽しむことをいつも考え実行すれば、お客さんは絶対に増えます。今、自分の目の前にいる人を喜ばせてください。目を離しちゃあだめです。そこで微差・微差・微差を積み重ねていけば、そこから絶対ものが動き出します。わかりますか?」すばらしい成果を上げ、人生を楽しまれている一人さんらしい一冊です。

             着眼・着手
日経(1/6)一面広告に目がいきました。人気の生キャラメル花畑牧場です。発売三周年で販売総数三千万個。紙面には経営理念が明示されています。「みんなを幸せにする会社」「@食べる人を幸せにするA創る人を幸せにするB地域の人を幸せにする」いい会社には、共通してすばらしい「経営理念」があり、社長は常にそれを社員に伝え、社員と一緒になって唱和し大切にしています。

                       平成21年12月 NO.94

 「頂はどこにある?」
  スペンサー・ジョンソン 著 (扶桑社 09年9月)
               
   

読書は、宝の山への旅と実感します。「一分間マネージャー」「チーズはどこへ消えた?」と連続して世界で2400万部スペンサー・ジョンソンの新刊です。「知識で最も重要なことは、得た知識を活かすことである(孔子)」の書き出しで始まります。一時間ほどで読みきれる内容ですが大変深く人生観をとらえているように感じます。人生を山と谷に例えその道をたどりながら生き方のちょっとしたコツに気づかせてくれる「順境と逆境に対する、山と谷の対処法」です。「山と谷はただ順境と逆境のことを言うのではない。外部の出来事を心の中でどう感じどう対応するかということでもある」「山とは、自分が持っているものに感謝するとき。谷とは、失ったものを求めるとき」「外部の出来事は必ずしも思いどおりにはならない。しかし、心の中の山と谷は考え方と行動しだいで思いどおりになる」山も谷も環境が原因であるように感じながらも実は、心の中で作り上げていたものであることに気づかされます。紹介されている事例の中でもやはり基本の大切さが強調されています。「基本に立ち返り、もっとも大事なことに専念すれば、事態を好転させることができ、順境を作り出します。しかし、気づかないうちに基本を忘れないがしろにすると、逆境になる」ではどうすればよいのか。人生を豊かに過ごすためには、谷の時にいかに早く脱出するか、そして山の状態を出来るだけ長く持続することが出来るかということにあるようです。「順境に感謝し賢明に対処すれば逆境はほとんど経験しなくてすむ」そのような人生でありたいものです。ものがたり形式で自然と引き込まれる一冊です。

           着眼・着手
上場企業の創業者が今を生き残る為に大切なことをわかりやすく紹介しています。@時代の変化に注目するA人生観を持つ。この二つが大切との事。アメリカもヨーロッパも中国も激動しています。変化を読み自社の向う方向を明確に持ち、偉人伝等を学び可能性に挑戦すれば今はチャンスです。



          平成21年11月 NO.93
新装版 
「青年の思索のために」
    下村湖人 著 (PHP 09年9月)


読書は、宝の山への旅と実感します。イエローハットを創業された鍵山相談役の座右の書で「この本の中に登場する一人ひとりが、目の前に現われて直接に語りかけてくるようであり、時にはその人たちと対話をしているかのように思えてしまいます。ともすれば乾きがちになる心をうるおしてくれる恵みの雨と言えましょう」と紹介されています。著者は、昭和初期の青少年に多大な影響を与えた大教育者。人として生きていくために必要な仕事・人生・生命に真の輝きを出すための知恵・真理・人間愛を大変わかりやすく語られています。「より多くの偶然をとらえるためには、より多くの用意と努力を積まなければなりません。・・偶然を偶然のままに放置しないで、片っぱしから必然に変えていく」思いで人生を真剣に生きることが大切であり、「ニュートンが林檎を見て万有引力を発見したのも必然」となります。また、「創意工夫を必要とする社会であればあるほどそしてその創意工夫が適切であればあるほど、それがかえって受け入れられない場合がある。・・大多数の社会人は習慣に流され安易な生活をすることを好む。これが創意工夫の受け入れられないもっとも大きな原因だ。」それが理解できれば不満を感ずることもなく協調を大切にし一歩ゆずる心にゆとりが生まれるようになります。そして幸せな人生の極意について「それはやはり苦労をすることである。・・泣きたくもあろうし、わめきたくもあろう。しかし、それをじっとこらえて、練って、練って、練り通すところに、嬉しくてたまらぬ境地が、からりと開けてくるであろう」と考えれば人生の見方も変わります。読み進めるうちにその言葉の一つ一つが人生を生きて行くうえで大切なこととして心に入ります。何度も読み返したい一冊です。
          着眼・着手
NASAで開発されたサバイバルゲームの中に砂漠やジャングルで遭難したとき生存率を上げる答えが明確に出されています。複数の生存者がいる場合必要なことは「話し合うこと」です。会社の中でも同じことが言えます。社長を中心に幹部社員が会社のビジョン・方針・計画について徹底的に話し合うことが会社存続の鍵となります。そして、いい会社はそれを実践されています。
☆「ありがとう」を沢山言える人が幸せになり、「ありがとう」を沢山もらえる人が成功者になる☆



                平成21年10月 NO.92
 
「戦う組織」の作り方
  リーダーの覚悟が、人と会社をここまで強くする

  渡邊 美樹 著 (PHPビジネス新書 09年7月)

読書は、宝の山への旅と実感します。1959年生まれ、25歳の時に居酒屋チェーン「つぼ八」からスタートし現在、従業員4千人売上1100億円を超える好業績の東証一部上場企業社長として、強い組織の作り方を熱く語っています。渡邊美樹氏のパワーの源は「夢を常に持ち続ける」「日記をつける」こと。日々反省する中で明日への挑戦を続けられています。また、会社とは理念集団であり「地球上で一番たくさんの『ありがとう』を集めるグループになろう」という理念に共鳴した人材のみで組織を作ろうとし「社員の志を一つにまとめ上げるビジョンやミッションが示されていない会社は社員がてんでバラバラの意見や考えで働くことになる。同じ志を持った人間同士が集まった場合自浄作用が働く」「ワタミでは甘さを持つスタッフは組織の中にいられない雰囲気がある」と厳しさの中にもやる気に溢れる職場を作り上げることの大切さを強調されます。人材育成については「戦う組織のリーダー育成の最大のポイントは追い込むこと」であり「キャパシティーを超える課題を与えることによって育てていくことが大切」と多くの体験を通してそのコツを紹介されています。また、どこまでも自分に妥協せず挑戦を続ける為の基本として「自分の器を大きくする思考の三原則@長い目で見るA全面的・多面的に見るB根本的に考える」を常に意識し、100年続く会社を作るために「@未来を見据えた新しい事業を生み出すA企業にとって最も重要な企業理念を社員に徹底させること」を自分への課題と上げられています。経営者としての原点を実感!!

               
着眼・着手
戦略的に、中期的に、計画的に経営するためにコミュニケーションの重要性を日々実感します。業務連絡も大切ですが将来への思いの共有が更に大切であり、経営理念・ビジョン・方針を共有し環境の変化に合わせ、意識・習慣・行動の変革に挑戦するための仕組みづくりが重要な時と実感します。
☆ 「ありがとう」をたくさん言える人が幸せになり、「ありがとう」をたくさんもらえる人が成功者になる☆






             平成21年9月 NO.91
 
 「ニンジンの奇跡」
   
畑で学んだ病気にならない生き方

     赤峰勝人 著 (講談社α新書 09年6月)

読書は、宝の山への旅と実感します。1943年大分県に生まれ、各地で自然の食べ物を通じて、循環の大切さを訴え続けている。「“できた!”と思わず叫んだ。無農薬農法に取組み12年その長い年月が走馬灯のように頭をめぐり、畑に座り込み涙がとめどなくわき出て感動をかみしめた」百姓道50年、無農薬・無化学肥料の栽培を研究し続け完成した瞬間の感動が伝わり、農業の話しから人生観を学ぶことができます。「私たちは自然から全てを頂いています。自然の循環の大きな輪の中で生かされています。そのことを知れば知るほど、謙虚にならざるを得ません。人はこのことに気づいて謙虚に日々を送れることが幸せではないでしょうか」自然の法則・宇宙の法則は一貫しておりそのリズムを知り合わせていくことが大切なようです。「循環農法とは自然のおきてに従う農法のことです。循環農法は人間の人智が及ばない自然の真理や法則にしたがって作物が育つ手伝いをする農法です。循環農法の主体は自然や作物で人間ではない。作物は、光や水のミネラルを使って、自身で光合成を行い成長しながら太陽の光をデンプンと言う栄養に変えてくれます。私たちにはできませんが、植物はそれができる奇跡の生命です。私たちは植物によって、命を与えられている生き物です」その視点から見ると「人間の傲慢さと無力さを味わうとともに循環の中で生きる自分を含めた命の大切さがくっきりと見えてくる」とともに感謝の気持ちの大切さを感じる一冊です。
            着眼・着手
社長は真剣に将来のことを考え悩んでいます。しかしそれ以上に社員もこの会社で家族を守り人生を生きていけるか真剣に考えているといえます。会社の存続・成長・発展の為にも、社長と幹部社員で会社のビジョンを明確にし、戦略的に中期的に計画的に会社の仕組を強化することが最重要の課題であり、そこに社長の分身も育ち業績も伸びると言えるのではないでしょうか。経営の原則に焦点を当てて経営革新に取り組もうとチャレンジを始めている会社が大変強く感じられます。
☆ 「ありがとう」を沢山言える人が幸せになり、「ありがとう」を沢山もらえる人が成功者になる☆



                      平成21年8月 NO.90
          
「榊原式
   
シンプル思考力」

    
榊原 英資 著 (幻冬舎 09年7月)


読書は、宝の山への旅と実感します。「原点回帰で不況を乗り切る。基本ができる人が一番強い」テレビ等でも著名な早大教授、榊原英資氏の新刊です。今回の不況は循環的なものではなく構造的なものであり、「二十世紀型アメリカ資本主義の終焉」つまりローンを組んで物を買う消費バブル「“もの”の時代」の終わりであることを認識しなければいけません。そのような環境の変化の中でどのように対応すればよいかテーマを分けて具体的に示されています。ビジネスでとらえますとまず「社員が辞めない会社をつくる」事です。これまでの利益主導型が破綻し再度「会社は従業員とその家族のためにあるという考え方は間違いなく企業において復活し、それを実践するところが伸びていく時代になっていくはずです」と事例を示し強調しています。そのためにも「どれだけ優秀なプロフェッショナルを育てることができるか、これからは、これが会社の価値を図る目安になっていく。社員教育の見直しは、会社の原点の一つであり、シンプルな経営の要」となります。成熟した社会へ脱皮する中で「原点回帰、シンプルな生き方への回帰」が急速に訪れようとしています。自社の経営戦略を本気で再構築する時ではないでしょうか!

               着眼・着手
先日、工学博士で200万部「ツキを呼ぶ魔法の言葉」ロングセラーの著者、五日市剛氏の講演会に出席。中ノ島公会堂満員6〜7割女性でした。「ありがとう」と言う人に幸せが、「ありがとう」と言われる人に成功が訪れる。未来のすばらしい幸せな姿をはっきりと心に描き声に出して「・・なりました。感謝します」と言うと実現する。「ありがとう」の言葉は我欲を消す力があり、病は感謝に弱いとの事です。「病気になって健康のありがたさに気づきました。ありがとう」と声に出して言うと完治するそうです。そして、笑顔で明るく「♪〜ピンチ・ピンチ・チャンス・チャンス・ランランラン〜♪」ありがとうございます。




                  平成21年7月 NO.89
 
     「100%幸せな
   1%の人々」


  小林正観 著(中経出版 08年6月第12版 )


読書は、宝の山への旅と実感します。心理学博士、教育学博士、社会学博士で年間講演300回おなじみ小林正観さんの本です。世の中が激動と混乱する中、ふと手にしたくなる一冊です。世の中は思い通りになるようです。「幸せを願うと、病気や災難やトラブルに出会い、当たり前の生活がどれだけ幸せかを教えてくれる」「いつでも幸せを認識できる人が1%存在します。それは、全てを受け入れることをしている人です」「今この瞬間に自分に起きたことは全て自分が成長するために必要だと受入さえすれば幸せは手に入るものなのです」ページを進めながらも自然と引き込まれていきます。「『人に迷惑をかけたくない』と意気込むより『迷惑をかけながらでしか生きられない』と思いまわりの全てに感謝する」生き方が大切なようです。宇宙の構造は「幸せと不幸はワンセットになっていて『おいしい』という幸せを味わう為には、どうやら「空腹」という不幸を味あわねばならない」となっているようです。上手な生き方とは次の3つの行為を続けることだそうです。「掃除・笑い・感謝」そして「人間の生きる目的とは、頑張ることや努力すること、何かを成し遂げること、長く生きることが目的でもありません。「生きている間にどう喜ばれるか」だけというのが、正観さんの結論です。世の中の役に立つためにどのように自分の人生(使命・役割)を生きればよいのか、原点に返り見つめなおす、心地よい一冊です。感謝!!

             着眼・着手
いい会社には、3つの共通点があるようです。@そうじを非常に大切な業務と考え日々実践することで、「高品質」を実現しています。これは、掃除をとおして心の眼を磨くことで問題点が見えていると言えます。A全員が知恵を出し合い改善運動でムダを排除し「高効率」が実現しています。B結果として「高収益」という経営体質が実現し、大変明るく楽しい組織が生まれています。プロセス・意識習慣の変革で大きな価値が実現できています。改めて、いい会社は「高品質・高効率・高収益で皆が楽しい会社」と言えます。思いを持てば誰でもできそうに感じます。凡事徹底の力を実感!



                       平成21年6月 NO.88
   
 「早起き力」
         
     吉寿屋(よしや)会長
     神吉武司 著 (PHP 平成21年3月 )

読書は、宝の山への旅と実感します。おなじみ「お菓子のデパートよしや」の神吉会長が大変わかりやすく具体的な事例を上げて業界NO1の高収益を上げる商売哲学とノウハウを紹介されています。「朝早く起きて会社へ出ていく。社員を大事にする。経費を極限まで節約する。トイレ掃除など会社の中をきれいにする。」という大変基本的なことばかりです。「月次決算で赤字になると出勤を三十分早め、それでも黒字にならない場合さらに三十分早く会社に出るようにしました。すると、業績は必ず回復したものです」と早起きの価値を強調されます。また、整理整頓も徹底され「机の引出しに入れる鉛筆とボールペンは一本のみ」そしてトイレも徹底して自らが磨かれます。また「挨拶と笑顔コンテスト」や「提案制度」を実施し驚くほど多くの報奨制度で社員の待遇も向上させ、「社員が幸せになってくれたら会社はおのずと良くなります」と社員を大切にする「いい会社」を目指されています。「トップが早起きの会社・トップが倹約する会社・トイレがきれいな会社・社員を大切にする会社に不況なし」を信条に行動し素晴らしい実績でそれを証明し、「節税はする必要はないと考えています。節約すべきは税金ではなくて経費で、節約に徹して利益を出し、三分の一を社員に還元し、三分の一を内部留保に、そして三分の一を税金として納める」社員が幸せになり会社も伸びる最も簡単な方法がここにあるように感じました。小さな基本を徹底する力の素晴らしさに納得!!
                着眼・着手
先日、「日本一の知恵工場」として注目のタニサケ様を訪問させて頂きました。前年比増収・増益。提案件数343件(4月)毎年4〜5千件の改善提案を15年以上続け、高収益を上げられています。社長、幹部社員は六時には出社し徹底した掃除をします。製造現場で改善成果の紹介を受け、腰を抜かすほどの事ばかりで、二宮尊徳の「積小為大」の実践証明ここにありでした。全て高品質・高生産性・高収益を生み出す原動力とその素晴らしさに継続の力・凡事徹底の力を実感しました。



                       
平成21年5月 NO.87
    
「人生の作法」
         
      
 鍵山秀三郎 著 (PHP 平成21年3月 )


読書は、宝の山への旅と実感する。日々充実した人生を送るための心得を大変わかりやすく八章にまとめられています。「自分の贅沢のために浪費しない」「感動する人は疲れない」「賞味期限の短い商品から買う」著者の座右の銘の一つでもある「真の幸せは、自由(勝手気まま)の中にあるのではない。義務を甘受する中に存在する」(サン・テグジュペリ『夜間飛行』序文)という言葉を通して素晴らしい人生観が心に響きます。特に印象に残りましたのは第三章「時間の作法」です。ものを探す時間に関する調査結果から「年間労働時間の約50%が無駄に使われ、そのほとんどが、物探しに費やされている」(日本能率協会)「ビジネスマンが会社でもの探しをする時間は、年間で約六週間に及ぶ」(ウォールストリートジャーナル)という恐るべき実態が紹介され、貴重な時間を有効に活かすための具体的な実践法が紹介されています。「必要なものだけを必要なとき使えるようにする」そして、心を鬼にして思い切って捨てるコツは「@平素、使っているかA必要以上に持っていないかB必要なとき、借りてすませないか」もったいないと思い溜めておくほうがよほど「もったいない」と言うことに気づくことが大切との事です。「置き場所を決め、表示を明確にすることによってもの探しに時間を費やさなくてすむ」これが時間活用法の基本と言えます。整理・整頓・清掃の実践が大きな時間節約になり成果を上げている人の習慣とも言え、まさに凡事徹底の実践の価値を改めて実感します。

              
着眼・着手
経営環境が大きく早く変化する中でどのようにしてこの危機(チャンス)を乗り越えてゆけばよいか。素晴らしい経営者が共通して実践されていることは、「早起き(早く出社する)」です。多くの困難を乗り越えた経験の中から8時出社ですと7時に、7時出社では6時に、そして掃除や一日の準備段取りに力を入れて取り組まれる中で世の中の動きや自社の向う方向が見えてくると言えます。




               
平成21年4月 NO.86    「不況に克つ12の知恵」
         
 松下幸之助 著 (PHP 平成21年3月 500円)


読書は、宝の山への旅と実感する。『緊急出版!』が目を引きます。百年に一度の不況といわれる未曾有の危機が世界を襲う中で、今、改めて注目されている人がこれまで何度も絶体絶命と思える危機や困難を乗り越え、そのたびに会社を大きく飛躍させ成長させてきた「経営の神様」と呼ばれる松下幸之助です。そのエッセンスが「12の知恵」として大変わかりやすくまとめられています。「この困るときに、改善すべきものはみな改善してしまう。それで立派な健全体にする。今はその絶好のチャンスやと私は思うんです。」「不景気と申しますか変調期というときは躍進の機会が与えられるときやないかと思います。不況時こそ人材育成の好機」になるわけです。厳しい現状を良くなる通過点と考えチャンスと受け止めています。また「商売は成功するものです。成功してはじめて、本当の商売をしたことになるのです。時代が悪いのでもない、経済状況が悪いのでも、得意先が悪いのでもない。すべて経営が悪い。経営者が当を得ていないと考えるべきです」「不景気とか不況とかは本質的にはありえないんです。好況はあっても不況はないというのが私の信念です。皆さんに私がお願いしたいのは、心で不況を作つくってはいかんということです」原因はすべてわれにあり、と言う思いに徹してこそ、失敗の経験も生かされ、成功への道が開けてくるのではないでしょうか。改めて原点の大切さを実感し、いかなる危機・困難に出遭っても「不況であろうと成功に至る道はいくらでもある」という曲げることのない松下幸之助氏の信念が心に響きます。実感!

              
着眼・着手
四月一日大手企業の入社式でのトップの訓示。「この嵐を生き抜き、強固で身軽な体質に変革しなければならない」(ソニー会長)「ものづくりの原点に戻り、低価格で良質な商品をタイムリーに提供する」(トヨタ社長)「現状維持は破滅、との問題意識で挑戦と創造に努力することが本質」(三井物産社長)可能性の限界に挑戦するとき新しい光明が見えてくるのであれば今は「チャンス!」と言えるのではないでしょうか





                 
平成21年3月 NO.85
     「稲盛和夫
     
『成功』と『失敗』の法則」
         
     
稲盛和夫 著 (致知出版 平成20年9月)


読書は、宝の山への旅と実感する。「仕事にも人生にも法則がある。その法則にのっとった人間は成功し、外れた人間は失敗する」京セラ名誉会長、稲盛和夫氏の人生観をまとめた一冊で、ぐっと引き込まれます。「人生における真の成功とは、この世に生まれたときより少しでも美しく善い人間となれるよう、その魂を高め、浄め磨き上げていく」ことにあり、まずは自分自身が今あることを感謝し「謙虚でありたい」と常に願い、更に「ひたむきに努力を重ねるよう努めていかなければならない」とあります。そして、「一人ひとりが世のため人のために尽くそう」と思い「一所懸命に働くことが、人生を素晴らしいものに導いてくれるのです。働くことは、まさに人生の試練や逆境さえも克服することができる『万病に効く薬』のようなものです。誰にも負けない努力を重ね、夢中になって働くことで、運命も大きく開けていくのです」また「一所懸命必死に生きている人が、何か困難に直面して、悩みに悩み、苦しみもがき抜いているとき、一筋の光明が差すように、天は必ず障害を克服するヒントを指し示してくれる」はずであると体験を通して熱く語られています。そして、成功の方程式とは「あなたを中心に社員全員が誰よりも一所懸命働くようになれば、必ず成功できるのです」「厳しい状況にあっても、それを正面から受け止め、誠を尽くし、誰にも負けない努力を続けることが、成功の為には必要」と七十有余年の人生を懸命に生きていく中で得た著者の熱い思いが強く感じられます。まさに「成功の法則」と実感します。
             
着眼・着手
人によって成果に差が出る原因には、二つあります。(能力に差がない事は医学で照明されています)まず一つ目は、手順が標準化されておらず、仕組みがないことです。それでは教育もできず、当然自分勝手にばらばらになります。もう一つは、ルールや手順を守らないことです。これは、人間のわがまま・頑固・横着さです。ルールを明確にし、徹底した教育が組織に浸透すれば大きな成果となります。一見、簡単なことのように感じられますが、これが難しく、リーダーに熱い思いが求められます。



               平成21年2月 NO.84
 
『人生すべて当たりくじ!』
 
〜どんな逆境にも負けない生き方・考え方〜

     塙 昭彦 著 (PHP 平成20年12月)


読書は、宝の山への旅と実感する。地獄を見た少年時代、厳しい試練の連続の中でゼロから中国イトーヨーカ堂を立ち上げた塙社長の涙と笑いの人生物語です。読み進める中でいたるところに格言のような言葉が紹介され心に入ってきます。「病は気から、景気は気から、人生もすべて気からなのです。『気』があるから行動が変わるのです。リーダーに『熱気・活気・やる気・本気・根気』があればすべて成就します」「逆境は、天が私に与えてくれた試練なのだ、これを打ち破ることによって明日の展望が開かれてくるのだと思い続ける必要があるのです。当りと思うか外れと思うかは運命を分けるくらい大事なことなのです」と愚直にひたすら精一杯楽しく挑戦されています。しかし、根性論だけではなく経営は非常に戦略的でありかつ中期的に計画的に行動されています。「大局的視点に立って方向性を確認し目標を明確にすること」「今年の自分自身を否定し、問題点を明確にし、考え方を変えないかぎり売場も変わらないのです」「脱皮できない蛇は死ぬ」「リーダーは常に最悪を想定しなければならない。何とかなるは、なんともならないのです」そして「勝利者になるためには、日々コツコツと『小さな勝利を繰り返す』こと」と実践をとおして強調しています。「商いとはお客様に近づく努力をし続けること」という熱い思いを胸に実践する姿に中国の社員の方もすばらしい人材となり大きな成長を実現されました。その成功の原点は「人生、すべて当りくじ」の発想との事です。
              
着眼・着手
先日、温泉めぐりのテレビで大変繁盛している旅館の女将さんがインタビューに答えている内容になるほどと納得しました。年末年始の繁忙期の様子を見て「大変忙しそうですね」という質問に対して「本当に忙しいのは、お客様の少ない閑散期の時です」一瞬、疑問を感じ、すぐになるほどと思いました。女将さんは「大事なことが出来るのはそのときなのです」内装を変えたり、メニューを研究したり、常連のお客様へのご挨拶や新規開拓に動き、人材育成にと将来の大切な種まきのために本当に忙しいのだそうです。



          平成21年1月 NO.83
 『2009年資本主義大崩壊!

 
 〜いよいよ断末魔の最終章が始まった〜

 船井幸雄著(ダイヤモンド社平成21年1月)


読書は、宝の山への旅と実感する。「あの世界恐慌をはるかに上回る困難が訪れる!
比較にならないスピードで経済クラッシュの波は伝播します。いま、日経平均5000円などと言うと突飛な感じがするかもしれませんが、これからは逆にそれが当然だと思わされるような事態が続くことになるでしょう」著名な経営コンサルタント船井幸雄氏の新刊です。この一年間死を覚悟するほどの大病を克服されて改めて見えてきた真実をまとめられた少し刺激的な一冊です。誰もが知る日本のメガバンクU銀行がいつ破綻してもおかしくない事実、「爆弾のようなとんでもない金融商品が次々に爆発して価値がゼロになる」事実、「政治家は『百年に一度の危機』と言うがその深刻さを全く理解していない」事実が論理的に客観的なデータで紹介されているだけにぞっとします。しかし、不安をあおるだけで終わらないのがさすがです。「天の理(自然の摂理)にかなった生き方こそ、いまの問題を解決する方法」で、天の理とは「単純・効率化・公平・自由・自己責任・公開・万能」を言います。そして、「自分自身の今生の使命を自覚しはじめてから症状が軽くなった」つまり、謙虚に素直に感謝の気持ちを感じたとき病は回復に向ったとの事です。病をとおして命の大切さを発見することが出来ればその病自体がすばらしい出会いとなります。まさに、これから起こる経済の大崩壊もその出会いと受け止めることが重要となります。「天の理を知って正しく実践し、更にいま地球上で生きていることを喜び、正しく貢献して楽しく生きれば、どんな危機も人類は乗り越えられるし、必ずや本当の意味で幸せが溢れる時代を迎えられる」原点の重要性を実感。
           着眼・着手
「努力する人は多いが成果を上げる人は少ない」原田隆史氏の言葉が印象的です。真面目な人にそういう傾向があり、真面目な人は努力すること苦労することが目的になってしまっている。しかし、成果を上げる人は「目標」を決めて努力を始める。そして、成果を上げる人はもう一つ「日記」を書く。同じ努力で天地の差。成果実現の必勝法です。



                     
平成20年12月 NO.82

      
 『社長の手帳!』
             

      佐藤 満 著 (グラフ社 平成20年7月)

読書は、宝の山への旅と実感する。ホンダカーズタイランド社長としてホンダの乗用車市場シェアーを10倍にし、その後フォルクスワーゲンジャパン・日本ゼネラルモーターズ社長を歴任する。その多くの体験の中で苦しいとき人生の岐路に立ったとき成功のヒントを与えてくれた言葉を書きとめたもので、「門外不出の社長の手帳」の表題とおりです。『自分の行きたい高さを決めればそこがあなたの行くべきところである』こうなりたい、こうありたいという方向を決めることが人生の第一歩であることを強く心に留められています。また、『商人道は礼に始まり、礼に終わる。商売はおじぎに始まり、おじぎに終わる』商人は謙虚さを忘れてはいけない。感謝の気持ちを礼にこめるのが商いであり、日ごろから感謝の気持ちを持ち「ありがとう」と言う言葉を努めてまめに言うように意識しなければいけない。そして、『人生の勝利者になりたいと思うなら筆まめになることである』IT時代でも手書きのハガキをもらうとうれしいものです。名刺交換して2〜3日うちにハガキや手紙を頂くととてもよい印象が残ります。小さな実践が大きな力となります。佐藤氏は「多くの先輩から学んだことは、物事がうまく行かないのは自分にすべての原因があると言うこと」と気づかれ、それ以来ずっと手帳を書き続け、「元気がほしいとき、迷ったとき」この手帳を読み返されたそうです。各ページに人生の生きるヒントがあるように実感します。改めて基本の大切さを実感します
            
着眼・着手
人間の意識を高めることで感動のサービスが生まれます。掃除運動も読書や親孝行運動も謙虚さや素直さという自分を磨くことに意味があります。「感動のシャワー運動」も注目です。辛く苦しく悲しい逆境の中を乗り越えてこられたすばらしいお話を数多く目にし、耳にします。そういう情報を社内で輪読し感動を共有しようとするものです。涙するほどに感受性が高まります。すばらしい教育と実感します。



                       
平成20年11月 NO.81 
   『日本でいちばん 
    大切にしたい会社!』

        法政大学教授
         坂本光司 著 (あさ出版 平成20年4月)

読書は、宝の山への旅と実感する。真に正しい経営を実践し、長きにわたって継続し成長している「いい」会社の共通点をわかりやすく紹介しています。その一番の原動力は「不況を克服できる唯一の経営資源は人財」であり、景気は与えられるものではなく作るものと考え「お客様がのどから手が出るほど欲しい商品を創り、提案すればよい」「お客様が感動するような商品を創り続け、提案すればいい。この活動はどんな業種にもどんな企業にも当てはまります」その思いを徹底して組織に浸透させれば、社員の意識が変わり「20年も30年も連続で増収増益を続ける会社」となります。それらの会社では、「そのすべてが、物ではなく心を大切にしている会社」であり「心にしみる、心に響く会社」であることに気づきます。人がやらないもの、人が出来ないことを30年かけて準備と努力を続けオンリーワンの会社となってきています。斜陽といわれる寒天業界でゆっくり着実に成長を続ける「伊那食品工業」弱者の役に立つ価値ある商品を創り続ける「中村ブレイス」成熟産業といわれる菓子業界で顧客の圧倒的な指示を受け好業績持続の「柳月」ひなびた地方商店街で高級メロンを年間8千個販売する「杉山フルーツ」共通して、経営者が社会に求められるいい会社を創ろうと真剣に思い努力し行動していることが強烈に感じられます。改めて原点を感じるすばらしい経営の基本書と実感!
          着眼・着手
先日(10/22)東京ビッグサイトで第22回東京ビジネスサミットが盛大に開催され参加。約900のブースにはこの時代を勝ち抜こうとする中小企業のパワーが充満。基調講演は竹村健一氏。昨年は、日本経済打つ手ナシ、出口ナシと表現されていましたが、今年は「60年〜70年前の戦争や食糧難で今日の命さえわからない時代の事を思い出せば明らかに時代は進化発展している。」不平・不満は尽きないが、その時代から比べ「感謝」の気持ち「ありがとう」の気持ちで生きることが成功のコツ。なるほどと実感!

                         平成20年10月 NO.80
    『涙の数だけ
     大きくなれる!』

   
 〜明日を生きる「自分へのメッセージ」〜
木下晴弘 著 (フォレスト出版 平成20年9月)

読書は、宝の山への旅と実感する。元カリスマ塾講師が生徒たちに伝えてきた大切な事とは・・。「もう、何も言わなくても勉強し、みな第一志望校へ合格していきました」そこに必要なこととは、知識より「幸せとは」「あきらめないこと、努力の本当の意味」「感謝する気持ち」など人生で大切な事をいろいろな角度で伝え続けたことにあります。その感動する10のストーリーが紹介されています。ある上場企業の創業者の話を思い出します。「社員に知識や技術の教育は必要ない。教育すべきは、経営理念と人生観であり、本気で人生を生きようと感じれば、知識・技術は自ら吸収するものである」という話を思い出します。あるレジ打ちの女性の話が紹介されています。何をしても挫折しその原因を「上司のせいだ・・」「仕事が面白くないから・・」と他に責任を求めます。そして、ある日彼女は「気づいた」のです。「人が自ら行動する時というのは、心を揺さぶられ、ものごとの本質に気づいた瞬間」であり、その心の変化が環境を変えるといえます。「一つのことを一所懸命頑張って、本気でそれに取り組んでいれば、同じく一所懸命頑張っている人たちが集まってくる」それが「場」の原理となります。そのための「努力」とは「とにかくがむしゃらにがんばる」だけではなく「やって当たり前のことを、当り前と思えないほどの情熱を傾けて行う、それを努力と言う」「当たり前の事をやり続ける。そうした努力が、いつか大きな花を咲かせる」「ものごとの本質が見えた時、人は一瞬で変わる」その感動のストーリーに涙してはいかがでしょうか。
          着眼・着手
先日、経営計画発表会に同席。社長が「経営理念」を改めて熱く紹介し、会社の方針・目標を具体的に説明します。幹部社員も自分の目標や計画そして役割を発表します。会社の向かいう方向を明確にし、全社員が共有します。当り前の事ですが毎年何繰り返し、そして毎月徹底して進捗管理を行います。当り前の事ですがその実践は効果大です。



                       平成20年9月 NO.79
  『経営問答塾』
        一流への道
            
          鍵山秀三郎 著 
          (致知出版社 平成20年7月)
        
読書は、宝の山への旅と実感する。トイレ掃除で有名なイエローハット創業者鍵山相談役の経営問答集です。大変読みやすく実践をとおしたひと言が心に響きます。会社を永続させる心得は?「私は、経営者として人から感心されるようなことをやっていては駄目で、感動されるようなことをしなければいけない。・・割に合わないことを次から次へと笑顔で進んで引き受けてやり遂げればいいのです。絶えずこれをやり続けたとき、人ははじめて感動する。・・割に合わないこととは、将来よいことが起こる為の種蒔きなのです。必ずそれが将来よいことになって現われてきます。それが私の実感です。」夢や希望を持てるようになるには?「実は簡単な方法があります。それは、人に物を頼まれやすい人間になっていくこと。そして頼まれたら期待以上にして返すこと」でその繰り返しの中で「自然に自分のするべき役割というものが見えてきます。この役割が見えはじめると、そこから自分の夢や希望というものが生まれてくるのです」障害が現れたら?「目標に向って歩き始めると必ず障壁というものが立ちはだかってきます。・・これはもう間違いなく生まれてくるものなのです。・・そういう時は、理想や目標を当初よりもさらに大きくして、壁の向こうが見えるくらいにしてしまえばいいのです」創業の精神として「いい会社にしたい。いつも善いことを考える社員の集団でありたい」そして「私の願う社風とは、社員のみんなが心を使える人であって欲しいということ。これが私の究極の願いです」実践から生み出される後姿に、基本の大切さを実感します。
          着眼・着手
実践人夏季研修会(8/23-24)に参加し、改善提案日本一潟^ニサケの松岡会長の分科会に出席。テーマは、「いきいき職場」。まず、本気でかかわる<叱る・ほめる>「人間は、本気の姿に頭を下げる」そして、経営改革とは「トップが朝7時までに出社する」「掃除とは、質を上げる工夫の繰り返し」まとめとして@元気なあいさつ「ハイ」の返事と「ありがとう」A朝型人間B自ら行動し、譲り与える。やはり、基本の実践と実感!




             平成20年8月  NO.78
  
 『カリスマ教師の
         心づくり塾』

      
原田 隆史 著 (日経新聞 2008・7)
             <日経プレミアシリース>


読書は、宝の山への旅と実感する。多くの問題を抱えた学校に赴任し、捨て身の教育を実践。松虫中学校在職7年間で13回の陸上競技日本一を実現したカリスマ教師、原田隆史氏の教育・実践・指導ノウハウが具体的に大変わかりやすくまとめられています。まさに人材育成をテーマとする企業経営のビジネス書ともいえます。「まず、何が必要か。それは、理念です。理念・思い・志―すべてはここから始まります」そして、次に求められるのが「心づくり」です。心のコップを上に向け、自分の人生を切り開く力をつけていきます。原田先生のおなじみの言葉「仕事と思うな人生と思え!日々の実践あるのみ!」です。具体的には、三種の神器と呼ばれるものに集中します。「長期目標設定用紙・ルーティンチェック表・日誌」です。「長期目標設定用紙を何度も何度も書き改めていく中で、精度が上がってきます。精度が上がるということは、目標に近づいていることなのです」企業経営での中期経営計画の考え方と全く同じです。この三種の神器を書き込んでいけば「必ず自分を前向きに変えられます。但し、それぞれの精度を上げていくには、大きな努力が必要です。」その実践の応援をするのが教師(上司)の最も重要な役割といえます。本気・必死の挑戦とは「泥臭いことを毎日毎日繰り返す。毎日毎日続ける。これが難しい」その実践の為のコツとして@挨拶A時間厳守Bすさみ除去(掃除)のクセ付けが重要となるようです。基本を徹底することの価値を再度実感!
             着眼・着手
最大の固定費である「人件費」は、人にではなく人の使う「時間」に対して支払われます。しかし、その時間に対する教育・管理はほとんどされていません。例えば、30分で仕上がる仕事でも、工夫努力すれば24〜25分で仕上がります。逆に少し気を抜けば35〜36分になります。30分の10%は3分です。6分では20%です。するとその差は、上下40%。これが収益力の大きな差となります。意識・習慣が重要な要素と言えます。




                       平成20年7月  NO.77
   人生は勉強より
  
 『世渡り力』だ!
 =腕(スキル)を生かす人づきあいの極意=
               〔青春新書〕
    岡野 雅行 著 (青春出版 2008・6)


読書は、宝の山への旅と実感する。「痛くない注射針」で有名な江戸っ子職人、岡野雅行氏が熱く語りかけてくれます。「どんなにいい腕を持っていても、それだけじゃダメ。『世渡り力』がなきゃ、仕事も人生もゼッタイうまくいかないよ」そして「世渡り力ってのは、人間の機微を知り、義理人情をわきまえ、人さまにかわいがられて、引き上げてもらいながら、自分を最大限に活かしていく『総合力』なんだよ」岡野氏は、ただの腕の良い職人ではない。自分の技術を安売りすることなく、世の中に認められる商品に仕上げ、販売する最高の営業マンでもあります。「絶対、ツイている人とつきあえよ」ツキとは偶然生まれるものではなくそれなりの理由がある「ついている人間とつきあうって事は、その人の生きざまを見ることだし、そこから何かを学ぶって事なんだ」また、人をやる気にさせ、成長させるためのコツについても「社員や部下の力をどうやって伸ばせばいいか、俺に言わせりゃ、そんなの簡単だよ。ほめりゃいいんだ。ほめに徹する。ほめてやる気を出してくれるんなら、いくらだって俺はほめるね」どのようなことでも吸収して自分の力にするパワーを感じます。「失敗はするさ、何度もね。その失敗から成功の糸口が見つかるんだよ。俺は絶対あきらめないからね」「必ずできるって信じることが、モノづくりでは一番大切なんだよ。それさえ揺るがなきゃ、途中の失敗なんか何でもねえんだ」本音で語りかける言葉に多くの気づきと勇気が湧き上がる一冊です。

            
着眼・着手
パートも含めて三十数名の潟^ニサケは、売上8億円で経常利益率は常に25%以上。一人年間百件以上の改善提案数はトヨタの7倍。また、「常に考える」上場企業、未来工業鰍フ提案制度も注目され、残業ゼロ・営業利益率は常に二桁。「改善提案制度」を徹底すると大きな成果が出ることを証明しています。継続の大きなパワーです。



                      平成20年6月  NO.76
   朝30分の掃除から
 
 『儲かる会社に変わる』
   株式会社 武蔵野 代表取締役
   小山 昇 著 (ダイヤモンド社 2007・7)



読書は、宝の山への旅と実感する。幹部社員の1/3が元暴走族。この落ちこぼれ企業が「日本経営品質賞」「経済産業大臣賞」を受賞し、現在高い評価を受け躍進を続けています。「だいたい社長の私自身が落ちこぼれである以上、社員を入れ替えたところで状況は改善されない」「今いる人材を鍛え直すのが最善」と考え教育に力を入れました。そしてその教育のテーマとは「小さな一番」になること、『掃除』に徹底して挑戦することでした。「徹底するとは第三者から見て異常だと思われるほどやる」事と考え社長自らが先頭に立ち「20年間、毎朝30分1日も欠かさず一所懸命に『掃除』を実践」されました。継続させるコツはとにかく形を整えること。やらざるを得ない「仕組を作りチェックすること」です。そしてその積み上げてきた小さな蓄積が「ライバル会社がマネをしても一朝一夕には追いつけない」大きな差となっています。まさに「僅差・微差が大差となる」を現実のものとしています。小山社長の信念を持って実践してこられた行動が大きな宝となり、お客様に喜んでいただくための心を磨く大切な風土としてすばらしい人材の花が大きく開花したといえます。その当り前の「掃除」を「重要な経営方針の一つとして位置づけ、戦略的に実践」してこられた事がまさに経営者としてのすばらしい選択であると実感します。「小さなところ、簡単なところを徹底させる」実感!

           着眼・着手
6月2日TV「カンブリア宮殿」に日本電産の永守重信社長が登場。創業時から「世界一」を目指し365日仕事に人生を賭け、数多くの赤字会社をM&Aにより僅かの間で高収益の会社に再生させています。リストラせず意識・習慣・行動を変えることで大きな成果が実現することを証明しています。そこでも掃除の徹底・ムダの排除が取り上げられています。すばらしい内容です。(録画DVD有ります)




                     平成20年5月  NO.75
     
『江戸っ子の教訓』
   
      桂 小金治 著 (幻冬社 2007・11)
                

読書は、宝の山への旅と実感する。全国から落語・講演会で引っ張り凧81歳現役の噺家、おなじみ桂小金治さんが上手な生き方を優しく語りかけてくれるすばらしい一冊です。江戸っ子なので歯切れよく解りやすい。「努力までならみんなするんだよ。だけど、そこでやめたら『どんぐりの背比べ』で終わりなの。そこから一歩抜きん出るためには、努力の上の辛抱という棒を立てる。この棒に花が咲くんだよ」「人間は一生の間に迷う事が何度もある。そんな時にはな、いやだなと思った方へいけ。そうすりゃ、人生、苦労は少なくて済むんだ」「人に用事を言いつけられてから仕事をするやつは半人前。自分で仕事を見つけて動けるやつが一人前」涙もろい苦労人の小金治さんは、お父さんの口癖を多く紹介しています。とにかく一所懸命、楽しく働く。「人の二倍、三倍やろうという気持ちが大切なんだね。」ただ「笑顔で駆けずり回って」働いていると「ええやっちぇな」とほめられ、うれしくなってもっと頑張ったそうです。大学へ講演にいくと必ず伝える事が「毎日、毎日もっと苦しみなさい。苦しむことによって知るんだから。それで励みなさい。励むことによってつかめるんだから。何かをつかめたら感謝しなさい」楽するところに感動は無い。にもかかわらず苦労を避けて生きようとする自分の姿を気付かせてくれます。人生で大切な事は、「ありがとうの多い人は勝つ」「ルールとマナーを守る」「礼儀正しく挨拶ができる」小金治さんが親身になってすばらしい人生の生き方を教えてくれ、その思いが心に響きます。改めて基本の大切さを実感します。
              
着眼・着手
管理会計(未来会計)は大変シンプルで体験するとすぐマスターできます。経営とは、固定費を賄う財源を確保することです。存続する為には当然です。その採算点及び必要利益を確保する目標値を明確に幹部間で共有出来ているでしょうか。良い会社は「数字に強い」です。過去の数字(財務会計)ではなく戦略的な会計が重要です。人材・設備の投資余力は?固定費の削減目標は?管理者への重要な教育テーマの一つといえます。



                    平成20年4月  NO.74
 =トルストイ「イワンの馬鹿」という生き方=
 「愚者の知恵」
      町田宗鳳 著 
      講談社α新書 (平成20年2月刊)

読書は、宝の山への旅と実感する。イエローハットの鍵山秀三郎様から頂きました一冊です。一気に引き込まれて読んでしまい、かつ何度も読み返したくなる内容です。トルストイの名作を通して自分勝手な生き方がどれほど自分を苦しめる原因になっているか、まるで鏡の中に写る自分の姿を気づかせてくれます。そして「労を惜しまず、正直な仕事をして、自分の信じる道を歩んでいくことの尊さ」を「イワンの馬鹿」の生き方から学ぶことができます。「エゴがあらゆる不幸の原因とわかっていても、そのエゴを捨てることができないのが私たち人間」です。もし方法があるとすればひとつだけ「自分の愚かさに気づくこと」ではないでしょうか。第二章「人に尽くす幸せ<二老人>」の中でも「エフィームは謹厳実直で信念のある生き方をしていたが、その信念が原則論になり、守れない人を許せない。エリセイは自分の弱さを知っていました。そのぶん他者をも許すことができました。エリセイにも、もし原理原則があるとしたら、それは許し合う<愛>しかなかった」のです。そして「エリセイは、どれだけ凡庸なことをしていても、それをあくまで楽しむすべを知っている」のです。幸せな生き方とは「人間は一人では生きていけません。人との出会いの中で心をこめなくてはならない」人との関係を大切にし、たとえ小さなことであっても自分のできる「小さな行為を重ねていく」ほかありません。何事にもまっすぐ凡事を徹底する生き方のすばらしさを気づかせてくれます。今日一日を大切にしたいものです。                              
               着眼・着手
 先日、戦略的中期経営計画の発表会に出席しました。社長が1時間会社のビジョン・方針・目標を熱く語ります。そして、続けて数名の幹部社員が自分の責任担当分野を熱く語ります。約3時間すばらしい理想的な内容に感じました。成功者の共通する力は「夢を見る能力」。「戦略的」とは、ゴールから今を見て取り組むべき課題を明確にすることです。ビジョン・方針・目標を共有することの「力」を再度実感!!




                          平成20年3月  NO.73
   =奇跡の強化学習=
  「を活かす勉強法」
        茂木 健一郎 著 
        PHP研究所 (平成19年12月刊)


読書は、宝の山への旅と実感する。現在、脳科学者としてTV等でも大活躍されており「喜びの回路が回れば、脳はどんどん鍛えられる」と言う事を論理的に紹介されています。「気分の良い人は、成果を上げる。成果を上げる人は、気分が良い」と言うような言葉を思い出します。達成感を感じた時、人間の脳は「ドーパミン」と言う快感を生み出す脳内物質が分泌され、更に効率的に快感を得るための学習が始まるそうです。「脳に回路が出来れば、あとは身体が勝手に動く」ようになります。「脳」がその幸せの回路を「暴走」し始めたとき最高の人生が訪れるようです。しかしドーパミンは楽なところでは分泌されず「苦しければ苦しいほど、その後の喜びは大きくより強化される」これが脳のメカニズムです。この苦しい状況を何とかして突き抜けることは、とても重要なことであり、具体的には「ハードル(目標)」や「タイムプレッシャー(制限時間)」を上げることがコツとなります。「人間の脳は、自分が前に進んでいれば喜びを感じる」ようにできており他人との比較より自分との比較が重要です。また仕事力(勉強力)の強化法も示されており、文章能力と国語力を鍛えることであり、その為にも「読書」それも「膨大な量を読むことが一番の近道」であり、読書は全ての基本に通じ「脳」にとって最も適した行為となるようです。コツに納得!
               着眼・着手
 
明るい話題を紹介させて頂きます。「コンテスト」です。「笑顔・元気な挨拶コンテスト」を社内でします。見られている、投票と言う数字で評価が出る。心地よい刺激で職場が明るくパワーアップします。手間も労力もコストも要らず効果抜群です。整理・整頓コンテストも刺激的です。職場が見違えるように美しくなります。時間意識・集中度コンテストも朝礼ミーティング開始時間のけじめが劇的に改善されます。森信三先生の職場再建三原則「時を守り・場を清め・礼を正す」。基本の徹底です。



               平成20年2月  NO.72
     
「思いやり」という
     
世界で一番のサービス

         
橋本絵理子 著  
          Nanaブックス (平成19年12月刊)
読書は、宝の山への旅と実感する。エアバスA380最新二階建てスーパージャンボを世界で最も早く導入し話題となったのがディズニーやリッツ・カールトンと並ぶ世界を代表するサービスに優れた企業シンガポール航空です。創業以来黒字を出し続け競走厳しい航空業界で優良企業と高く評価されています。シンガポールは、マレー半島の南端にある日本の淡路島くらいの小さな島国です。もちろん国内に航空便は不要です。歴史的に交易国としての民族の真骨頂でアイデア工夫を凝らし「必然的に優秀なサービス」が生まれ「それはとてもシンプルで『思いやりの気持ち』というただ一つの言葉に集約」されます。例えば「トイレ掃除」の徹底は半端ではなく「多くの人が気づかないような小さなこと」を重視し、「お客様が喜ぶことを常に考え、臨機応変に最善のサービスを尽くす」事に頭をフル回転せざるを得ない環境がそこにあります。そして、徹底したおもてなしが出来るのは「自分たちの喜び」でありそのサービスに「誇り」を持っている「そういう文化が確立」しているからだそうです。客室乗務員としての経験から多くの事例を紹介されていますが「いかに一人のお客様に真剣になれるか」というシステムをさながら「軍隊」のように妥協を許さず徹底できているところに強さを感じます。本気になった時すばらしい花が開く。なるほどと実感。
                  
着眼・着手
 人材育成のコツは、「計画的」に行い「効果」を測定することです。自社の基本的な商品知識のミニテストを実施して「信じられない」と点数の低さに驚かれる場面によく遭遇します。また、将来、管理者リーダーになってほしいから一般社員の時に「リーダー論」を、そして管理者リーダーには社長の分身になってほしいから「経営論」を身に付ける教育の仕組みも必要です。すばらしい成果を上げられている経営者は、多くの失敗を乗り越えて経験的に「戦略的な中期経営計画の推進と人材育成」の重要性を話されます。4月から新しい年度となります。今が、その準備の大切な時です。



                     平成20年1月  NO.71

 「人間を磨く
  言 葉
        鍵山秀三郎 著 亀井民治編
        PHP研究所 (平成19年11月刊)

読書は、宝の山への旅と実感する。創業以来続けている「掃除」の実践に多くの人が共鳴する東証一部上場企業イエローハット創業者、鍵山秀三郎相談役が出合った自分の生き方を励ましてくれる言葉。壮絶な体験に裏打ちされているからこそ言葉の一つ一つが心に強く響きます。まえがきに、「読書から私は今も多くのことを学び続けております」「読書は時代を超えて逢いたい人に逢わせてくれます。一人で対話する贅沢を与えてくれます。しかも心ゆくまでもです」と書かれています。いくつかご紹介させて頂きます。
*本物は続く、続ければ本物になる。<東井義雄(教育者)> P44
 「過去45年間、私は徹底した掃除を続けてきました。・・続ける励みになったのは、たえず工夫改善して進歩することでした」
*一切の不幸せは貧しさや不足から生ずるのではない。あり余るところから生ずるのだ<トルストイ> P68
 「・・努力した以上のものを求めているから私たちは、その差に不満を感じるので
あって・・あり余る豊かさに感謝の念が足りないからです。『足るを知る』ことです」
*教育とは流水に文字を書くようなはかない業である。<森信三(教育学者)> P144
 「私はこの言葉に出会ったとき、救われるような気持ちになりました。・・全身全霊を傾けて事業に打ち込んできました。社長の経営姿勢が伴ってこそ社員教育ではないでしょうか」
         着眼・着手
社名〔潟ーマスブレーン〕の意味は、
ユー<お客様第一> マス<MASマネージメント・アドバイザリー・サービス(経営支援)> ブレーン
社是      〔お客様の成長発展が私達の仕事です〕
経営理念   一、 私達は、常に感動のサービスを提供する 
         一、 私達は、人生最高のステージを演出する
         一、 私達は、新しい価値に向かって挑戦する



             平成19年12月  NO.70
  「高収益企業の
  
  つくり方」
   =稲盛和夫の経営塾=
   京セラ 名誉会長 稲盛和夫 著 
   日経ビジネス人文庫 (平成19年11月刊)

読書は、宝の山への旅と実感する。「『我が社は高収益になるのだ』と心から願い、誰にも負けない努力をすれば、いかなる業種においても高収益は実現できるのです」京セラ稲盛和夫名誉会長の盛和塾での問答集です。「経営を安定させ、従業員の雇用を守るため、会社は高収益であらねばならない」と断言し、その為には全ての従業員が共有できる経営の目的、経営理念が絶対必要であり「創業直後に全従業員が共有できる経営理念を確立していたことは、京セラが労使の立場を超えて一致団結する企業風土をつくる上で確固たる基盤となった」と話されています。取組みとしては「倒産した当時の三田工業は、足の踏み場もないくらいに汚れていて・・徹底的にきれいにして今の状態を作り上げ・・京セラ傘下に入り、更正法適用後1年あまりで高収益を出す工場に生まれ変わったのです」また「売上をできるだけ増やし、経費をとことん減らすことに努力し・・私は、全従業員とともに際限のない努力を積み重ねてきたので、高収益を上げることができたのです」内容を読み進めるほどに、経営の原理原則を忠実に実践していることが理解できます。「強い会社というのは、技術だけでなく、総合力で優れているものです。技術力も優れ、販売力も優れ、従業員の心も優れ、人間関係も優れ、あらゆるものが優れていて初めて強い会社になるのです」「人間の能力は無限であると信じて、あなたが先頭を走り・・夢を実現させようと懸命に努力すれば、道は必ず開けるのです」こつこつと基本を丁寧に実践するその姿がすばらしい会社を作ることになると改めて実感。

            着眼・着手
ミス・ロス・クレーム対策に特効薬はなく、やはり原理原則です。解決策は、2つ。@手順に原因があれば「手順書」を見直すA手順を守れなければ「教育・訓練」を徹底的に実施する。これをどこまで本気で取り組むかが重要となります。本気の姿勢です。個人別に、ミスロスを集計し掲示する(「見える化」)ことも意識付けに効果的です。



                     平成19年11月  NO.69
   
「熱湯経営」
      
     =「大組織病」に勝つ=
       
      大和ハウス工業 会長
      樋口 武男 著 文芸春秋 (平成19年9月刊)

読書は、宝の山への旅と実感する。「瀕死の子会社を再生し、本体の社長に就任すると奇跡のV字回復を果たし、業界トップに導いた大和ハウス工業会長が綴る仕事の要諦。“熱い心”こそが会社を動かし人を幸せにする」と熱血・痛快時代劇を見ているような引き込まれるストーリーです。「会社を熱湯にしたら120人が出ていった」「リストラをしたら士気が下がり優秀な社員からやめていく。活を入れるだけで組織は戦闘態勢になる」「結局はやる気があるかどうか」やる気のある社員にどんどんチャンスを与え、教育をする。「研修の第一歩は、魂の入れ替え、改革精神の注入から始まる」そして、その内容は、*支店長は、社長である*販売は、お客様の支持があって実現する*一番のサービスは「スピード対応」そして「凡事徹底・現場主義」とことん、迷わず基本を貫き通しているように感じます。また、内容の中で頻繁に大和ハウス創業者石橋オーナーとの師弟の関係が書かれており、「トップの最大の仕事は後継者をつくることだ」と諭されて来た事を忠実に実践しているようにも感じます。著者が黒皮の手帳に書き付けて常に携行している言葉『成功する人の十二か条』を紹介します。「@成長を求め続けるA自身と誇りを持つB明確な目標設定C役に立ちたいD自己訓練を習慣E失敗も成功F全力投球G自己投資H信じ行動I時間の有効活用J常に考えるK可能性に挑戦」そして、その逆が失敗する人の十二か条だそうです。原点に一点集中、なるほどと実感。

               
着眼・着手
現在、改めて注目されているのが岐阜県大垣でゴキブリだんごを製造販売している潟^ニサケ。一言で言うと「すごい」。パートを含めて約35人で売上8億円経常利益率30%2億円を超える。「日本一の知恵工場」と呼ばれ、平均一人年間100件以上の提案を出す。月間の改善提案件数は、300件を超える。特にすごいスーパースターや特殊技術がなくても全社員の「やる気」を引き出すための多くの仕掛けを駆使し、すばらしい成果を上げ続けています。*その内容を紹介した冊子をご希望の方にプレゼント中です!



                     平成19年10月  NO.68

  「何のために働くのか」

    2007年上半期読者が選ぶベストブック、
    ビジネスNO.1
    SBIホールディングス代表取締役CEO
    北尾 吉孝 著 致知出版社 (平成19年3月刊)

読書は、宝の山への旅と実感する。福沢諭吉の有名な「心訓七則」の最初に「世の中で一番楽しく立派なことは、一生涯を貫く仕事を持つことである」とあります。人間学から見た仕事観について大変わかりやすくまとめられています。人生のその大きな時間を使う仕事を充実した幸せなものと出来るかどうかでその人の価値が決まると言えるのではないでしょうか。「もし本気で自分の天職を見つけたいという気持ちがあるのなら、まずは与えられた仕事を素直に受け入れることです。そして、熱意と強い意志を持って、一心不乱にそれを続けていく覚悟が必要」であって、一所懸命の姿勢が自分を成長させる原動力となる。そして、「困難にチャレンジすることによって人間的に成長し、より器がおおきくなる」そのためにも「夢は出来るだけ大きく持つ」ことが必要とあります。また、二宮尊徳の「積小為大」を引用して「すべての小さな行いが自分を成長させてくれると考えれば、なんであれ意欲的に取り組める」そして、森信三先生の「最善観」という言葉を引用して「すべてを善きこととして受け止める姿勢を持てば、人間がポジティブになれる、前向きになれる」例えば、ピンチがやってきたら「それをありがたいと思えばいいのです」「必死になって乗り越えようとするところに人間の成長があるのです」「つまり、ピンチとは知恵も人も磨ける絶好のチャンス」となります。そして「仕事にひたすら打ち込んで、それを楽しむ境地に至るまで続けられたなら、それは最高の人生だと思います」人生の生き方を強く感じ、そうありたいと実感する一冊です。

                  
着眼・着手
収益性の高い組織は、共通して「見える化」「可視化」「数値化」に取り組んでいます。基本知識の小テスト・挨拶コンテスト・改善提案件数・机の上の整理・ミスロス等全て個人の点数で評価できる仕組みにします。「みんなでよくしよう!」ではなくて個々に数値化します。すると見えないものが見えて来ます。そこに集中して改善活動に取り組めばすばらしい成果が実現します。小学校でしていたような記憶?があります。




               平成19年9月  NO.67

 
 「二宮尊徳 一日一言」
          心を耕し、生を拓く
   
   寺田 一清 編  致知出版(平成19年8月刊)

読書は、宝の山への旅と実感する。先日も、日経新聞で大きく「じっくり読みたいビジネス書」に選ばれていた注目の一冊です。世界のトヨタの創業者である豊田佐吉の思想の原点が二宮尊徳であり、かつ21世紀の扉を開くのは、二宮尊徳の教えであるとも言われています。有名な一節を紹介させていただきます。
3月1日「大事をなさんと欲せば、小なる事を怠らず勤(いそし)むべし」『積小為大』の教えです。「小事軽んずべからず、小事の積み重ねの威力を思うべきです」との寺田先生の解説があります。
5月8日「遠きを謀る者は富み、近きを謀る者は貧す。」解説には、「遠大な見通しという先見性と大局観こそが大切であるとの教え」であるとあります。
9月21日「誠心を以って本と為す。勤労を以って主と為す。分度を以って体と為す。推譲を以って用と為す」これは、二宮尊徳の四綱領「誠心・勤労・分度・推譲」と呼ばれ生き方の根幹とも言われています。
11月22日「徳を積むの道はたとへば豆腐15文ならば、買ふときは16文、売るときは14文にすることなり」解説には、「得を積むとは、自己の利害損得を先にせずして、相手の利を優先するという一語に尽きると言えましょう」とあります。
平易な一文の中に、深い意味を感じ、日々あわただしく生きる中で大切な忘れていたことを気付かせてくれる、今、時代が求める重要な一冊と実感します。

            着眼・着手
登山のコツを一言。25年間、毎年北アルプスに登り改めて発見したことがあります。山登りの大原則です。最近は、三千メートル級の山小屋への荷上げは、ヘリコプターを使いますが、昔は人力(ボッカ)で上げていました。山小屋の主も昔話で数十キロの荷物をかついで上げた話をされます。そして、登るコツは『小さな歩幅で、ゆっくり、休まず』こつこつ、こつこつ、コツコツ「勝つ」コツ。積小為大。通じる所があると実感。



                       平成19年7月  NO.66
  
「『できる人』の
    
話し方&人間関係の作り方」
 =なぜか、「好印象を与える人」の技術と習慣=
 
 箱田 忠昭 著 フォレスト出版(平成19年4月刊)

読書は、宝の山への旅と実感する。ビジネス書コーナーで4〜5冊、箱田氏の書籍を目にします。年間300回以上のセミナーをこなすカリスマインストラクター。子供の頃、貧乏に苦しみその逆境をバネに外資系のイブ・サンローラン・ジャパン社長を経て現在大活躍中である。「人生は、絶対に変えられる!」と断言されています。そのコツは、徹底して「相手のしてほしいと思うことを相手のためにせよ」であり「自分のバケツを黄金水で満たすには、相手に黄金水を注ぎ、まず相手のバケツを黄金水でいっぱいにしてあげることです」それが良い人間関係の心構えとなります。アインシュタイン博士の言葉を引用され、弟子が「先生、人間は何のために生きているのでしょうか?」それに対し「きまっているじゃないか。他人のためだよ」良いものを多く得ている人は、できるだけ良いものを多く与えている人のようです。また、人に好かれるコツとして、心理学者ザイアンスの「熟知性の法則」(人は会えば会うほど好意を持ち、人間的側面を知ったとき好きになる)を紹介し、とにかく足を運び訪問する回数を増やし、話を聞き手紙やメールを活用して行動することが大切と紹介しています。そして、まとめとして「できる人」の条件を3つ@仕事のできる人A一生懸命働いている人Bコア・コンピタンス(専門的な能力)を持っている人、やはり基本の深堀が人生の鍵と実感します。

                   
着眼・着手
ドラッカーは、成果を上げる為にはまず自分の時間の分析が大切であると言っています。稼働率・時間分析のご支援をさせて頂く中で、データの重要性を実感します。意識を変えると20%の変化が生じるように体験的に感じます。そこで、目標を(有効面談4→10ではなく4→5)に目標設定すると「それなら、できる」となります。20%の改善を継続する内に3ヶ月・半年を経過して50%(有効面談4→6)習慣的に行動が向上します。習慣の変化は、気がつきません。しかし、確実に変身します。継続の力です。



                         平成19年6月  NO.65

    
『人間力を養う生き方』


  鍵山秀三郎 山本一力 著 
         致知出版社(平成19年4月刊)

読書は、宝の山への旅と実感する。五十年にわたり掃除の実践を続けている鍵山秀三郎氏と江戸下町を舞台に庶民の心を描き続ける山本一力氏の体験をもとに語り合う仕事と人生、生き方のお話です。お二人とも言葉に表わせないほどの辛苦の壁を越えられています。「鳥取の砂丘を歩いているようなもので、登っているつもりなのにずるずると下がっているような感じでした。・・前を向いて進まざるを得なかった。立ち止まっている余裕はなかったのです。」と貸し倒れや保証手形での大きな負債を乗り越えてこられた鍵山氏、そして「もう明日よ来ないでくれ。と思ったことが何度もありました」という事業破綻から乗り越え作家として活躍される山本氏の対談は、読み進めるうちに人生の生き方・考え方を持つことがどれほど大切かを優しい言葉の中から気づかせてくれます。「すべてがいい経験だった。明日は味方。たとえどんなことが起きようとも、逃げないで、人生を肯定的に生きていこうとする意志」で決定的にものの見方が変わってくるようです。また、鍵山氏は、掃除の運動を通して「まず大人が下坐行に打ち込んで、自らを律する心を磨いていく必要がある。その姿をしっかり子供たちに見せてもらいたいと思うのです。それが日本をよくする近道だと私は考えています。」そして「私がいま社員に言っているのは『最大のサービスは、君の人格を上げることだ』ということです。人格が低い人間は、何をやっても駄目なのです。」生き方の原点を強く感じます。

           着眼・着手
会社で一番大きな固定経費は、「人件費」ではなく「時間経費」といえます。人に払っているのではなく、人の使う時間に莫大な経費が発生しています。しかし、その「時間」に対してほとんど管理・教育が出来ていないのが実態のようです。時間分析・稼働率分析で現状を把握し改善運動を実施することで生産性は向上します。そして、そのためにも人生観や生き方、ものの見方や考え方の教育が重要であると実感します。



                       平成19年5月  NO.64
  『口ベタの田中さんなのになぜ
   住宅が1,000棟も売れたのか?』

    =並の営業マンなら200年かかる!=
 ≪お客様の印象は「頼りない。きっと売れない、
  かわいそうな営業マン」なのに次々と契約が・・≫
    田中敏則 丸山景右 著 
           日本実業出版社(平成19年4月刊)

読書は、宝の山への旅と実感する。積水ハウスに入社して27年で1000棟、普通の住宅営業マンなら200年かかる、田中敏則という日本一の男の生き方を紹介している。外見は、謙虚で腰の低い「普通の人」。しかし、その秘訣はすごい。「お客様に喜んでもらうこと」この一点を徹底的に貫いている。営業という仕事は「お客様の悩みやこだわりやニーズをじっくり聴き問題点を共有しその問題解決に全力を尽くせばいいのだから、まず聞き上手に徹しなければならない」聞き上手の鉄則は「なるほど」と共感を示すことと言う。そして、次に重要なことが「すぐやる。スピードはやる気の表れだと自覚している」と即行動する。お客様から見ると「田中さんは、何事にも真剣に考え抜いている。口数は少ないが、とにかく綿密で『ここまでやるか』と感心することがたびたびあります」と言わせる。彼の行動は「一つの現場、一軒のお客様宅に長居はしない。一日にできる限り数多くの現場多くのお客様宅を訪問」している。その、地味だがコツコツやっていく姿にファンが増え、紹介受注100%・紹介営業一筋ですばらしい偉業を成し遂げた。「好況よし、不況さらによし」という松下幸之助の言葉を好み、クレームが発生しても逃げず臆せず真摯な態度で事実に向き合い誠心誠意ぶつかっていく。ピンチこそチャンス。「悪いときほど努力を怠らず、前に向って一歩ずつ歩いていけば道は必ず開いていく」平凡なことを徹底することですばらしい成果が出ることを証明している。
               
着眼・着手
中小企業支援センターのサポーターの委嘱を受けている。主に中小企業庁の中小企業新事業活動促進法の推進である。先日も大阪府知事よりの経営革新の認定書の授与式に立ち会った。国が中小企業に対して、新商品の開発や新販路開拓の支援をしている。同じお客様に同じサービスを提供して成長は無い。変化に挑戦している会社は強い。



                            平成19年4月  NO.63
 『成功は
  ゴミ箱の中に』

=レイ・クロック自伝<世界一、億万長者を生んだ男>=
≪マクドナルド創業者≫
レイ・クロック プレジデント社(平成19年1月刊)

読書は、宝の山への旅と実感する。マクドナルドを世界的チェーンにしたレイ・クロックの自伝です。ミルクセーキ用ミキサーの営業をしていた彼は52歳のときロサンゼルスのハンバーガーレストランで運命の出会いをして事業を始め、大きな成功を収めました。「私が深夜二時に競争相手のゴミ箱を漁って、前日に肉を何箱、パンをどれだけ消費したのか調べたことは一度や二度ではない。私は競争相手と正々堂々と戦う。強みを鍛え、品質、サービス、清潔さそして付加価値に力を入れれば、我々についてくることができずに競争相手は消滅していくだろう」本気で人生を生き抜いている彼の姿を感じます。本部の壁の至る所には『ビジネスは立ち止まったら終わる。一人ひとり常に成長を心がけよ』と書かれてある。フランチャイジーにも「100%のエネルギーと時間を投入する覚悟があることが何より大切だ。頭脳明晰である必要はなく情熱とオペレーションに集中する力が不可欠だ」と熱い思いと行動を求めている。彼の口ぐせが「やり遂げろ、この世界で継続ほど価値のあるものはない。才能は違う、才能があっても失敗している人はたくさんいる。天才も違う、恵まれなかった天才はことわざになるほどこの世にいる。教育も違う、世界には教育を受けた落伍者があふれている。信念と継続だけが全能である」真剣に人生を生き抜いた男のロマンを強く感じる一冊です。偉人の伝記を読むことの大切さを改めて実感します。『人生二度なし』大切にしたいものです。
        着眼・着手
先日、感動的な経営計画の発表会に出席させて頂きました。朝9時から12時30分まで充実した内容に時間を忘れるほどでした。1時間半、社長が熱く会社のビジョン方針を語り、担当幹部がその具体的な役割を発表します。また、参加者全員がその感想を語りまさに全社一丸となるすばらしい発表会でした。年度初めに会社の計画を発表する。当り前の事ですが出来ている会社は少ないのではないでしょうか。基本は強いと実感。



                   平成19年3月  NO.62
     
『鈍感力』=どんかんりょく=
    
     渡辺 淳一著 集英社(平成19年2月刊)


読書は、宝の山への旅と実感する。小泉前首相発言で話題となった一冊です。何事にもへこたれない『鈍さ』。周りの雑音を気にしない集中力で仕事を押し進めていく力、才能を大きく育み、花咲かせる貴重な原動力が『鈍感力』といえそうです。「今のような国際化時代、どこの国に行って、どのような自然の下でもさらに現地のどんな食物を食べても元気で生きていける。こうした環境適応能力ほど、素敵でたくましいものはありません。そしてこの適応能力の原点になるのが鈍感力です」ということで、「何事にも神経質にならず、いい意味で、すべてに鈍感で、何事にも好奇心を抱いて向っていくこと」が幸せな生き方ではないでしょうかと問いかけています。そして、この鈍感力があってこそ「鋭さやナイーブさも、本当の才能となって輝きだす」ことになります。例えば、鼻が鋭すぎるとにおいが気になり偏食となり、やせて体力がつかない。鼻は空気を吸うためにあるぐらいの人はその鈍さのおかげで韓国料理やベトナム料理も何でもおいしく食べ健康で長生きだそうです。また、枕が変わると寝られない人とどこでも寝る人も同じで、鈍感力のパワーは人生の大きなウエートを左右するようです。会社組織でも人間の集団での個々の癖や態度は気になるものです。しかし、「さまざまな不快を無視して明るくおおらかに生きていける」この「鈍感力を身につけた人だけが、集団の中でたくましく勝ち残っていける」とのことです。たとえ、少々の皮肉が聞こえても「われ関せず」と、堂々と進むこの「鈍感力」こそ斬新なことを成し遂げる原点のようです。
                着眼・着手
大阪市内で製造業としてすばらしい業績を上げているA社様。社長様を中心に幹部社員7名で経営課題の現状分析を実施中です。これまでは、社長自らが会社をリードしていましたが、幹部社員との意識のギャップに悩まれ、350項目の製造業としての基本項目をチェックする中で、同じ質問項目に対して全く異なる回答を耳にして、その前提条件をすり合わせる中で「コミュニケーションの大切さを実感した」とのことです。



              平成19年2月  NO.61
   売上アップの
  
 『すごいしかけ』
 =かんたん実行・ばつぐん効果・らくらく継続=
  経営コンサルタント
  白潟 敏朗 著 中経出版(平成18年8月刊) 

読書は、宝の山への旅と実感する。大手監査法人トーマツのコンサルティング部門に属する若手経営コンサルタントの実践書。半年ほど前から書店で気になるものの、『コキャスタ(顧客スタート)をはやらせよう』とか、頑張った社員にみんなで拍手をする『みんパチ(みんなの前でパチパチ表彰)』をしようという内容に一歩引いていました。しかし、何度か手にするうちについ購入し読み進む中で日頃「戦略」とか「経営」とか話し合うものの忘れていた大切なことを気づかせてくれる、わかりやすい一冊です。例えば、売上アップの必需品「まずはこれから3点セット」とは、@お客様の喜びの声を集める。『ウチの商品はいかがでしたか?』(喜びの声)A「なんでウチなの?」を聞く。『どうしてウチの商品を選んだのですか?』(選んだ理由)B『お客様を紹介してください』(紹介依頼)。多くの営業担当者は、他社とのちがい(自社の強み)や商品のお客様から見た魅力そして紹介依頼という大切なことをおろそかにしているのではないでしょうか。既存のお客様を訪問する時に実践するだけで効果抜群とのこと。また、「自分がお客様だったら買いますか?」という質問を社内でして「買う」と答えた場合、なぜ買うのかを分析する(商品の強みを知る)「買わない」時はなぜ買わないのかの分析(商品の改良・改善)を仕組みとして繰り返すことが大切であり「社員一人ひとりの声は宝の山情報ですから、それをどんどん活用していけばいいんですよね」となります。当り前と見過ごしがちな基本的なそして大切なことをわかりやすく紹介しています。結論として、やっぱりお客様第一で凡事を徹底することであると改めて納得しました。

                
着眼・着手
上記内容と関連しますが、A社様がすぐに「まずはこれから3点セット」を実践されました。お客様を訪問しアンケートを回収。一ヵ月後の経営会議に訪問した時、掲示板に張り出されてあるアンケートを見て驚きました。そのアンケートには、お客様の商品とA社に対する感動のメッセージと「紹介したい」との声が。効果抜群を実感!



                  平成19年1月  NO.60
  
    『いい人生の生き方』
     =平凡なことの「積み重ね」で人生は輝く!=

       江口 克彦 著 PHP新書(平成18年10月刊)
             


読書は、宝の山への旅と実感する。22年間松下幸之助のもとで薫陶を受け、現在PHP研究所代表取締役として活躍されている。読むほどに引き込まれるほど「いい人生」の生き方のコツが集約されている。「時間を守る、人に笑顔で接する、腹八分目を励行する。その3つを日々心がけるだけでも、人生は明るく楽しいものになる」「人生を楽しく生きようと思えば、今日という日に全力を尽くすことだ」と心がけの大切さを紹介し、「将来のために今何をなすべきか」という人生の目標を『未来から現在』という考え方で明確にすることで人生はいっそう楽しくなると紹介している。また「幸福とは、その人が持って生まれた人間的能力を100%発揮することだ」「幸せとは、何かを達成することにあるのではなく、その達成の過程にある」「何事にも必死で打ち込むとき、日々の充実と幸福を味わうことができる」と本気で生きることの大切さを強調する。また、仕事においても特に人生の中で最も多くの時間を費やすものであり「天職とは自らの力によって見つけ出し、創り出すものである。死ぬほどの思いで懸命に努力することだ。そうすれば与えられた仕事でも、天職だと思えるようになる。」「これが自分の仕事だ、天職なのだと思えば、少々のことではへこたれない」と本気で仕事に取り組むことの価値を強調し、その結果として「主体的に仕事ができれば、必ずプラスの仕事をするようになる。プラスアルファの仕事をすれば自信が湧いてくる。日常の振舞いも明るくいきいきとしてくる」「仕事がこれまでになく面白くなっていく」「期待以上に仕上げようとして工夫すれば、間違いなく面白くなる」いい人生の泉は、自分の心の中にあると実感。
              
着眼・着手

地方のロードサイドから新しいビジネスが誕生すると言われます。地方の少ない通行量で繁盛するお店には何か魅力がある。この正月休みに一日宮崎から鹿児島の志布志まで日南海岸(R220)をサイクリングしました。『マグロ丼!』『たい焼き日本一』・・繁盛店の探索です。やはり、一点集中・一本勝負の主張は強いと今回も実感しました。



                       平成18年12月  NO.59
      
 
 『人間この神秘なるもの
   =遺伝子は無限の可能性を秘めている=

 村上和雄 涛川栄太 著 致知出版社(平成18年10月刊)
             

読書は、宝の山への旅と実感する。世界的な遺伝子学の権威でもある筑波大学名誉教授村上和雄氏と熱意・創造性溢れる人材育成で注目の新・松下村塾塾長涛川(なみかわ)栄太氏の「人間」をテーマにした対談。十余りの大病から奇跡の生還を果たした涛川氏は、村上氏を「命の恩人」と呼ぶ。病で「地獄の業火」に遭ったとき「高い志、感謝、プラス思考が人間の遺伝子を活性化してスイッチをオンにする」との書物の一節を目にする。そして「絶対力、絶対治、絶対楽観」を胸に「絶対生き抜いて日本再生の役に立つ」と決意し奇跡的な回復を。「一億円の宝くじが百万回連続で当るよりもはるかに不思議なことが起こっている」「大百科辞典数千冊分に相当する」以上の可能性が命にはある。「つまり、ありえない確率の中で人間として生まれてきたことが非常に素晴らしいし、さらに生まれた一人ひとりがみんな違っているという二つのことが言えるわけです。だから、私たちは生まれてきたことを喜び、人と比較することなく自分の役割や使命を見つけて生きなくてはならない」その遺伝子のスイッチをオンにするためには「私たちは、いい人に出会う必要があるのです。そうしないと良くならない。出逢いが大切なのです。人との出遭いでなくてもいい。良書に出会うということもいい。それがその人を開花させる一つのチャンスになるのですから」人間の無限の可能性、いのちの不思議、日本人の生き方について大変わかりやすく紹介された一冊です。

                  着眼・着手
今年の流行語大賞に「品格」がそして年間ベストセラーが「国家の品格」。時代の流れを少し感じます。先日この著者である藤原正彦氏(お茶ノ水女子大学教授・数学者)のお話を大阪商工会議所で聞かせて頂きました。世界的にもまた歴史的にも日本という国がすばらしいという事実、そして国に対する誇りというものを実感しました。大局観を持ち、親を思い、地域をそして国を思うというこの当然の価値を実感するお話でした。



                            平成18年11月 NO.58     

      『アメーバ経営』 
       =ひとりひとりの社員が主役=

     稲盛 和夫 著   日経新聞社(2006・9刊)
                                  

読書は、宝の山への旅と実感する。「約5年にわたり京セラ幹部に講義した高収益経営を実現する根幹をなすもの」であり「公開すべきではない」との意見が出る中で社会のためにとの思いから出版された。「アメーバ経営は小集団独立採算により全員参加経営をおこない、全社員の力を結集していく経営管理システム」であり、著者稲盛氏の思想と経営哲学の集大成とも感じる。アメーバ経営は採算にはこだわるが利益を目的とした経営手法ではなく、京セラの経営理念である「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献すること」が目的であると繰り返し強調している。その実現のために最も重要なことが「経営意識を持つ人材育成」という。「アメーバ経営は、リーダーを育成し、全従業員の経営者意識を高める究極の教育システム」であり「会議を活用し・・リーダーの考え方や仕事に対する姿勢を厳しく指導することで人材を育成してきた」「強い願望を持ち、その実現に向けて自分の持つ全てのエネルギーを集団に注ぎ込む」ことに専念している。「低い目標を立てれば低い結果しかえられない。・・どうしても高い目標が必要である」その実現のために三ヵ年ローリングプラン、単年度のマスタープラン、そして月次の計画を推進する。「毎日、全力を尽くして生きていくことこそ大切なのだ」「目標を立てて、その実現に向けて今日一日を懸命に努力することが大切である」『時間』に対する執念というものを感じる生き方の書と感じる。
                   着眼・着手

経営会議(戦略的中期経営計画の進捗会議)の場に最近すこし変化が起こっています。会議というとどうしても多くの資料が準備され、その資料に目を落とし議論する。ところが最近は光景が変り、資料は激減しほとんど目を資料に落とすことはない。パソコンの画面をプロジェクターでスクリーンに映す。会議情報は、事前にデータとして共有され当日担当者が順番に報告する。参加メンバーは、プロジェクターの情報を見て討議する。結論は、書記が記録し終了と同時に再度データとして共有できる。少しすごい。

                       平成18年10月 NO.57

    『仕事と人生を熱くする,
     いい話』
    国際経営・起業コンサルタント  
   浜口 直太 著   インデックスコミュニケーションズ(2006・7刊)
                                  


読書は、宝の山への旅と実感する。勉強が全くできない落ちこぼれ高校生がアメリカへ渡り、現在アメリカと日本で国際コンサルタント会社を経営し活躍している。そして、これまでの人生を振返り生き方のコツを紹介している。「命懸けでやり続ければ、大きな成果は必ず出る」と随所で自分の可能性を信じ挑戦することを語りかける。「仕事の究極の目的は、人間的に成長することであり、それを楽しむこと」であり「やりきることでの充実感や達成感を楽しむ」と更によくなる。また、運を引き寄せるコツは「自分自身が魅力的になれるように工夫・努力する」こと。そのために「尊敬できる人や成功した人に会う」出会いが大切で、一歩前に出ること。人との関係もコツは同じで「一人ひとりを大切にする」こと。「まず、話を聞き続ければいいのです」「対話に必要なことは、相手を尊重し、一生懸命聞くことです」「一人ひとりが自分は大切にされていると気付けば、各々が感謝の思いで自然に会社や組織に貢献していこうとする」すばらしい人の輪ができる。とにかく重要なことは「ギブ&ギブ&ギブ」の精神。「徹底的に人の相談に乗り、助けたり激励する」と「@謙虚になれA人間性が向上しB運がよくなる」。「幸せと成功を呼ぶ」コツは、「まずやってみよう!まず行動しよう!」実感。

                 着眼・着手
現在、大阪府の委嘱を受け「中小企業新事業活動促進法」(旧、経営革新支援法等)のご支援及びその進度のチェックで会社訪問等させて頂いております。この法律の趣旨は、変化に挑戦する中小企業を支援することです。そこで特に感じますのは、やはり積極的に経営の革新に取り組まれている会社は力強いということです。国の支援策を上手に活用して自社の体質強化に取り組まれています。商品やサービス、販路等を少し別の視点で考えてみれば可能性は広がるのではないでしょうか。(お気軽にお問い合わせ下さい)



                      平成18年9月 NO.56
    鈴木敏文の
    『商売の人間学』
      
          勝見 明 著 大和書房(2006・7刊)
                                  

読書は、宝の山への旅と実感する。「最大の競争相手は常に変化する顧客のニーズ」であり、「顧客人間学を究めてこそ、新しいビジネスチャンスをつかめる」と毎週幹部社員1500人を東京の本部に集め、経営のあるべき姿を繰り返し徹底的に血肉化させ教育する。年間30億円の移動経費はいとわない。国内総店舗数1万1千店世界一の小売チェーン「セブンイレブン」代表鈴木敏文氏の経営学が読みやすくまとめられている。「なぜ、おいしいものをつくっているのに売れなくなるのか?」「おいしいものには裏返しの意味があって、それは飽きるということです。」「顧客が飽きる(ほどおいしい)商品を毎日毎日提供し続けるという不合理を受け入れなければなりません」改善に改善を重ね仮説と検証を繰り返す。強い問題意識を持ち続けることを社員に求める。「他店見学厳禁!」(ものまねは絶対本物にはなれず、自己差別化できない)。鈴木氏は経営者というよりむしろ教育者であると感じる。「なぜ、新しいことに挑戦しないのかと徹底して追いつめ、今のやり方ではダメだと自分で気づかせ、自分で考えさせ殻を破らせる」。人間の本質を究めれば顧客ニーズも部下育成も「迷うことはなくなる」。原点は同じ。

                 着眼・着手

先日、8月22日大阪全日空ホテルで一部上場企業創業者の学習会に参加し,そこで強烈なショックを感じた。その経営者は「私の大切な仕事は、人材の育成・教育です」「今、皆様にお話させて頂いているのは会社の紹介であり私にとっては営業時間です」その次の言葉です。『社員教育には、80%の時間を確実に使っている』以前、店頭公開企業創業者は「60%の時間を社長が人材育成に使えば会社は勝てる」と聞いた。知っていることではあるが刺激的に感じた。実践の力・継続する力・強い意志の力、すごい経営者は、やはり当り前の一番大切なことに時間を使い成果を上げている。強く実感。
              

  平成16年度・17年度分   平成18年度分  平成19〜22年度分