経営戦略基礎講座【アンゾフの成長マトリックス】

現在の経営環境を見ますと3つの事がいえます。まず、@市場の縮小です。少子化による人口減少でマーケットが縮小しています。次にA競争の激化です。今まではライバルでなかったところまで垣根を越えて攻め込んできます。そしてBお客様がわがままになります。市場での激戦・消耗戦はお客様にとっては好都合です。値段が下がり、サービスは向上し要望が満たされると更に高い欲求を満たそうと行動します。

時代が大きく変化する中で、変化しないことが一番危険であり、現在の市場で現在の商品サービスを提供する事を続けていて、存続はありえません。現在のお客様に新しい驚き感動の商品サービスを提供し、また現在の商品サービスを新たな市場へ展開することを通して会社の明るい未来が見えてくることになります。

与えられた経営環境の中で生き残る為には、このアンゾフの成長戦略は非常に重要なテーマとなります。

成長戦略は、企業成長の方向性を示すものであり、どの戦略によって企業成長を図ろうとしているかを明確に示すものです。成長戦略は4つの視点を持っており、事業領域、経営資源の影響を受けながら、決定されます。

 成長マトリックスは、アンゾフによって1965年に提唱された戦略立案モデルであり、下図のようなマトリックスを作ります。

 垂直方向(縦軸)に市場を水平方向(横軸)に製品・サービスを展開する。

新規市場

B.新市場開発戦略

C.多角化戦略

既存市場

A.市場浸透戦略

D.新製品開発戦略

 

既存製品

新規製品


















  Aの領域:市場浸透戦略

現在の製品、サービスで、現在の市場に攻める戦略

自社にとって手馴れた市場で多く販売していく方法

  Bの領域:新市場開発戦略

    現在の製品を、新たな市場に投入する戦略

    未開拓のエリアや地域に対し、販売、サービスの提供を行う。

    これまでと異なる方法で製品、サービスを提供する。

  Dの領域:新製品開発戦略

    現在の市場に対して、新しい商品を投入する戦略

    これまで取り扱っていない製品、サービスを提供する。

     

  Cの領域:多角化戦略

    新しい市場に、新しい製品、サービスを投入する戦略

    B・Dの戦略を行うことにより、自ずと開いてくる4つ目の扉

  ※常にこの視点で経営を行う必要がある。

新規市場

B.新市場開発戦略

    宅配サービス

    イベントでの出張サービス

C.多角化戦略

・デイケアサービス企業との提携により、高齢者、介護向けの食事の提供、栄養指導など。

既存市場

A.市場浸透戦略

    郊外型の飲食店

    健康指向のオーガニック素材を使用するレストラン

D.新製品開発戦略

    高齢者、女性向けのメニュー開発

    素材を活かす、調理法の提供

 

既存製品

新規製品





















  事例)健康指向のレストランが、介護サービス事業へ進出した事例

  自社の可能性について検討してみよう

  Aの領域(自社の現状)………現在の製品、サービスは何か。

  Bの領域(新市場開拓)………現在の製品、サービスを新しい市場、
                顧客へ提供できないか。

  Dの領域(新製品開発)………現在の顧客に今と異なる製品、
                サービスを提供できないか。


  Cの領域(多角化)……………B、Dを行ないさらに、新しい市場、
                顧客へ新しい商品を提供することが
                できる可能性はないか。

新規市場

B.新市場開発戦略

C.多角化戦略

 

既存市場

A.市場浸透戦略

D.新製品開発戦略

 

 

既存製品

新規製品